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(16)「人格障害に該当しない!」対峙する検察側

西脇巽鑑定人が鈴香被告の人格障害について挙げた根拠について、 検察側は細かい部分にまで反論を展開した。

検察官「人格障害について、こちらが見ていて疑問点がある。(鈴香被告は)分裂病(統合失調症)質人格障害が中心となっていることだが、(分裂病人格障害と診断する7つの条件の中で、鈴香被告は)『(2)ほとんどいつも孤立した行動を選択する』という項目に当てはまるとある。そうですか? バドミントン部に所属したりもしていた」

鑑定人「ごく身内の親しい人とだけだし、バドミントンは続かなかった」

検察官「『喜びを感じられる活動が、あったとしても少ししかない』というのは?」

鑑定人「被告人は交友が少ないし、メル友も多いんですかね…。限られた人との間で、社交的という感じではない」

検察官「この条件は社交的かどうかというものではない。喜びを感じられる活動が、あったとしても少ししかない、というものなのだから。よく本を読んだりもしていた」

鑑定人「それはひとりで楽しむものですから」

検察官「ひとりかどうかは関係ない」

鑑定人「あ、いや…(と小声で早口になにかを口走る)」

裁判長がいらだちを抑えた声で割って入る。

裁判長「それくらいにしましょう、あんまり細かいところを…」

検察官「(しばらく間を開けて)これは大事なところなので。5番目の条件に、『親兄弟以外に、親しい友人がいない』とあるが」

鑑定人「ごく少ないですね」

検察官「この基準は『いない』ですよ」

検察側の抑えていたいらだちが出た。我慢しきれなかったのか、語気が荒くなった。鑑定人はしばらく沈黙した後、ぼそぼそと答えた。

鑑定人「厳密に言えば、違っているかもしれないですが」

検察官「7つの条件のうち、1から6のどれも当たらないのでは?」

鑑定人「どこに基準を置くかによるが、私はそう感じた」

検察官「喜びを感じられる活動が、あったとしても少ししかないというところについては?」

鑑定人「難しいですよねぇ。喜びを感じているかどうか。喜びという表現がどうなんですか。趣味としてはそういうのがあるが、それが喜びかどうかは…」

あくまでも検察側の主張と対峙(たいじ)する鑑定人。検察側の細かい質問に、弁護側が反応した。

弁護人「(それは質問ではなく)議論に当たる」

裁判長は「判断について確認しているのですから(議論には当たらない)」と、検察の質問を続けさせた。

検察官「人格障害のほとんどに該当しているというのは違うのではないか」

鑑定人「そういう視点で見られると違うのかもしれないが、普通の一般的な視点からみてそう考えた」

検察官「心理検査所見にみられる人格像という書類もあり、その所見も添付されていますが、その内容は先生もほぼ納得しているとされていましたね?」

鑑定人「はい」

検察官「その(所見の)中に、先生の主張といくつか違うところがある。本音と建前を使い分けている可能性があるとか、攻撃性について触れられたりしている」

鑑定人「攻撃性がない人はいない。突出していれば書くけれども」

検察官「所見には突出しているから書くわけでしょう」

鑑定人「そんなことはない」

どちらも声を荒らげたりすることなくやりとりを続けているが、主張は真っ向対立。しかし、鑑定人の根拠がやや不十分と感じられる局面が目立った。

⇒(17)「そんなにすぐに忘れるの?」最後まで厳しい女性裁判官