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(13)「誠意を持って弁済に努め…」小さな声で謝罪の弁

公判は午後1時10分に再開。3人の裁判官に続いて、小室被告も入廷した。

裁判長「それでは、公判を再開します」

弁護人「(午前中の)罪状認否の際に被告人から一言申し上げたいことがありまして、(改めて)この場で申し上げたいと思います」

小室被告が足早に証言台へ進み出る。

小室被告「今日の件につきましては、私、小室哲哉の稚拙な言動による大きな過ち、また被害者の方に多大なるご迷惑をおかけしましたこと、またたくさんの時間と経費を使わせてしまったことを、心からおわびします。誠意を持って弁済に努めていきたいと思います。同様に多くの関係者の方にご迷惑をかけたこと、心よりおわび申し上げます」

小さな声でやや早口に謝罪の弁を述べる小室被告。最後に深々と頭を下げ、席に戻った。

裁判長「では甲9号証から」

検察官「では、甲9号証を読み上げます。エイベックスホールディングスの取締役の供述調書です」

調書ではまず、小室被告とエイベックスとの著作権契約の概要が説明されていた。

検察官「当社は持ち株会社で、アーティストのプロモーションを行ったりしており、原盤を製作することもあります。アーティストというのは、自分だけでは世間に著作物を知ってもらったりすることはできません。そのために著作権契約があります。ジャスラックが音楽利用者から徴収した一部を還元する仕組みで、著作者と音楽出版社が譲渡契約を締結します。小室さんとの場合は200曲について契約しています」

検察官「小室被告については契約書に書かれている通り、すべて著作権は譲渡されています。著作権を小室被告に戻してほしいといわれたことはなく、今も(著作権を)保有していると考えています」

続いて調書は、エイベックスと小室被告との関係について説明していく。

検察官「平成5年ごろ、小室被告から『実験的なグループをつくりたい』と言われました。これがTRFで、大ヒットしました。その後、安室奈美恵さんやglobeなど数多くのヒットを出し、一時は小室プロデュース作品が(エイベックスの)売り上げの半分以上を占めていたこともありました」

「平成8年になると、より幅広くプロデュース業をしてもらおうと、プロデュース業務委託の基本契約を結んで、契約金9億6000万円を先払いしました。契約は平成11年3月31日まで。その後、小室さんの楽曲製作のペースが鈍り、原盤譲渡契約を平成12年12月に結んで10億円を前払いしました」

小室被告は青白い顔をやや下に傾け、視線を宙に浮かせている。調書の読み上げを聞いているのかは表情からは読み取れない。

検察官「平成17年になって当社はトライバルキックス社の代表と交渉し、債権を返済してもらう形を取ることにしましたが、小室さんからは楽曲が提供されず、トライバル社が返済することもありませんでした」

6億数千万円の債権が宙に浮いていることなど、遅々として進まない返済状況が明らかにされる。ただ取締役は、最後に今後の小室被告への期待も述べていた。

検察官「当社としては小室被告とあえて解約することを考えていません。極めて豊かな才能をお持ちで、また楽曲を提供していただけると考えています」

続いて読み上げられたのは、小室被告との間で融資と返済の交渉にあたった銀行員の供述調書。小室被告は平成13年からこの銀行と取引していた。

検察官「平成17年6月には貸付残高が3億円余りになり、7月に審査チームで回収方針を協議しました。その結果、著作権の担保差し入れを求めることになりました。できるだけ避けたかったのですが、延滞が続き、やむを得ないと判断しました。小室被告は『返済を最優先にするから、著作権の担保差し入れだけは待ってほしい。何とか回避してほしい』と頼んできました。ここでごり押しをし、法的手段を取っても十分に回収できないと思い、このときは求めませんでした」

その後、小室被告は返済を続けるが、18年1月ごろには再び返済を滞らせる。検察官の口から、多額の債権に苦しむ小室被告の事情が赤裸々に語られる。

検察官「小室被告は『3月までに何とかします。延滞は起こりません』と約束してくれました。3月は実際にその通りになりましたが、4月には再び延滞が発生してしまいました。同年6月には、金融機関2社について多額の債務の連帯保証人になっていることも分かりました。これまでに聞いたことはなく、寝耳に水のできごとでした」

銀行の調査で当時、小室被告が抱えていた負債は10億円以上に上っていることも判明した。銀行は7月、回収が困難と判断する。

検察官「小室被告の見るべき資産は著作権のみで、2億5000万円と推定されましたが、前妻からの差し押さえを判断すると、評価額はさらに低いとみられました」

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