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第4回公判(2010.9.9)

 

(8)「首の後ろに強い死斑」「体温、非常に冷たい」… 女性の状態を生々しく証言する救急隊長

押尾被告

 合成麻薬MDMAを飲んで容体が急変した飲食店従業員、田中香織さん=当時(30)=を放置して死亡させたとして、保護責任者遺棄致死など4つの罪に問われた元俳優、押尾学被告(32)の裁判員裁判第4回公判。現場に駆け付けた赤坂消防署の救急隊長の男性の証言が続いている。

検察官「(現場での)詳しい時間の推移について、警察や検察で事情を聴かれていますね」

証人「時間の管理はDVMという機械的な管理をしています。タッチパネルで自動的に管理されますが、傷病者と接触するときは、救急車から離れるので、隊員が確認した時間になります。警察からエレベーターの映像が時間管理されているから、映像に残っている時間は信憑(しんぴょう)性があるといわれたので、(時間を)訂正させていただきました。その後、映像の時間に信憑性がないということになったので、隊員が確認した時間になりました。」

検察官「最終的に接触した時間は何時ですか」

証人「9時33分ごろです」

 検察官が質問を終え、男性弁護士が尋問を始めた。弁護士が証拠を示し、法廷内の大型モニターに、資料が映し出された。

弁護人「あなたは、平成21年2月7日、3月8日、3月9日に六本木ヒルズレジデンスに出動した経験がありますね」

証人「はい」

弁護人「まず、(事件のあった)8月2日以前の3件のケースというのはレジデンスのフロントからの通報でしたか」

証人「そのように解釈しています。この3件は警備員が路上まで案内に出ていました」

弁護人「8月2日の出動は、(押尾被告の友人の)○○さん(法廷では実名)という方が直接通報したケースでしたか」

証人「そのようです。○○さんからの通報です」

弁護人「六本木ヒルズレジデンスのフロントから直接通報があった場合は、どの駐車場に止まるか取り決めはありますか」

証人「ありません。数名の警備員が案内してくれる状態です」

弁護人「六本木ヒルズの警備員の指示に従うということですか」

証人「そうです」

弁護人「8月2日の出動は、どこに救急車を止めるかはどう判断しましたか」

証人「警備員がいるつもりで向かったのですがいなかったので、B棟からの通報だったので、B棟の車寄せに向かいました」

弁護人「8月2日の道路の状態は」

証人「いつもと変わりませんでしたが、六本木通りを若干横断する形になります。この部分が込み合うだけでスムーズに進みました」

 弁護人は、証人が現場に到着したときの状況へ質問を移した。

 駐車場にはさくがあったため、救急車はいったん道路に駐車。そこからストレッチャーを運び出し、現場へ向かったという。

弁護人「建物に入ってから、非常用エレベーターに行くまではどんな感じの速度でしたか」

証人「特に走ることはしていません。警備員の方の案内で進むしかないので」

弁護人「非常用エレベーターに来たとき、エレベーターはどんな感じで止まっていたか覚えていますか」

証人「覚えていません」

弁護人「エレベーターに乗るまでどのくらい待ちましたか」

証人「時間的なものはよく分かりませんが、警備員の方とエレベーターを待ったのは覚えています。開くまでに若干かかったので」

弁護人「扉が開いて、中にストレッチャーを入れるのにどのくらいかかりましたか」

証人「10秒もかかっていないです」

弁護人「2307号室につくまではあっという間でしたか」

証人「いえ、非常用エレベーターなので、2307号室はエレベーターの裏側なので、ぐるっと半周しました」

弁護人「黒いシャツを着た人に会ったりはしていないですか」

証人「いいえ」

弁護人「2307号室につくまでに、人に会ったりはしていないですか」

証人「いいえ」

弁護人「2307号室の前まで来て、すぐに部屋に入ったのですか」

証人「扉が閉まっている状態でしたので、警備員がインターフォンを鳴らしました」

弁護人「誰が出てきましたか」

証人「2回目を鳴らしたときに、出てきました」

弁護人「○○さん?」

証人「はい。私は○○さんしか目に入らなかったので、その人しかいなかったのだと思います」

 証人は考え込むような様子もみせず、弁護人の質問に、よどみなく答えていく。

弁護人「部屋に入ったときに○○さん以外の誰かがいましたか」

証人「3人で活動しておりまして、うち1人がもう1名いたと言っておりました」

弁護人「どんな人かは聞きましたか」

証人「いえ、私は最初は1人しか確認しなかったので。(人が出て行って)そこから戻ってきたかお答えできないです」

弁護人「2307で○○さんに会った後、○○さんは誰かに電話したことはありましたか」

証人「はい。○○さんが何の情報も持っていなかったので、私から『分かる人を呼んでください』と依頼しました」

弁護人「○○さんが電話したのは田中香織さんの遺体を確認した後ですか」

証人「はい」

弁護人「ご遺体を確認したのは、証人ですか」

証人「私だけでなく、3人のうち2人です」

弁護人「死後硬直の進行はどの程度ありましたか」

証人「観察したところ、全身に出ていました」

弁護人「死斑は?」

証人「背面部、背中の部分、特に首の後ろの部分が強い状態で出ていました」

弁護人「体温の状態は、どうでしたか」

証人「救急隊の確認事項になっているので」

弁護人「体温はどんな状態でしたか」

証人「非常に冷たい状態でした。ただ、皮膚感覚です。検温したわけではございません」

 押尾被告は、背中をやや丸め、熱心にメモを取っている。

弁護人「傷病者と接触したら亡くなっていたという場合、接触した時刻はどの時間になりますか」

証人「観察を始めた時間です。触れた時間ではなく、見えた段階から、観察の段階からになります」

弁護人「だいたいで結構ですが、証人が部屋に入ってから、○○さんが電話をするまでの時間はどのくらいたってからですか」

証人「時間的なものは分かりません。傷病者がご遺体になっているのを確認するのにさほど時間がかからなかったので、10分以内に電話しているのではないでしょうか」

弁護人「○○さんが2307に出動した際に、ヒルズの施設の看護師さんが来たことはありましたか」

証人「以前の出動ではそこにいた看護師さんが先着していました」

弁護人「8月2日には」

証人「いませんでした」

弁護人「それ以前の出動のケースでは看護師はどこにいましたか」

証人「お部屋に。部屋の中に」

 引き続き、女性弁護人が、救急車が駐車したときの状況を詳しく質問した。いったん道路上に救急車を止めた後、1人が駐車場に止めに行ったが、すぐに合流したという。

 弁護人の尋問が終了したが、検察官が再び尋問に立った。

検察官「弁護側が、2307に入る前に、黒いシャツの男と会わなかったかという質問で、会っていないというお答えでしたね」

証人「誰ともすれ違っていないので、ないと思います」

検察官「2307に到着したときに、付近に誰かいた記憶はありますか」

証人「いたかもしれないです。制服の警備員の方と、レジデンスの警備の方が入り交じっていたので、どれがどなたか判断つかないので、そのへんの記憶があいまいです」

 次に裁判員番号4番の男性が、救急隊の現場保存について質問。引き続き、向かって右側の男性裁判官が8月2日の通報内容を確認した。

⇒(9)女性の病院搬送まで「時間かかるとは考えにくい」 救急隊長語る