耳かき店店員殺人事件公判
■ 初公判 (2010年10月19日)
- (1)被告が蚊の泣くような声で口にしたのは…「取り返しのつかないことをした」
- (2)「一緒に電車で」「手をにぎってほしい」…エスカレートする付きまとい行為
- (3)「馬乗りになってハンマーで殴打」「ナイフで首をめった刺し」… 検察官の指摘に被告は深いため息
- (4)「もう無理です」と拒む被害者に「なぜ会えない」と待ち伏せ 一方通行の思いが惨劇に…
- (5)「冷蔵庫や壁にも血痕」「首の刺し傷」… 生々しい現場写真に伏し目がちの裁判員
- (6)「振り向くと血だらけの男が立っていた」…母が目撃した被告、届かなかった悲痛な叫び
- (7)「やっぱり、付けられていたんだ」「ストーカー男よ」 母の予感は最悪の結果に
- (8)「刺されて痛かったろう、苦しかったろう」 父の悲痛な訴えに目元をぬぐう裁判員
- (9)「妹を元に戻して」「祖母を今すぐ返して」… 続く家族の訴えに目頭を押さえ、震える被告
- 検察側冒頭要旨(上)しつこく食事に誘う被告、耳かき店長は出禁に」
- 検察側冒頭要旨(中)ペティナイフと果物ナイフで刺せば殺せる…
- 検察側冒頭要旨(下)「やめて」と叫ぶ被害者に「この野郎」 強固な殺意、残虐
- 弁護側冒頭要旨(上)「地道で真面目な社会人」…胸のうちで葛藤
- 弁護側冒頭要旨(下)毎日遺族に手紙、「悔やみ反省している」
■ 第2回公判 (2010年10月20日)
- (1)100人以上のスタッフの中で 「ナンバーワン指名だった」被害者
- (2)「僕との仲を引き裂きたいんだろ!」逆上して店長に言い放った被告
- (3)「怖い」「自分の家がばれている」…ストーカーにおびえる被害者は催涙スプレーで“武装”
- (4)被告は「自分の中では存在しないことになっている」…犯行で風評被害に悩まされた店長の心中は?
- (5)弁当まで持ち込んで8時間も居座った被告 次第に行動は常軌を逸して…
- (6)「今日、言います」 被告のしつこい要求に“出禁”を告げると決めた被害者は…
- (7)度重なる被告の待ち伏せに「あり得ない」「怖いです」と被害者は声を震わせ
- (8)「あだ名つけて」とねだった被告、「ピヨ吉」と呼ばれ…店の同僚証言
- (9)「キスされたかも」と同僚に相談 被告の「横で寝よう」「頭をなでろ」に困り果て…
- (10)差し入れのおでんをめぐり 「ケチ」と言われてシクシク泣いた被告
- (11)働いてからずっと貯金を続けた訳…「まとめて親にあげる」と同僚に話した被害者
- (12)「怖がることしないから、店へ行ってもいいか」 待ち伏せた被告を拒絶すると…
■ 第3回公判 (2010年10月21日)【被告人質問】
- (1)「生きてこその償いか、生きていてはいけないのか…」被告が犯行後に書いた手紙を弁護人が朗読
- (2)貯金は1千万円「説明する責任がある」と自殺を思いとどまった被告
- (3)「ピヨ吉は私じゃない」被告が語るあだ名の意味は…
- (4)「夜は寝たかったが、何度も誘われて…」被害者の“積極営業”を強調する被告
- (5)クリスマスには「Wiiがいい」と言われてプレゼント お返しは「カード入れ」
- (6)「体に触ってくるのが嫌」「出入り禁止にした」他の客の愚痴を被告に漏らす被害者
- (7)「交際や結婚をしたいとは思っていない」 検察指摘の「恋愛感情」真っ向否定
- (8)食事の約束交わすも…被告の捨てぜりふに被害者「もう無理」
- (9)「また店に行っていい?」 被告の問いかけに「無理、無理、無理」と走り去る被害者
- (10)耳を真っ赤にし殺害の瞬間を語る被告 ベッドにいた被害者は「どうしたの」
- (11)涙から一転、検察官の質問にいらだつ被告 「人の気持ちは簡単に割り切れない」
- (12)「1つ1つ理由付けしなければいけないのですか」 検察官の質問にキレ気味の被告
- (13)「言ったとおりに調書に書くとかぎらない」 検察と真っ向からぶつかる被告
■ 第4回公判 (2010年10月22日)【被告人質問・鑑定医質問】
- (1)殺害を考え始めた時期は… かみ合わぬ被告人質問にいらだつ検察官
- (2)「性風俗店に毎週のように通った?」 検察官の質問に「関係あるのか」と反論する被告
- (3)「馬乗りになってナイフで首や肩を狙った」 祖母殺害状況を語る被告
- (4)「どうしたの」「やめて」叫ぶ被害者に何度もナイフ…傍聴席からすすり泣き
- (5)悲しむ人がいるとは「そのときは考えられないわけで…」のらりくらりと質問から逃れる被告
- (6)被害者を「許せない、と思った…」“殺す”という行動に出た理由を冷静に語る被告
- (7)「血の感触思いだすか」「動かなくなってどう思ったか」裁判員から繰り出される質問に被告は…
- (8)「もう無理」メールの理由は「分からない」 事件は「私の生きてきた結果です」
- (9)「抵抗する美保さんに『声を出すな』『このやろう』と怒鳴った」読み上げられた調書
- (10)「女性関係に不慣れで未熟」精神鑑定した医師が証言
- (11)「店員と客の関係超えた感情」 被告の心理を鑑定医が分析
- (12)犯行招いたのは「多様性認めない性格」鑑定医が証言
- (13)被告の母としての償い 涙ながらに「田舎の家も売れるものはすべて売って賠償する」
- (14)「親戚を代表して極刑を求めます」 遺族の悲痛な訴えに裁判員ら涙
■ 第5回公判 (2010年10月25日)【論告求刑】
- (1)「愛情の背景にある憎しみが先鋭化した」…精神科医が殺意のわけを説明
- (2)「バケツに水が一滴落ちるとはじけるようなイメージ」犯行の瞬間の心理を分析
- (3)殺意の芽生えは犯行前日?「十分な時間取れなかったので…」鑑定でも定まらぬ瞬間
- (4)検察官に逆質問する精神科医に裁判長「あなたから質問しないで」
- (5)「ばあちゃんと美保を返して」「犯人を死刑に」…読み上げられた母の本音
- (6)「美保やお母さんが刺されたカラー写真をしっかり見て」要望する父親
- (7)「死刑か無期懲役かを選ぶ事案…」冒頭から死刑求刑をにおわせる検察官
- (8)ショックで葬式にも法廷にも出られない母親…「憤りも語れなくしたのは被告」と遺族感情訴える検察官
- (9)「極刑を持って臨むしかない」…その瞬間、顔を硬直させ、わずかにほほを動かした被告
- (10)「全て美保さんの責任と被告に全く反省ない」…“死刑”求刑した遺族代理人
- (11)「唯一の憩いの場を奪われどんな気持ちになるか」…情状を強調する弁護人
- (12)「自分の命で償うしか」「逃げず問い続けていかなければ」…最後まで揺れる思いを吐露する被告
■ 第6回公判 (2010年11月1日)【判決】
- (1)「無期懲役」…その瞬間、被告は微動だにせず 検察官は天を仰いだ
- (2)元気かなぁピヨ吉…「極刑に値するほど悪質と言えず」が結論
- (3)「こんなのやだ」「納得できない」…判決後、遺族は法廷で泣き叫んだ
- 判決要旨(上)「強い愛情が怒りや憎しみに変化」
- 判決要旨(下)相手の立場に立って物事を見ようとしない被告「最後の瞬間まで内省を」
- 被害者の父「悔しくて涙も出ない」「反省示せばいいのか…」
- 弁護側「裁判員の判断に敬意を表します」
- 裁判員会見(上)「一人ひとりが親族の身になろうと努力」「被告の態度に変化」
- 裁判員会見(下)「簡単に死刑にできるのかな…」「『人の命の重さ』について深く考えた」