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(17)遺体写真を執拗に見たがった鈴香被告

約20分間の休廷をはさみ、午後3時40分、女性警察官に対する証人尋問が再開された。執拗(しつよう)に遺体の写真を見たがる鈴香被告の言動が詳しく語られる。

検察官「取り調べ中、米山豪憲君の遺体の写真を見せてほしいといわれたことは?」

証人「あった」

検察官「何度も?」

証人「たびたび」

検察官「それは取り調べのはじめのころか?」

証人「取り調べを通じてたびたび」

検察官「なぜ?」

証人「被告人が逮捕前、母親かだれかから、『遺体はアリが群がっているような状態だった』と聞き、自分がしたことを認識するためにも見たいと…」

遺体の写真を見たがったのは、娘の彩香ちゃんについても同様だったという。

検察官「取り調べを通じてみたがっていた?」

証人「はい」

検察官「何と?」

証人「逮捕前にも警察に彩香の写真がほしいと何度も頼んだが見せてもらえなかった。見せてほしいと…」

刑事たちは取り合わなかったが、鈴香被告はそれでも粘った。

検察官「何度断られても繰り返した?」

証人「はい」

検察官「最終的に見せていない?」

証人「はい」

証人尋問は、鈴香被告が調べに対し、娘の死亡に関与していたことを自供した場面へ。「オチる」直前の鈴香被告の姿からは、強い動揺が感じられる。

検察官「7月6日の取り調べについて聞く。豪憲君殺害を認めた6月8日以降、この日まで証人は取り調べをしていなかった。なぜこの日は入ったのか?」

証人「被告人が希望したと聞いている」

検察官「それを聞いてどう思った?」

証人「これまでも重要な話をするときは、そばにいてもらいたがったり、手をつなぎたがったりしていた」

鈴香被告は証人の女性警察官に手を伸ばし、そばに来てほしそうな素振りをした。証人が横に行くと、鈴香被告が左手で右手を握ってきたので、左手を添えるようにして握ったという。

検察官「取り調べの最初は?」

証人「自分が彩香に、もしかしたら何かをしたのかも。そうだとしたら怖い。豪憲君のときより怖い」

検察官「そうだったらどうなると?」

証人「『おかしくなってしまう』と」

検察官「どうしてあげた?」

証人「手を握ったり、背中をさすった」

そして、鈴香被告が大沢橋でのことを話すきっかけになったやり取りが明かされる。

証人「最後に彩香ちゃんと別れた場所を地図で説明させようとしたとき、大沢橋を指差した。黙っていたので、『2人で行ったの』と聞くとうなずいた。『帰りは2人?』と聞くと、首を横に振った。『1人で』と聞くとうなずいた」

検察官「それで?」

証人「(彩香ちゃんが当日)ピカチュウのおもちゃを見せに行ってすぐ帰ってきた。その後マンガを読んでいて、サクラマスの話になり、一緒に車で見に行った。そして、欄干に乗せていたときに足がすべり、体のどこかがぶつかり落としてしまった。怖くなって家に帰ったと」

尋問の手続きの正当性を強調しながら、検察側の質問は、7月11、12日の取り調べでのやり取りに移った。

検察官「彩香ちゃんが落ちた後は、すぐに忘れたと説明していた?」

証人「すぐではなく、最初は覚えていたが、怖くなり、お母さんたちと話しているうちに信じたくなくて思い込むようになったと」

検察官「それがどう豪憲君の殺人につながった?」

証人「彩香が亡くなったのに、捜査しないとか、地域住民が忘れることで憎らしいという気持ちになり事件を起こしたと」

検察官「豪憲君を選んだのは?」

証人「だれでも良かった、たまたま1人で歩いていたからと」

その後、鈴香被告の供述は変化する。

検察官「(一度は認めたとされる)彩香ちゃんへの殺害については、再逮捕されてから変化した?」

証人「『よく覚えていない』とあいまいになった」

死刑を避けるため、という見方を暗に示すことが検察の尋問の目的のようだ。

検察官「処罰の不安について話していた?」

証人「自分がどのような処罰になるかとても気にしていた。『だれも教えてくれない』と言っていた」

検察官「具体的な恐れがあった?」

証人「死刑を恐れていた」

⇒(18)弁護士と接触直後に変化 翌日に