×

[PR]この広告は3ヶ月以上更新がないため表示されています。
ホームページを更新後24時間以内に表示されなくなります。

第6回公判(2010.9.13)

 

(18)「逃げたい自分がいました」 証言内容の違い追及する裁判長につぶやく

押尾被告

 保護責任者遺棄致死などの罪に問われた元俳優、押尾学被告(32)に対し、山口裕之裁判長の質問が続いている。山口裁判長が鋭い口調で質問を放っていく。

 山口裁判長は、押尾被告が飲食店従業員、田中香織さん=当時(30)=と合成麻薬MDMAを服用したとして麻薬取締法違反の罪に問われた昨年11月の裁判と、今回の法廷での証言内容の違いについて質問していった。

裁判長「前回の裁判では隠したいという気持ちがあったということでしたが、今回は何も隠さないというのは、前回と今回では何が違うんですか」

被告「置かれている立場が違います」

裁判長「どう違うんですか」

 裁判長からの追及口調の度重なる質問に、答えに窮する押尾被告。

被告「……。前回は、逃げたい自分がいました」

 つぶやくような声で答えを絞りだした。

裁判長「(押尾被告が)『今回はそういうのをやめよう』というんで聞いているんです。どうしてですか。どうしてそう言えるんですか」

被告「前は気づかれなかったらいいなっていうのがありました」

裁判長「あまり意味が分かりませんが…。前回はばれなきゃ良いと思ったんですか。前回も(昨年)8月2日の田中さんが亡くなったことを聞かれたんでしょ。そのときはうそをついたんですか」

被告「はい。ですが、やはりうそはよくないと…」

 ボソボソと答える押尾被告。山口裁判長は、押尾被告の質問の答えにあまり納得できなかったように、ぶっきらぼうに「ああ、そういうことですか」と話し、被告人質問の終了を告げた。

 押尾被告は立ち上がり座っていたいすを証言台の下に収めると、早々と弁護側の席に戻って着席した。

 検察官が押尾被告の供述調書を証拠提出しようとしたが、弁護側は「刑事訴訟法322条1項の任意性を欠くので採用すべきでないと考えます」と異議を申し立てた。これに対し、山口裁判長は2人の裁判官とともに、提出しようとする供述調書に目を通した上で「任意性があると認め採用します。異議を棄却します」として、弁護側の申し出を却下した。

 検察官は、提出する供述調書の一部を朗読していった。これまでの裁判でも明らかにされた、田中さんの容体が急変した昨年8月2日、押尾被告と田中さんが六本木ヒルズの一室で何をしていたのかについて、生々しい内容が読み上げられていく。

検察官「『薬を飲んでセックスをするのは大体1時間ぐらいです。2回目はせいぜい30分ぐらいでした』」

「『“来たらすぐいる?”というメールは、“僕の体がすぐいる?”っていう意味でした。アゲちゃん(田中さん)は部屋に来たときにはすでにハイテンションで、薬をやってるんだなと思いました。これまでもテンションが高くなってることがあったんですよ』」

 押尾被告は弁護人の方に体を傾けてひそひそと話をしている。男性弁護人は時折笑みも交えて会話を続けている

 検察官は、供述調書の読み上げを続けた。

検察官「『死ぬって分かっていたらぼくだって、救急車を呼びましたよ。そもそも人がクスリをやっておかしくなるの見たことなかった』」

「『クスリが決まっているから救急車を呼ぶのをやめようなんて気持ちはありませんでした』」

 押尾被告は、倒れた田中さんに対し、アメリカで学んだ心臓マッサージと人工呼吸を行った。

検察官「『クスリが、ガンガン効いているときでしたけれど、こっちも必死でした。『なんで死んだ』ってそればっかりです』」

 検察官は早口で、読み上げを続けていく。

検察官「13号証は、被害者の容体悪化に対する供述調書です」

 田中さんの容体が急変していく様子を語った押尾被告の調書が読み上げられていく。

 押尾被告は弁護人を見つめながら、上半身を軽く動かし、うつむいた。

 続けて、検察官は押尾被告の供述が変遷した理由を読み上げ始めた。

 当初、田中さんが死亡したのを午後7時40分と話していた押尾被告だったが、『それはうそだ』と否定したという。

検察官「『(田中さんが死んでいたのは)午後6時20分ごろなのに、当時の弁護士さんから、急死したのは死体遺棄になるからそれはまずいって言われてその通りにしました』」

 しかし、今年1月、保護責任者遺棄致死容疑で逮捕された押尾被告は、このままではいけない、と本当のことを言おうと決意したという。

裁判長「本日の審理はこの程度にします。明日は午前10時から論告、弁論、よろしいですね」

 次回公判は14日午前10時から、検察側の論告求刑と、弁護側の最終弁論が行われ、結審する。

⇒第7回公判