(4)「掃除は苦手」「パチンコでは借金」
弁護人「(前夫との新生活で)家事はしていたのか?」
鈴香被告「朝は遅かったんでできなかったが、昼はチャーハンを作ったりして、戻ってくるのを待っていた。夜はシチューや肉じゃがなどを作り置いて、仕事に行くという形になっていた」
弁護人「毎日作っていた?」
鈴香被告「はい」
弁護人「コンパニオンの仕事終わると、前夫が迎えに来ていた?」
鈴香被告「はい」
弁護人「前夫は証人尋問で、塩原のコンビニエンスストアに食事を買いに行っていたと言った」
鈴香被告「塩原へはほとんど行ったことはない」
弁護人「コンビニに食事を買いにいくことは?」
鈴香被告「なかった」
弁護人「洗濯は?」
鈴香被告「お世話になっていた人のを借りて、私がしていた」
弁護人「前夫は何かやったか?」
鈴香被告「朝のごみ出しや、風呂掃除」
弁護人「同棲(どうせい)中、結婚しようという話は?」
鈴香被告「出なかった」
弁護人「子供は?」
鈴香被告「前夫がとても欲しがっていて、私が生理不順だったので、少しでも遅れると、子供ができたんじゃないかと喜んでいた」
弁護人「同棲は親に伝えたか?」
鈴香被告「あとで母に電話した」
弁護人「何と言った?」
鈴香被告「だれも怒ってないから早く帰ってきなさい、と。その方が援助しやすいから、というようなこと」
弁護人「平成6年6月ごろ、実家に前夫と一緒に帰ったのはなぜ?」
鈴香被告「母の言葉と、前夫の仕事を手配してくれたので」
弁護人「川治の暮らしに不満は?」
鈴香被告「なかった」
弁護人「なぜ帰った?」
鈴香被告「すれ違いの生活だったので、短い時間ならいいが、長い時間そうして暮らすのは大変と思った」
弁護人「平成6年に結婚したが?」
鈴香被告「前夫のほうから、『こういう形になったからきちんと籍を入れよう』と言われた」
弁護人「前夫は証人尋問であなたと、あなたの父にせがまれた、と話していたが…?」
鈴香被告「父のほうは分かりませんが、私はせがんだことはないし、実際、まだ遊びたいということもあったので、結婚には積極的ではなかった」
弁護人「父の反応は?」
鈴香被告「冗談ぽく、前夫に『返品はきかないぞ』というようなことを言っていた」
弁護人「前夫の人となりに問題は?」
鈴香被告「家事も手伝ってくれたし、まあいいかと思ったが、そのうちあいさつもできない人だと知って、がっかりした」
弁護人「仕事は?」
鈴香被告「スーパーのレジ係をしていたが、家事と両立できず、仕事をやめた」
弁護人「そのころの一軒家の暮らしについて、前夫は証人尋問で『(鈴香被告が)ほとんど家事をやらず、ごみで足の踏み場もなかった。食事は2、3回しか作ってもらっていない』と話していた。掃除はやっていなかったのか?」
鈴香被告「その通りです」
弁護人「どうしてできないの?」
鈴香被告「小さいときからとても苦手で、どこに何を片付けたらいいのかできなかった」
弁護人「洗濯は?」
鈴香被告「前夫が親と一緒の仕事なので、親に何をやっているんだと言われるので、きちんとやっていた」
弁護人「食事は?」
鈴香被告「夜ごはんは食べて帰ってくるのが多かったが、朝は5時と早かったので、おにぎりを作り、昼は弁当を作って持たせていた」
弁護人「毎日か?」
鈴香被告「はい。前夫は父と仕事場が同じであることが多かったので、やらないと父や母から『何をやっているんだ』と言われるのが目に見えていたので、きちんとやっていた」
弁護人「家事でのトラブルは?」
鈴香被告「家事かどうか分からないが、1度けった覚えがある。けったのは1回だけだし、前夫は怒るとだまりこんだり、家を出て遊びに行って帰ってこなくなるので、けんかにはならなかった」
弁護人「理不尽なことをされたことは? 例えば車の中で険悪になったとき」
鈴香被告「車の運転が下手だと言ったら、雪道を降ろされ、駅まで歩いていったことがある」
弁護人「なぜ降ろす?」
鈴香被告「自分の気にさわることがあると降ろす。車を止めていきなり『降りろ』と」
弁護人「パチンコは前夫だけがやっていた?」
鈴香被告「2人で」
弁護人「借金の原因になった?」
鈴香被告「はい」
弁護人「最初はどれぐらい借りた?」
鈴香被告「30万円だったと思う」
弁護人「離婚のときは110万円ぐらいあった?」
鈴香被告「はい」
弁護人「ほかの原因は?」
鈴香被告「車のローンとか」