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(8)母親が証言台へ 被告とは「肌が合わない」

午後1時半、公判が再開した。鈴香被告に殺害された米山豪憲君の母、真智子さんへの証人尋問が始まった。

鈴香被告は入廷時に軽く一礼。証人の前でもう一度、深く礼をしたが、証人が目を合わせることはなかった。宣誓する証人を、鈴香被告は少し口を開いて見つめた。

検察官「確認しますが、豪憲君が亡くなったとき、3人の男の子がいて、5人家族で団地で暮らしていた?」

証人「はい」

検察官「これまで取った調書に間違いない?」

証人「間違いないが、1点だけ記載ミスがあり、検事さんに伝えた」

検察官「平成18年6月23日の調書で、『挙式が団地に引っ越してきて2カ月後』とあるのは8カ月後だった部分?」

証人「はい」

検察官の質問が豪憲君の思い出についてに及ぶと、証人は声を震わせながらゆっくりと、かみしめるようにして答える。鈴香被告は目を閉じたり、開いたり、少し落ち着きがない様子を見せた。

検察官「豪憲君はどんな子供だった?」

証人「正義感が強く、負けず嫌い。頑張り屋だった一方で甘えっ子、優しい子供だった」

検察官「お母さんのことが好きだった?」

証人「はい」

検察官「甘えっ子だった?」

証人「甘えん坊で、三男が生まれても(三男と)張り合うように私から離れなかった。『お母さんは(家族のなかで)1人女の子だから、○○(3男)も女の子だったらよかったのに』と」

検察官「夫の勝弘さんにも聞いたが、無邪気でプロポーズすることも?」

証人「『お母さん、結婚しよう』と何度も」

検察官「被告人のことに移るが、近所づきあいは?」

証人「ほとんどなかったように思う。長男と彩香ちゃんが同じ年の同じ月に生まれたので、(私が)育児休暇を取ったときに、被告人が彩香ちゃんを抱いて遊びに来て、子育ての話をしたことがある。そのときの立ち居振る舞いから、肌が合わないと感じた。同じヘルパー講習を受けていたが、鈴香被告が遅刻したとき、『前日の夜に眠れず、薬を飲んだら起きれなかった』と親しくない私に話しかけてきた。家が近いので会釈する間柄だった」

検察官「直接は2回話しただけ?」

証人「はい」

検察官「あまり話はしなかった?」

証人「はい」

検察官「長男は彩香ちゃんと同級生だった。豪憲君も彩香ちゃんと仲良しだった?」

証人「機会があれば遊んでいた」

検察官「彩香ちゃんはどんな子だった?」

証人「人なつっこい、明るい子供だった」

検察官「いい子だった?」

証人「はい」

検察官「被告人と彩香ちゃんが遊んでいる姿は?」

証人「夕方、車で出かけることを見たが、遊んでいるのは一度もない」

検察官「多くの人が法廷で世話をしていないと…」

「異議あり」と弁護側が声を張り上げた。「尋問はネグレクト(育児放棄)についてではなく、処罰感情についてのはず」と続けるが、検察側は「んー」ととぼけた様子。「情状立証では当然だ」と話し、裁判長も質問を続けるよう促した。

検察官「あなたが思い当たることは?」

証人「休みの日、午前中にアイスを食べて自転車に乗っていた。『おいしそう』と声をかけると、『これが朝ご飯なの』と答えたこと。『朝ご飯を食べさせてもらってない。そうであればかわいそう』と思った」

⇒(9)フラッシュバック「遺体、司法解剖、小さな棺」