(25)2人殺害後も「マンガ」は買い続けた
検察官は鈴香被告に、マンガの発売日が記された手帳を見せた。
検察官「4月11日以降にも(マンガを)買っている?」
鈴香被告「買った」
検察官「5月16日以降も?」
鈴香被告「買った」
検察官「5月26日の○○○○(マンガの実名)の注文は?」
鈴香被告「した」
検察官「4月11日以降、他は買っている?」
鈴香被告「2つは記憶にない」
検察官「(彩香ちゃんが)死んでショックでも買った?」
鈴香被告「買ってきたが、ショックで読めないこともあった」
検察官「買う余裕はあったということですね」
鈴香被告「そういう言われ方は…」
検察官「豪憲君の死後も注文しているね」
鈴香被告「…」
検察官「4月10日午後、あなたや警察に連絡が来る前、あなたのお母さんが半狂乱になった。何と叫んでいたか覚えている?」
鈴香被告「覚えている」
検察官「何と?」
鈴香被告「『彩香が川でいた。おなかすかせているからおにぎり作ってやらねば。風呂たかねば』と」
検察官「『何で川で見つかる。そんなことねーべ』と言っていたのは覚えている?」
鈴香被告「そこまで冷静じゃない」
検察官「お母さんを見てどう思った?」
鈴香被告「自分が冷静でいないと、と」
検察官「4月10日の遺体確認後、実家に戻っている」
鈴香被告「はい」
検察官「(親戚数人の名前を挙げ)いたのは覚えている?」
鈴香被告「どうやって帰ったか覚えていないくらいなので、誰がいたかは覚えていない」
検察官「どんな話をしたかも覚えていない?」
鈴香被告「はい」
検察官「そこで(彩香ちゃんの死が)不自然という話には?」
鈴香被告「なったと思う」
検察官「お母さんは興奮していた?」
鈴香被告「はい」
検察官「お母さんも言っていた?」
鈴香被告「はい」
検察官「親戚が不自然と言ったことで、事故に見せかけていたのを(事件と)同調せざるを得なくなった?」
鈴香被告「違う」
検察官「(友人の)○○さん(実名)とメールしているが、正直な気持ちでしている」
鈴香被告「はい」
検察官「まだ豪憲君の殺害前だが、彩香ちゃんの件で、自分が犯人といううわさを聞いたことは?」
鈴香被告「はい」
検察官「誰から?」
鈴香被告「2人から」
検察官「いつごろ?」
鈴香被告「ちょっと覚えてない」
検察官「4月中には?」
鈴香被告「はい」
検察官「2人の名前は言える?」
鈴香被告「言いたくない」
検察官「疑われているので、犯人が別にいるという主張をした?」
鈴香被告「違います」
検察官「警察に、『疑わしい』という通報をしたことがありますね」
鈴香被告「『家と家の横に、子供をじっと見ている不審な車がいる』と」
検察官「あなたが見た?」
鈴香被告「私が見た」
検察官「警察は捜査した?」
鈴香被告「しない」
検察官「したけど…」
鈴香被告「私にこうだった、というのはなかった」
検察官「知り合いの名前を言ったことは?」
鈴香被告「名前は言いたくない」
検察官「でも警察には言ったね」
鈴香被告「はい」
検察官「逮捕後、豪憲君殺害の罪を着せようとした人?」
鈴香被告「はい」
検察官「ストーキングされたことは?」
鈴香被告「はい」
検察官「警察には話した?」
鈴香被告「はい」
検察官「警察は事件、事故の両面から捜査しているとはずっと言っていなかった? 執拗に抗議したのはなぜ?」
鈴香被告「町の人に『あれから聞きに来てない』と聞いたから動いてない、と」
検察官「隠密裡に(捜査する)とは思わなかった?」
鈴香被告「いいえ」
検察官「犯人じゃないとアピールした?」
鈴香被告「違う」
検察官「『彩香ちゃんを調べてくれない』とマスコミや地域に怒りを感じたことは?」
鈴香被告「ありません」
検察官「捜査段階では?」
鈴香被告「○○刑事(実名)に『警察やマスコミを動かすんだったら、地域を動かさないと』と言われた」
検察官「そうでなくて、マスコミや地域の人に怒りの念は?」
鈴香被告「ありません」
検察官「調書は?」
鈴香被告「取られたという記憶がある」
検察官「誰に?」
鈴香被告「○○刑事(実名)」
検察官「○○検事(実名)には?」
鈴香被告「覚えていません」
検察官「(同様の)調書があるが?」
鈴香被告「思い出せない」
検察官「チラシ配りはした?」
鈴香被告「はい」
検察官「頼んでも協力しなかった人は?」
鈴香被告「いない」
検察官「ビラ配りを『自分でやれば』という人は?」
鈴香被告「いない」
検察官「『また起きるかも』と言ったとき、『あなたおかしい』と言った人は?」
鈴香被告「いません」
検察官「(ビラの結果が)うまくいかなかったが?」
鈴香被告「がっかりした。いたずら電話すらなかった」
検察官「学校の署名運動は?」
鈴香被告「はい」
検察官「実現しなかったが?」
鈴香被告「しつこく要望しなかったから」