(15)なぜ観なかった「ちびまる子」被告はイライライラ…
検察官「睡眠導入剤の影響?」
鈴香被告「はい」
検察官「ベッドでうとうとしていた?」
鈴香被告「はい」
検察官「マンガのことで話しかけられて、イライラしなかった?」
鈴香被告「『はいはい』って感じで答えたと思う」
裁判長「イライラしたという気持ちは?」
鈴香被告「はい。持たなかった」
検察側が矢継ぎ早に質問する。
検察官「−−(※聞き取れず)」
鈴香被告「はい」
検察官「テレビやビデオも見ていない?」
鈴香被告「はい」
検察官「テレビはついていた?」
鈴香被告「はい」
検察官「誰がつけた?」
鈴香被告「彩香です」
検察官「マンガを見ていて、『海の神様いるのかな』と言った。出発のどれくらい前?」
鈴香被告「覚えてない」
検察官「全然分かんないの?」
鈴香被告「時間の感覚があまりなかったので」
検察官「だいたいどれくらいのやりとりかも?」
鈴香被告「はい」
検察官「やりとりはどんなだった? 彩香ちゃんが『海の神様いるのかな』と」
鈴香被告「『彩香のそばにもいるといいね』と」
検察官「彩香ちゃんは?」
鈴香被告「前にも話したと思いますけど」
検察側は語気を強めた。
検察官「話がつながっていないから聞くんですよ。彩香ちゃんは何と?」
鈴香被告「…」
検察官「前回答え終わったから忘れましたか?」
鈴香被告「学校で放したお魚も、神様に守ってもらってるのかという趣旨のこと」
検察官「それに対してあなたは?」
鈴香被告「『川にも大きな魚が上ってくるよ』と」
検察官「彩香ちゃんは?」
鈴香被告「『見たい見たい』と」
検察官「あなたは?」
鈴香被告「『薄暗くなってるから見えないと思う』と」
検察官「実際薄暗かった?」
鈴香被告「(そう)思う」
検察官「何度も言った?」
鈴香被告「はい」
検察官「どれくらいやりとりしていていたかは? やりとりした時間は覚えてない?」
鈴香被告「覚えてない」
検察官「(やりとりは)ベッドでうとうとしているとき?」
鈴香被告「そうだったと思う」
検察官「捜査段階では台所となっているが? なぜ違うか分からないけど…」
鈴香被告「はい」
検事は、鈴香被告と彩香ちゃんとのやりとりを再三にわたり追及する。
検察官「『暗いから無理だ』とは?」
鈴香被告「はい」
検察官「『見えない』とは何度も言った?」
鈴香被告「はい」
検察官「何度言っても聞かない?」
鈴香被告「はい」
検察官「どんなやりとりだった? 『暗いから見えない』『いや見たい』『暗いから見えない』『いや見たい』ばっかり? 他にあるんじゃないの?」
鈴香被告「覚えているのはこれだけ」
検察官「彩香は『見たい』とばっかり?」
鈴香被告「記憶ではそう」
検察官「結局出かけることになった。出るときにサザエさんのテーマ? 6時半ごろ。捜査の調書では『サザエさんのテーマソングが聞こえたあとで、6時35分ごろ』となっているが?」
鈴香被告「それは○○刑事(実名)が、『テーマソングが流れてからじゃないの?』と」
検察官「(主張を)変えちゃったの?」
鈴香被告「…」
検察官「テレビはいつつけた?」
鈴香被告「(彩香が)帰ってきてから」
検察官「サザエさんやちびまる子ちゃんはいつもみている。(この日は)なぜみていないの?」
鈴香被告「マンガを読んでいたから」
検察官「みようとは誘わなかった?」
鈴香被告「みたい方をみればいい、と」
検察官「魚との比較ではないんですよ。大きな魚を見たがっているが、ちびまる子ちゃんもやっている。(ちびまる子ちゃんを)みましょうといえばいい」
鈴香被告「…」
裁判長「(鈴香被告に)意味が分かりますか? あきらめさせようとしていたか、ということです。テレビがやっているから、こっちをみようと」
鈴香被告「別にそっちに意識を向けようとは思ってない」
裁判長「思わなかった?」
鈴香被告「はい」