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(10)母悲痛の怒り「息子を返せ!」

米山豪憲君の母親、真智子さんは終始、涙で声を震わせながら証言を続ける。捜査段階の調書作成時では、鈴香被告への処罰感情を答えることができなかったというが、この法廷で初めて鈴香被告への思いを口にした。

検察官「あなたの調書作成には時間がかかったというが、なぜか?」

証人「(事件の)ショックで、豪憲のことを話すと涙が止まらずに、時間がかかってしまった」

検察官「警察官は『調べ中、号泣され、話が聞けなかった』と。それでどのような処罰を望むかの調書は作成できなかった」

証人「豪憲を失った悲しみが大きくて、(鈴香被告への)処罰まで考える余裕がなかった」

検察官「それで今日、この場で処罰感情を話すことになった?」

証人「はい」

検察官「豪憲君には今どのような思いか?」

証人は嗚咽(おえつ)を漏らしながらもまっすぐに裁判長を見すえ、最愛の息子への思いを吐露(とろ)した。

証人「小学校に入ったばかりの豪憲には勉強、スポーツ、恋愛…。可能性はいっぱいあったはず。7歳で人生を終えることになった豪憲の無念を思うと、私が代わってあげたい!」

検察官「鈴香被告には?」

証人「かなわないと思うが、もう一度、豪憲に会いたい。温もりを感じたい…。できるなら豪憲を私たち家族のもとに返してください!」

検察官「残念ながら、それはかなわぬ願い。法廷ではどのようなことを望むか?」

証人「(鈴香被告には)せめてあの日、何があったのか。なぜ豪憲を殺さねばならなかったのか。今まで何を思っていたのか話して欲しかった。友達(彩香ちゃん)の母親がなぜ自分を殺そうとしているのか、豪憲の悲痛な苦しい思いを感じて欲しかった」

検察官「その願いは(法廷での鈴香被告の証言で)かなえられたか?」

証人、しぼり出すような声だが、きっぱりと答えた。

証人「…いいえ!」

続いて、鈴香被告から届いた謝罪の手紙について、証人は「裁判を有利に運びたいという意図感じ、怒りで一杯になった」と怒気を込めた。

検察官「手紙を読んだ感想は?」

証人「一番知りたかった『なぜ豪憲を殺したのか』ということは書かれておらず、(手紙の後半は)謝罪もなかった」

検察官「手紙を受け取ってどう感じたか?」

証人「まったく心が動かされなかった。自分が手にかけた豪憲を、裁判でも利用しようとしているのかと思った」

検察官「反省しているようには見えなかった?」

証人「はい」

証人は、左手に持ったチェック柄のハンカチを強く握りしめていた。

⇒(11)無神経「まだ2人子供いるのになぜ怒る」鈴香日記