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(14)「日本で一番、曲を売った」と豪語 妻にも見栄張りハデに散財

引き続き、銀行員の供述調書の読み上げが行われる。

検察官「8月1日、次長とともに小室被告と面談しました。そこで『いろいろ迷惑をかけて申し訳ないです。状況は知っています』と言ってもらい、さらに『8月3日に1000万円、11日までに2000万円、月末までに1000万円も通常通り返済します』と具体的な内容の話もありました。私どもとしては小室被告の言い分を信用し、8月3日と11日の返済がなければ法的措置も検討しますと伝えました」

ちょうどこの時期、小室被告は木村被告とともに被害者との間で著作権譲渡の話を進めていたことになる。調書の読み上げは、小室被告の会社で9年間働き、資金繰りが悪化していく状況を間近で見てきたという元社員の供述調書に移った。

検察官「平成8年か9年ごろは、小室被告は2年連続で高額納税者になり、年間10億円以上を納税していました。ただ、著作権収入20億円の半分以上が税金になっていましたので、あまり手元には残っていないのではないかと思っていました。しかし、お金の使い方は派手で、アメリカの不動産や高級外車を購入したり、ハワイにスタジオをつくったり、ヨットの購入、数十億円のプライベートジェットの購入も計画していました。そのころは『買えないものは何もない』という感覚だったのだろうと思います」

一般人には想像もつかない小室被告の金銭感覚。裁判長も時折首をかしげるしぐさをしながら、検察官の朗読に聞き入る。

検察官「資金繰りが悪化するターニングポイントは平成13年ごろだったと思います。プロデュース契約を解除することになったソニー側に、前払いしてもらっていた十数億円を返済しなければならなくなり、支払いました。そのとき、一時的にキャッシュが不足し、銀行から10億円を借り入れました。その後、借り入れの返済が負担になり、前妻への支払いも重くのしかかってくるようになりました」

表情を曇らせたままの小室被告。肥大化した金銭感覚がしだいに暴走していくさまを、検察官は抑揚のない声で読み上げ続けていく。

検察官「しかし、小室被告の派手な金遣いはやみませんでした。奥さんへ高額のプレゼントをしたり、家賃280万円のマンションにも住み続け、ハイヤー代は月に百数十万円かかっていました。私は『出費を半分にしてください』と助言し、ソニーの幹部にも同様のアドバイスをしてもらいましたが、聞いてもらえませんでした。だんだん私のアドバイスも疎ましく思われるようになり、私は平成16年7月に退社しました」

続いて検察官は、小室被告の共犯として逮捕され、その後起訴猶予になったトライバルキックス社長の供述調書の朗読を始めた。

検察官「平成16年5月ごろ、小室被告の友人に誘われてスタジオを訪ね、そこで彼を紹介してもらいました。有名プロデューサーの名をほしいままにしていた小室被告も、香港進出の失敗で70億円ともいわれる損失を抱えるようになったと噂されていました。その半面、負債を返済して環境さえ整えば、また大ヒット曲を飛ばせるのではないかとも思っていました」

小室被告はいすに深く腰掛けてほとんど身動きせず、法廷には検察官の声だけが響く。社長は小室被告から、経理担当者と仲違いして困っているという状況を聞かされ、経理担当者になるよう頼まれたという。

検察官「小室被告は私に『恥ずかしいんだけど、借金がぐちゃぐちゃなんだ。でも、曲は僕の頭の中にある。後は、それを整理するんだよね』と話し、『社長しか頼れる人がいないんだ』と頼まれました」

こうしてトライバルキックスの代表取締役に就任し、小室被告のマネジメントを担当することになった。その後も小室被告は強気な発言を繰り返していたという。

検察官「小室被告は『もっと仕事を増やす。世界に通用する曲を作って、売れたら全部チャラになる。僕は日本で一番、曲を売ったんだ。これ以上説得力のある言葉はないだろ』と言っていました」

しかし、小室被告の経済状況は想像以上に深刻だった。社長は、債務が20億円を超えていたことに加え、アメリカの税務当局に約2億円の税金の未払いがあったと詳述。さらに、これに追い打ちをかけたのは、小室被告の派手な生活だったと明かす。

検察官「小室被告は、奥さんを溺愛(できあい)していました。奥さんはエイベックスから2000万円の収入があったのに、これを自由に使わせていました。また、奥さんのご機嫌取りで、『仕事が入った』と言っては100万円を渡したり、高級料理を食べさせたりして、見栄を張っていました。なので、借金や生活費で毎月1700万円から2300万円が必要でした」

小室被告はかつて、サッカーのプロチーム・大分トリニータのスポンサーになっていたことがある。社長はこれについても小室被告の見栄が理由だったとする。

検察官「大分トリニータのスポンサー契約は毎月1200万円でしたが、これは、奥さんの実家が大分にあるので、実家に見栄を張ろうとしたためです。小室被告は奥さんの母親に『すごいでしょ。ロシアの大富豪でサッカーのプロチームを買収したアブラモビッチみたいでしょ。気分いいでしょ』と言ったりしていました」

悠長な小室被告の発言とは裏腹に、財務状況は危機的状況が続いていた。

検察官「当時、トライバルキックスの収入は小室被告の印税しかなく、自転車操業でした。なので、平成17年8月には養育費や都民税などが支払えなくなっていきました」

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