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第3回公判(2010.9.7)

 

(6)部屋に入ったとたん「死んじゃった」 提案された2つの隠蔽“ストーリー”とは?

押尾被告

 保護責任者遺棄致死などの罪に問われた押尾学被告(32)に合成麻薬MDMAを渡したとされる泉田勇介受刑者(32)への証人尋問が続く。押尾被告は手元のノートにせわしなくペンを走らせる。

 東京・六本木のマンションで田中香織さん=当時(30)=が昨年8月2日、MDMAを飲んで死亡した後、携帯電話で押尾被告に呼び出されたという泉田受刑者。検察官は事件当時、押尾被告が事実を隠蔽(いんぺい)するため現場で提案したとされる“善後策”について、質問を重ねていく。

検察官「あなたが部屋に到着したのは午後9時ごろですね」

証人「はい」

検察官「部屋に行った理由は何ですか」

証人「押尾に電話で呼び出されたからです」

 検察側の冒頭陳述などによると、押尾被告は田中さんの容体が急変した後、午後6時32分から約15分間に、知人や泉田受刑者らへ数分間隔で繰り返し電話をかけている。

 男性検察官が手元の資料を見ながら質問していく。

検察官「ここに示している発信記録。留守番電話になっていますね」

証人「このときは自宅で寝ていて気付きませんでした」

検察官「18時47分には『至急電話くれ』というメールが届いていますね」

証人「これにも気付きませんでした」

検察官「19時2分ごろにも留守番電話が入っている?」

証人「これにも気付きませんでした」

 押尾被告は資料をめくりながら、検察官と泉田受刑者のやりとりに耳を傾けている。

検察官「20時12分には、あなたから(押尾被告)に電話していますね」

証人「このときに電話が鳴っていることに気付いて、折り返し連絡しました」

検察官「だいたい13秒ほど通話していますが、どんな話をしましたか」

証人「とにかく『ヤバイ』と。大至急来てほしいということでした」

検察官「この段階で、起こったことは、あなたには伝わっていなかったのですね。当時は、何があったと思いましたか」

証人「話し方から何か相当なこと、トラブルがあったんだろうなと思いました」

検察官「その後、20時20分、20時25分と電話がかかってきていますね。どういうシチュエーションだったのですか」

証人「とにかく急いでいたので、タクシーで自宅から(六本木)ヒルズに向かっている途中でした」

検察官「それで、20時57分にちょっとした電話をして、部屋に上がったのがだいたい午後9時ごろ?」

証人「はい」

 押尾被告は質問を受ける泉田被告をじっと見つめながらメモを取り続けている。

検察官「部屋には誰がいましたか」

証人「押尾と、(元マネジャーの)△△さん(法廷では実名)、(チーフマネジャーの)□□さん(同)がいました」

検察官「そのとき交わした会話や状況をできるだけ忠実に再現してください」

証人「部屋に入ってすぐ、『死んじゃった』と言われたのを覚えています」

検察官「それで?」

証人「いきなり言われても、(状況が)分からなかったです…」

 淡々とした口調の泉田受刑者。傍聴席からみて左から2番目の男性裁判員は押尾被告と泉田受刑者を交互に見つめている。

 押尾被告はモニターを指さしながら左横の弁護人と言葉を交わし、しきりにうなずいていた。

証人「女性とこの部屋でセックスしたんだろうな、と。寝室で女の子が亡くなっているんだろうな、と思いました」

検察官「部屋にはあなたと被告人、□□さんと△△さん、さらに田中さんがいたということですね。当時は、田中さんがなぜ死んだのか、いきさつについて説明は受けましたか」

証人「細かい説明は受けませんでした」

検察官「概括的な説明を受けたということですか」

証人「まぁ…薬物をたくさん服用して、体調がおかしくなって死んでしまった、と」

検察官「容体の変化について、詳しい説明はその場では受けなかった?」

証人「簡単に説明を受けました」

検察官「押尾被告から、田中さんがどうなったと聞きましたか。それに対して、□□さんや△△さんはどういった反応でしたか」

 押尾被告はメモする手を一瞬止め、泉田受刑者をじっと見つめていた。

証人「話と言うよりは、重い空気が…。部屋全体が重い空気でした」

検察官「被告人が『ここにいなかったことにする』というような話は出ていましたか」

証人「それはありました。押尾本人から、そういう話が出ていました」

検察官「あなたが覚えている範囲で、どういった話が出ていましたか」

証人「はっきり覚えているストーリーは2つです。1つ目は、△△が田中さんと、押尾が貸した部屋で遊んでいて、その中で起きた事故だという内容」

「2つ目は、押尾と田中さんが遊んだ後に、(事件が起きた部屋とは別の)42階の部屋で、押尾と□□と私の3人で仕事の打ち合わせをしていたと。しかし、時間になっても田中さんが起きてこなかったので、△△が部屋の様子を見に行ったら、田中さんの異常に気付き、通報するというストーリーです」

 事件を隠すため、押尾被告が実際の状況と違う「ストーリー」を提案したと説明する泉田受刑者。押尾被告はメモの手を早め、ノートに書き込みを続けている。

検察官「しかし、結果的にそれは却下された」

証人「その話は、さすがに無理だろうということになりました。私の聞いた話では、△△。最後は△△を身代わりにしよう、ということになっていました」

検察官「その後、さらに被告人の知人が(部屋に)来て、記録では、21時19分にすぐ119番通報していますね。あなたが午後9時ごろ部屋に来てすぐ通報していますが、考えようによっては(短時間で)そこまでの話ができているのは不自然かもしれません。本当にそういう話を聞きましたか?」

証人「はい」

検察官「そのときはリアルに、せっぱ詰まった状況だったと?」

証人「すでにそういう(ストーリーの)話があって、(押尾被告らが)何度も話し合っていたのかな、と思いました」

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