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(15)検事をあ然とさせた鑑定人の言葉は…

検察側の疑問は、西脇巽鑑定人が鈴香被告に抱く印象に移る。鑑定人は、鈴香被告の真の姿は起訴前鑑定やマスコミが描いたイメージと違うというが…。

検察官「(起訴前鑑定の鈴香被告の描き方について)『マスコミで言ってるような、罪のない子供2人を無残に惨殺した女として描かれている』となっていると。被告が、罪のない2人の子供を無残な殺し方で殺害したのは知ってるか?」

鑑定人「はい」

検察官「起訴前鑑定が(描いた鈴香の被告が)マスコミと同じなのは、その通りだからなのでは?」

鑑定人「その通りですね」

続いて検察側は、鑑定人が鑑定に引用する資料が鈴香被告の都合のよいものばかりではないかと疑問を呈する。鑑定人は、公判で行われた証人尋問での証言は考慮していないことを認める。

検察官「(鑑定書には)被告の育児姿勢についてよい面と悪い面、両方書かれている。悪い面は捜査段階の資料のみで、公判での(証人の)証言は取り上げていないが?」

鑑定人「(資料と証言の)内容がだぶっていると思ったので」

検察官「いえ。(証言は証拠採用で)不同意された所だから、だぶってない」

検察官がうんざりした声で反論、鈴香被告の元恋人による被告に不利な証言を例に挙げると、鑑定人は、次のように“言い訳”する。

鑑定人「こういう事態の中で被告を養護するのは大変なこと。私も勇気のいることだった。どうしてもマスコミに迎合する方へなびいてしまう」

検察官「あっ。それを前提とした(鑑定だった)と?」

鑑定人「そうです」

検察官「被告の育児姿勢で争点となったところは証言だけで出てくる。(鑑定書では)被告の言い分だけが出ていると感じた」

鑑定人「中立公正を考えたら、果たして被告に悪い情報ばかりなのか。『(そうではなく)よいものもある』という面はあった」

続いて検察官は、「鈴香被告が彩香ちゃんの死を願っていた」とする起訴前鑑定に対し、鑑定書が批判的であることに疑問を呈した。

検察官「(鑑定書には)『9歳の子供が自分の死を願う親にベタベタ甘えるのか。被告は彩香ちゃんが甘えることを無意識に許容していたのだ』とある。被告は公判で『(ベタベタ甘えることは)それまでなかった』と言っていたことは知っているのか?」

鑑定人「知りません…。私の感覚では、被告は自分に不利になることを言ってしまう傾向がある。本当はどうなのかと」

検察官「鑑定の時は知らなかった?」

鑑定人「はい」

検察側はその後も、鈴香被告が親友に送ったとされる、彩香ちゃんが交通事故に巻き込まれることを願ったメールについて、「不思議ではない」とする鑑定人に詰問を重ねる。

一方、鑑定人は、鈴香被告が「何の問題もない人間」と判断するに至った“書類”について語りだす。

検察官「(鑑定にあたり)能代署の留置生活の記録が参考になったとある。看守を困らせること、わがままを言うことがなかったとあるが?」

鑑定人「能代署の看守の記録が被告を見る一番の要になった。引き受けるとき、マスコミの報道などで(鈴香被告は)とんでもない人なのでは、と(思っていた)。しかし、能代署の書類を見ていると『そんな人間ではない』と。看守の記録で『何の問題もない人、キャラクターじゃないか』と(感じた)。マスコミのイメージと全然違ったと思わせたのがその記録」

検察官「一方、警察官に対してはわがままを言っているが? 腰の痛みなど取調官を困らせている」

鑑定人「それはそう。だが、看守記録をみると…。ある意味で取調官を困らせるのは当たり前」

検察官、この言葉にあっけにとられる。

検察官「当たり前ですか? 『ケーキを食わせろ』とかですよ?」

鑑定人「私はそういうとらえ方をした」

⇒(16)「人格障害に該当しない!」対峙する検察側