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第4回公判(2010.9.9)

 

(9)女性の病院搬送まで「時間かかるとは考えにくい」 救急隊長語る

押尾被告

 保護責任者遺棄致死などの罪に問われている元俳優、押尾学被告(32)の裁判員裁判第4回公判が続いている。押尾被告と一緒に合成麻薬MDMAを服用し、死亡した飲食店従業員、田中香織さん=当時(30)=を病院まで搬送した赤坂消防署の救急隊長が、搬送状況について裁判官の尋問に答える。

証人「(患者の)意識がない状態だと、消防隊の出動も要請します。救急隊3人だと困難を伴う場合があり、搬送の力を高めるために消防4人と合わせ、計7人体制になります。だから通報内容は非常に重要になります。今回は通報が『倒れている』とだけだったので、救急隊のみの出動となったのです」

裁判官「今回は警備員の誘導はなかったのですか」

証人「はい。そうですね」

裁判官「駆けつける際に通報者の連絡先は分かりましたか」

証人「逆信しています。電話をかけてます」

裁判官「これまで3次救急の対処は100件以上経験されているんですよね。スムーズにいかないこともあるかと思いますが具体的にはどうですか」

証人「救助活動が絡んだりする場合ですと時間がかかります。工事現場などでも救急車に収容するまでに時間がかかったりします。また1つの判断材料として20分以上時間がかかるときはドクターカーの出動を要請します」

裁判官「住宅の場合だとどうですか」

証人「高所の場合は困難になることもあります。大きなマンションには(エレベーターに)ストレッチャーが入るので困難は伴いませんが、小さなエレベーターしかない場所では、担架で搬送したりしますので、時間のロスが発生します」

 押尾被告は両手をひざの上に置き、じっと裁判官の方を向いている。

裁判官「傷病者との関係で時間がかかることはありますか」

証人「進行性の意識障害では、まだ脈が安定している場合があります。この場合は3次救急が必要となります。しかし、家族がかかりつけ病院への搬送を望むと説得に時間がかかることもあります。傷病者の処置で時間がかかることはまれです」

裁判官「3次救急と2次救急の違い。3次救急ではセンターで受け入れをやってくれるから病院を探すのに時間はかからないが、2次は現場で病院を探すから時間がかかるとありましたが?」

 裁判官は2次救急の場合、病院搬送までどのくらい遅れることがあるかを知りたいようだ。

証人「2次救急では救急車のPHS電話で病院に電話します」

裁判官「なかなか受け入れ先が見つからなければ、どのくらいの間、処置が遅れるのですか」

証人「最初はかかりつけ病院から電話します。次の病院を探すときは、救急車にいったん収容し、救急車のコンピューターを開いて病院選定を行います」

裁判官「今回のような場合ですと、かかりつけの病院を探すというようなことにはなりませんか?」

証人「3次救急と判断したら本部に電話して本部が病院を選定します。収容した段階で病院が決まっています」

 死亡した田中さんは3次救急として扱われ、救急車で病院搬送されている。

裁判官「証人は8月2日に(六本木ヒルズレジデンスの現場へ)駆けつけたとき、(部屋で)1人しか見ていないとおっしゃっていましたね?」

証人「扉を開けてドアの隣にもう1人いたというような話はありましたが、私は1人しか記憶していません」

 山口裕之裁判長が裁判員らに対し質問がないか尋ねた。向かって右から3番目の女性裁判員が質問を始めた。

裁判官「女性が倒れているということで現場にいらっしゃいましたが、当時は状況が分からずに2次救急か3次救急かの判断はできていなかったということですか」

証人「はい。そうです。『意識はない。脈は分からない』との電話内容だけでした。心臓マッサージは実施するように指導しています」

 山口裁判長が質問する。

裁判長「8月2日、警備員の案内がなかったとのことですが、案内がないというのはよくあることですか」

証人「そうですね」

裁判長「119番通報が(部屋から)直接あった場合は警備員がいないこともあるのですか」

証人「あり得ると思います」

裁判長「あとで警備員が出てきましたが、これはなぜですか」

証人「制服の警備員がほかの件で巡邏(じゅんら)しており、接触できたのです」

裁判長「そのあとは誘導が得られたのですか」

証人「そうです」

 法廷の大型モニターに、搬送までに要する時間を記したとみられる書類が表示された。

裁判長「例えば、1番だと車内収容時分から出発まで20分、2番だと10分、3番だと6分とありますが、この時間は何ですか」

証人「部屋の中で病院が決まらなければ、救急車に収容してから病院が決まります。3病院目なのか4病院目なのかで差が出るということです。(救急車は)病院が決まるまで現場から動きません」

裁判長「(3次救急では)収容から出発まで、時間がかかることは考えにくいですか」

証人「ありませんね。患者の容体が急変し、2次救急から3次救急に変更となれば、救急車の中で待つこともありえますが」

裁判長「薬物中毒の患者搬送で時間がかかることは考えにくいですか」

証人「薬物中毒だとすぐに処置をとります。やることが決まっていますので時間がかかることは考えにくいです」

裁判長「終わりました。ありがとうございます」

 山口裁判長が30分間の休廷を告げた。

⇒(10)六本木ヒルズの緊急対応 「異常発報から3分で到着」と防災センター職員