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第3回公判(2010.9.7)

 

(2)「アミノ酸入る?」自ら発案の隠語でMDMA入手を依頼

押尾被告

 合成麻薬MDMAを一緒に飲んで容体が急変した飲食店従業員、田中香織さん=当時(30)=を放置し死亡させたとして、保護責任者遺棄致死など4つの罪に問われた元俳優、押尾学被告(32)の友人、泉田勇介受刑者(32)が、男性検察官の質問に答える形で証言を続けている。

 泉田受刑者は、押尾被告にMDMA約10錠を渡したとして、麻薬取締法違反(譲渡)罪で懲役1年の実刑判決が確定している。泉田受刑者は昨年4月ごろ、押尾被告の撮影現場に栄養ドリンクなどを差し入れしたという。

検察官「栄養ドリンクのほかには何か買いましたか」

証人「透明のカプセルを買いました」

検察官「それはどういうものですか」

証人「使用用途としては、粉末の薬を入れて使うようなものです」

泉田受刑者は、男性検察官の質問によどみなく答えていく。

検察官「なぜカプセルを買ったのですか」

証人「本人(押尾被告)に直接電話したところ、買ってきてほしいと言われたからです」

検察官「何に使うかまでは聞かなかったのですか」

証人「はい」

検察官「何に使うか、不思議には思いませんでしたか」

証人「もちろん、考えはしましたが…」

 検察官は、「薬物についてですが…」と切り出し、質問を核心部分の薬物のやり取りの話に近づけていく。

検察官「薬物の話を押尾被告とするようになった時期はいつごろですか」

証人「だいたい、カプセルを買うよう頼まれた時期ぐらいです」

検察官「平成21年の春から夏になる前ぐらいということですね?」

証人「はい」

検察官「どちらが先に話を切り出したのですか」

証人「はっきり覚えていませんが…。私は過去に大麻取締法違反で逮捕された経験があり、何か(のきっかけ)で押尾にその話をしたことがあります」

 泉田受刑者は、大麻取締法違反の所持と栽培幇助(ほうじょ)で、過去に2度摘発されたことがあるという。

検察官「その話を聞いて、押尾被告のあなたへの態度は変わりましたか」

証人「極端に変わったということはありません」

検察官「押尾被告の薬物に関する経験を聞いたことはありますか」

証人「はい。カプセルを頼まれたころです。『気分転換でたまにはやる』と聞いたことがあります」

検察官「『やる』というのは、何をですか」

証人「MDMAです」

検察官「押尾被告はMDMAという言い方をしていましたか」

証人「最初は、『エクスタシー』という言い方をしていました」

 エクスタシーはMDMAを指す隠語だ。

検察官「押尾被告はそれを、どこから手に入れていると言っていましたか」

証人「『知り合いから』としか聞いていません」

 やがて押尾被告は、泉田受刑者にMDMAの入手を依頼してきたという。

検察官「押尾被告から、『エクスタシーやMDMAが手に入らないか』と言われたことはありますか」

証人「はい、あります。ちょうどその時期です」

検察官「押尾被告は何と言っていましたか」

証人「『入ればでいいんだけど』という言い方で、『入手できるか』と。私は薬物の密売人ではないが、心当たりがあったので『その人に聞いてみる』と言いました。結局、そのときは手に入りませんでした」

検察官「平成21年7月5日から28日、押尾被告はロサンゼルス経由でラスベガスに映画の撮影に行っていました。帰国した被告と初めて会ったのはいつですか」

証人「30日…だったかと思います」

検察官「電話やメールでのやりとりは、帰国後すぐに始めたということですか」

証人「(そうでも)ありますし、帰国前からもしていました」

 ここで男性検察官が、「時系列一覧表」と呼ぶ証拠資料を泉田受刑者に示した。押尾被告や関係者のメールのやり取り、現場となった東京・六本木のマンションの防犯カメラ映像などから、当日の流れを時系列でまとめたものだという。一覧表には事件関係者の実名も記載されているため、検察官は裁判長に、傍聴席から見える大型モニターには証拠を表示しないよう求めた。

検察官「これを見ると、7月30日14時42分に、押尾被告の携帯からあなたの携帯にメールが送られています」

 検察官は「話、変わるけど、アミノ酸入る?(入手できる?) 最近夏のせいか、周りがみんなアゲアゲだわ 笑」とメールの文面を読み上げた。

検察官「アミノ酸は薬局に行けば買えるものですが、あなたは具体的にこのメールはどういう内容だと思いましたか」

証人「『アミノ酸』はMDMAの隠語として使っていました」

検察官「それは、被告とあなたの間でということですね?」

証人「はい」

検察官「それはどちらの発案ですか」

証人「押尾の発案です」

 傍らの被告人席に座った押尾被告は背筋を伸ばし、表情を変えないままだ。

検察官「こういうことをメールでやり取りすることに、抵抗感はありませんでしたか」

証人「抵抗感がありましたし、私からそれは押尾に説明しました」

検察官「どのように説明したのですか」

証人「過去に私は逮捕歴がありますし、そのときの経験で、メールのやり取りは(携帯電話から)消去しても、捜査で分かることだと知っていました。(押尾被告に)『携帯でやり取りすると、(履歴が)残っちゃう』と話したことがあります」

検察官「それに対して、被告は何と言いましたか」

証人「『何で? 大丈夫でしょ。アミノ酸はアミノ酸だし』と、気にも留めないような感じでした」

 男性検察官が「でも、アミノ酸はアミノ酸ではないんですよね?」と尋ねると、泉田受刑者は「はい。ここでいうアミノ酸は、MDMAの隠語です」とはっきり答えた。検察官はその後のメールのやり取りについても読み上げた。

検察官「14時47分、『了解。聞いてみる』。その後、被告から『アミノ酸って今日何とかならない?』とメールが来ています。なぜこのとき、被告は急いでMDMAを手に入れたがっているのか、尋ねましたか」

証人「そのときは聞いていませんが、何となく想像はつきました」

検察官「どんな想像ですか」

証人「MDMAを使って女の子とセックスして楽しむんだなと…」

検察官「平成21年7月末にそういう想像をしたということは、それ以前にそうした話を被告から聞いたことがあったのですか」

証人「はい。その時期の直前の5、6月あたりです」

 押尾被告は身じろぎもせず、泉田受刑者の横顔を見つめている。

⇒(3)MDMA服用し性交渉… 自分も倒れ、「女の子がゾンビみたいに」