押尾学薬物事件【2009年8月2日(日)】
被告 : 押尾学(32)
被害者 : 田中香織さん(30)
(年齢はいずれも当時)
◆ 初公判(2010年9月3日)
- (1)ロンゲでやつれながら 「突然歯を食いしばり、あおむけに倒れた」
- (2)女性の中毒状態は「エクソシスト」に「呪怨」… 映画のタイトルになぞらえる検察官
- (3)「オレ、変態だから…」 法廷に響く赤裸々な告白
- (4)「違法薬物のセックスこれまでも」 あえてクスリの確認必要ないと弁護人
- (5)「調書は検察のストーリー」と批判する弁護人 「死亡まであっという間」
- (6)「アミノ酸」と言われ マネジャーが受け取った袋の中身は…
- (7)全裸にバスタオルで口から泡…遺体写真は3枚 裁判員は目をそらさず
- (8)六本木に響くサイレン…遺棄致死罪立件へ本格シミュレーション
- (9)「白目むいたりけいれん…呼吸できず死に至る」 専門家が違法薬物の実害指摘
- (10)「女性の赤ん坊のころの写真です」 身を乗り出して見入る押尾被告の胸中は…
◆ 第2回公判(2010年9月6日)
- (1)「食っちゃったんだよね」被害女性が知人に漏らした意味は…
- (2)「性癖が変なのと付き合ってる」「薬を飲ませたがる」 浮かび上がる被害女性の困惑
- (3)女性の死亡報道で芸能人、銀座ホステス、薬…とつながり 知人「やられたと思った」
- (4)「ヤクザです」と次々実名 被害女性と暴力団との関係強調する弁護人
- (5)「愛が深まる」「“ハイ”になる」勧められてクスリを飲んだ女性が証言
- (6)錠剤飲んでセックス「テンション上がり、肌が敏感に…」と親密女性
- (7)ロス同行の別の親密女性「エクスタシー」勧められ、「体がふわっと…」
- (8)汗が止まらず「ヤバい」MDMA飲んで異変の親密女性 ロスのホテルで
- (9)「日本にMDMA持って帰って」と依頼され… 写真週刊誌の取材謝礼は「50万円」と親密女性
- (10)「エクスタシーで決まって」「まーくんが一緒にしよう」 明かされるドラッグセックスの実態
- (11)「子供に会えなくなる」と救急車の要請拒否 「(マネジャーに)罪着せよう」とも提案
- (12)罪着せようとしたマネジャーに「一生面倒見るから」 女性の携帯見て「まずいよね」
- (13)「第一発見者として名乗り出てくれ」「プランBを考えてくれ」 必死に隠蔽図るものの…
- (14)「情があったが言いたいことはない」 裁判員の質問に元マネジャーが決別宣言
◆ 第3回公判(2010年9月7日)
- (1)ぶつかり合う視線 MDMA譲渡したのは「押尾学です」 断言する泉田受刑者
- (2)「アミノ酸入る?」自ら発案の隠語でMDMA入手を依頼
- (3)MDMA服用し性交渉… 自分も倒れ、「女の子がゾンビみたいに」
- (4)「違法薬物隠すときはスニーカーの中」MDMA隠蔽のため靴箱へ
- (5)「汗がすごくなっている」「じんわりきたなあ。どうしよう」 薬物飲んだ泉田受刑者のメールへの返信は…
- (6)部屋に入ったとたん「死んじゃった」 提案された2つの隠蔽“ストーリー”とは?
- (7)「アッコのことよろしく」 出頭前、元妻の矢田亜希子さん気遣う
- (8)「オレ、よく筋トレするじゃん。アミノ酸と呼ぶから」 MDMA隠語の理由明かす
- (9)「法律に触れても聞いてあげたいと素直に思った」 MDMAの入手依頼された泉田受刑者
- (10)「ゴミ回収日なので、まとめて捨てれば確実」 薬物捨てた状況を証言
- (11)「何であんな話するんだ? おれの立場がやばくなっている」 保釈中に呼び出して詰問
- (12)「連れの女が意識がない。やばいっすよ」 連呼する被告を「通報しろ」と元国会議員の知人が一喝
- (13)携帯記録「芸能人の不倫なので消去してほしい」 依頼した元国会議員の心中は…
◆ 第4回公判(2010年9月9日) 【救急救命士証言】
- (1)薬物事案300件超経験の救命士が証言 「まず意識、呼吸、脈を取り…」
- (2)「アゲちゃんはうなり声をあげるだけで…」 異変に「非常に緊急度高い状態」と救急隊員判断
- (3)救命の可能性、薬物中毒への対応… 執拗に尋ねる弁護人
- (4)「病院は3次救急なら受け入れ拒めず早い」はっきり答える救急隊員
- (5)「出動まで1分」「六本木ヒルズまで2、3分で到着可能」 救急隊員が証言
- (6)「スムーズでないときとの差は2分」救急搬送に要する時間 隊員証言
- (7)「到着時、女性は『社会死状態』」 現場に臨場の救急隊長が証言
- (8)「首の後ろに強い死斑」「体温、非常に冷たい」… 女性の状態を生々しく証言する救急隊長
- (9)女性の病院搬送まで「時間かかるとは考えにくい」 救急隊長語る
- (10)六本木ヒルズの緊急対応 「異常発報から3分で到着」と防災センター職員
- (11)「シャワーから出たら女性が倒れていた」「すぐ来て」 被告から緊迫した電話
- (12)「非常に有名な方なので救急車呼べない」 知人が元マネジャーとの会話証言
- (13)「体から反応出る」とマネジャーから聞かされ 知人男性「違法薬物と推測」
◆ 第5回公判(2010年9月10日) 【医師証言】
- (1)「もっとしっかりしろ!」と怒鳴る被害者 ハングルのような言葉で文句も 医師はMDMAの症状と証言
- (2)拳振り上げ、白目むく…「普通は異変当初で119番」救急医が証
- (3)心停止前、診断していれば…「9割以上成功」医師が救命可能性に言及
- (4)中毒から死亡まで「数十分」と専門医 「致死量超えても…」とも証言
- (5)もうろうとした中、被害者が発した言葉は…「あー、マーくんごめんね」
- (6)MDMA中毒「集中治療室ならほぼ全て蘇生できる」…医師は救命に確信
- (7)「病院なら100%、救急隊が駆け付けていれば9割近い」医師は高い救命率を提示
- (8)「真綿で首を絞められたような息苦しさ」…医師は症状の深刻さ証言
- (9)「突然奇声を発し、空をつかもうする」…医師は「周囲も分かる」と断言
- (10)「救急車呼んでれば」「人の心感じられない」涙ながらに両親 入れ墨の意味は…
- (11)証人の検事にらみ続ける被告 取り調べには供述翻し「俺も被害者だ!」
- (12)「ふざけんじゃない」「その医者連れてこいよ」 検事の追及に猛烈な逆切れ
- (13)ドラッグセックス 「クスリが効いていたので2回目を」
◆ 第6回公判(2010年9月13日)【被告人質問】
- (1)細かい文字で埋め尽くされたノート 被告人質問迎えた心中は…
- (2)弁護側の医師「救命可能性はきわめて低い」検察側証人と真逆の見解
- (3)ドラッグセックス後、元妻の矢田亜希子さんに平然とメール 検察が指摘
- (4)「『助かる可能性低い』と説明しなければ」出廷理由明かす医師
- (5)「長期的でも、3、4割しか助からない」医師は低い救命率を提示
- (6)「覚醒剤やめるの大変だった」と被害者 クスリ話は「初めての食事で…」と被告
- (7)「次はクスリ使ってしようよ」居酒屋で決まったドラッグセックス
- (8)事件当日「新作(MDMA)の上物といわれ、興味が…」被害者の持ち込み強調
- (9)「『私に追いついて』と言われ、軽い気持ちでクスリ飲んだ」 …被告は被害者の主導を強調
- (10)「『119番通報しろ』とは言われなかった」…知人の元国会議員の証言を真っ向否定
- (11)「世論がうるさいから、起訴せざるをえない」 映画のセリフのように取り調べ再現
- (12)「ホテルで点滴打ってクスリ抜こうとしたが、痛くてやめた」 隠滅姿勢くっきり
- (13)「家族、仕事、社会の信用…。田中さん。すべてと言っていいぐらい失いました」 後悔にじませる被告
- (14)覚醒剤の隠語を使い「エスが好きな女いないか」 クスリまみれの生活露呈
- (15)通報しなかった理由問われ 「自分のこと考えていた」「クスリの発覚嫌だった」
- (16)いま一番会いたい人を問われ 「息子です」と小声でポツリ
- (17)「お互いに違法薬物好きだった」 2人で一緒に使った理由明かす
- (18)「逃げたい自分がいました」 証言内容の違い追及する裁判長につぶやく
◆ 第7回公判(2010年9月14日)【論告求刑】
- (1)「死人に口なしと、死者に責任なすりつける」被告の“身勝手”を断罪する検察
- (2)「すべきことは119番以外なかった」と語気強める検察官
- (3)「自己保身のため見殺し」「反省の情は皆無」検察の厳しい言及に被告は背中丸め
- (4)「被告に懲役6年を求刑します」と2度述べた検察官 被告は何度も弁護人を振り返り…
- (5)「興奮を高めようとしていた」 「すぐいる?」メールの意味を説明する弁護人
- (6)「保護責任者遺棄罪も成立しない」一気にまくし立てる弁護人
- (7)「見殺しにするようなことは絶対してない」「私はそのような人間ではない」被告最後の無罪主張
◆ 第8回公判(2010年9月17日)【判決】
- (1)その瞬間…無表情で裁判長を見つめた
- (2)「信用ならない」…被告の主張を次々と否定する裁判長
- (3)「すぐいる?」は体ではなくMDMA…根拠は「すぐに性交を始めていない」
- (4)「自己保身」「反省なし」と厳しく批判するも「救命確実とまでは言えない」
- ☆ ☆ ☆
- 判決要旨1 「すぐいる?」メール「日本語として非常に不自然」
- 判決要旨2 「自らの欲望の充足のため」ドラッグセックス厳しく指弾
- ☆ ☆ ☆
- 裁判員会見1 「著名人意識しないようにした」
- 裁判員会見2 「時間切れというより心の問題。これ以上答えられない」
◆ その後
- 2010年9月17日 弁護側即日控訴
- 2010年9月23日 「今回は正直にすべて話した」はずだったのに…押尾被告の明暗分けた専門家と「うそ」
- 2011年1月18日 押尾学 楽曲作りの日々 墓参は遺族拒否
- 2011年3月22日 押尾被告の二審初公判 遺棄と譲渡は無罪主張
- 2011年4月18日 押尾学被告、2審も懲役2年6月 「芸能人として自己保身、心情は卑劣」
- 2011年4月18日 弁護側即日上告
- 2011年4月19日 押尾被告、謝罪文と損害賠償100万円を遺族拒否
- 2011年5月19日 裁判員制度施行2年 押尾被告公判の裁判員「最後まで見届ける」 控訴審も傍聴
- 2012年2月15日 上告棄却
- 2012年3月29日 押尾被告出頭、収監