×

[PR]この広告は3ヶ月以上更新がないため表示されています。
ホームページを更新後24時間以内に表示されなくなります。

Free Space

(6)「子供がいなければもっと自由になる」

検察側は再び、「ボールペンを刺した」という鈴香被告の行動について問いつめた。

検察官「思い切り刺したの?」

鈴香被告「はい」

検察官「そのわりにケガの程度はたいしたことないよね。(タオルを首に巻いたり、鏡を割ったりする)いつものパフォーマンスでは?」

鈴香被告「パフォーマンスをしたことはない」

検察官「留置記録によると、(ボールペンを刺したのは)不安がつのって、イライラに変わったかららしいが、そう言った覚えある?」

鈴香被告「ない」

検察官「7月21日の記録に、『自分のしたことを考えると、自分を傷つけたくなるが、逃げになる』とあるが、そう言った覚えは?」

鈴香被告「覚えはないが、なるべくそう(思おうと)している」

検察官「さっきの『不安がつのってイライラに変わった』とは言った覚えがないのか?」

鈴香被告「言った覚えがないというか…覚えてない」

検察官「留置係にウソを言ったのか?」

鈴香被告「覚えていない」

検察官「刺した日の夕方、弁護士と接見しているが」

鈴香被告「はい」

検察官「ボールペンを刺した話はした?」

鈴香被告「はい」

検察官「そのわりに弁護士から抗議文書が来ていないが、本当に言ったの?」

鈴香被告「はい。その日のうちに(弁護士が)警察署内で抗議していると思う」

検察官「調書を取られたことも言った?」

鈴香被告「はい」

検察官「この辺、あなたは混乱していて覚えがないというが、7月12日に『だいたいのことを話したが、細かいことは思い出せない』と言った覚えはあるか?」

鈴香被告「ない」

検察官「それから、弁護士に『彩香のことに自分が関わっていて、殺すつもりはなかった』と言っているが」

鈴香被告「はい」

検察官「いつごろ弁護士に言い始めたの?」

鈴香被告「…」

検察官「7月6日に最初に(彩香ちゃん事件のことを)話してから、いつごろ『殺すつもりはなかった』と言ったの?」

鈴香被告「覚えていない」

検察官「実際に捜査機関に言い始めたのは、彩香ちゃん事件で逮捕された7月18日、逮捕状が執行されてから言っているよね?」

鈴香被告「何をですか?」

検察官「殺すつもりでなかったと言い始めたのはそのころでは? それまでは怖くて署名していたかもしれないが、『殺すつもりだった』と言っていたでしょ? 『殺すつもりはなかった』というか、『記憶があいまい』と言い始めたのは、彩香ちゃん事件で逮捕されたころでは?」

鈴香被告「その前からだと思う」

検察官「なぜそれまでは殺したという調書に署名していて、この事件で逮捕されてからは思い出せないという調書に署名できたのですか? 刑事は、前と違うではないかと責めなかったのですか?」

鈴香被告「すみません。もう1回説明してください」

検察官「あなた、彩香ちゃんを殺したとして逮捕されて、それまで『彩香ちゃんを殺した』ということはイヤだったけれど署名していた。ところが、その後『よく覚えていない』と否認している。どうして否認できたのですか? 今まで怖かったのに」

鈴香被告「『とっさに』という言葉を強調してあげるから、と言われたので…」

検察官「逮捕されたら、『とっさに』ではなく、これを否定する調書にサインしている。なぜ?」

鈴香被告「よくわからない」

検察官「刑事は前と違うと責めなかったのか?」

鈴香被告「よく覚えていない」

検察官「責められたかどうかも覚えていない?」

鈴香被告「…」

検察官「あなたは自分の認識を書面にまとめている。覚えていますよね?」

鈴香被告「はい」

検察官「自分の頭にあったことを書いたのか?」

鈴香被告「頭を整理しようと思って書いた」

検察官「そこに、『子供がいなければもっと自由になる』と書いているよね? この前(の公判で)は否定してたけど」

鈴香被告「…」

検察官「覚えてない?」

鈴香被告「はい」

検察官「『子供がいなければもっと自由になる』と思ったのは間違いない?」

鈴香被告「『そうなんじゃないの?』と横から口を出されたので、『そういう人生もあったのかな』と」

検察官「前回、弁護士に答えたことと違うが?」

鈴香被告「横から口を出されたのも(事実)」

検察側の追及はどんどん厳しくなり、押し黙ることが多くなった鈴香被告の答えを待たずに、次の質問をぶつけていく。

検察官「今ではどう思っているの?」

鈴香被告「いろんな人生があった、と」

検察官「『このワラシ、橋の上さ乗っけて押してやればどうなるべ』とも思ったわけですね?」

鈴香被告「そことつながるとは思っていない」

沈黙の抗議をはさみながらも、時折反論する鈴香被告に、検察側はいらだったように質問を続けた。

検察官「つながるかどうかは別として、そう思ったのね?」

鈴香被告「はい」

検察官「だけど、落としたのはわざとじゃない?」

鈴香被告「はい」

⇒(7)鈴香被告は検察官を怖がっていた?信頼していた?矛盾する言動