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(3)アリバイ工作「馬鹿にして、せせら笑って…許せない」

米山豪憲君の父、勝弘さんに対する検察側の質問は続く。豪憲君の両親に対し、鈴香被告がさまざまな方法で接触してきたことが明かされる。証人は「アリバイ工作だ」と切り捨てた。

検察官「事件後、鈴香被告の言動で印象に残っていることは?」

証人「行方不明になった当日、夕方から懸命に捜索してくれた地域の皆さんと小学校の皆さんにお礼を言おうと玄関先に出たら、暗闇から私に一方的に話しかけてきて、『豪憲君は見なかった。おばが新聞配達をしているから聞いてあげる』と、アリバイを印象づけるようなことを言ってきた。ものすごく違和感を覚えた」

検察官「おばさんに電話するなんて言わなくても、何か情報があったら伝えればいい話ですよね?」

証人「はい」

検察官「鈴香被告は実は犯人だったわけだが、なぜそんなことを言ったと思うか?」

証人「自分のアリバイというか、犯人と疑われないための偽装工作だと感じている」

鈴香被告はやや落ち着いた様子に戻ったが、時折、水色のハンカチで目のあたりをぬぐっている。ここで検察官は、豪憲君の遺体発見後に当時鈴香被告が送った「おくやみの手紙」を朗読する。手紙は「お互い子供たちのことでどうしたらいいか分かりませんが、頑張りましょう。もう少し落ち着いたらお水をあげにいきたいです」といった内容だ。しらじらしい文面に、証人は憤りを隠さない。

検察官「どのような感じを受けたか?」

証人「捜索のお礼に玄関先を出たときから疑っていたので、お互いに被害者であるということを言いたかったんだと思う。1つの偽装工作に入ると思う」

検察官「自分も子供の命が消えたことで苦しいとか、マスコミが怖いとか書いてあったが?」

証人「読んで非常に違和感を覚えた。嫌な気持ちになった。なぜこの時期にわざわざ手紙を寄越す必要があるのか、と」

鈴香被告からのアプローチは、手紙にとどまらなかった。

検察官「2回にわたって鈴香被告は電話もしている。1回目は証人が受けたんですね?」

証人「彩香のときは葬儀に出てくれてありがとう。豪憲君の葬儀に行きたかったが、行けなくてごめんなさい、と」

検察官「2回目は奥さんが受けている」

証人「このときも、お互い小さな子供を亡くして大変だけど頑張りましょう、と」

検察官「どう思った?」

証人「正直、かなり出たくない、話したくなかった。疑いを持っているし、できるだけ差し支えない内容で女房が切った」

検察官「かなり不愉快で、怒りもあった?」

証人「はい」

検察官「自分が殺した子供の両親に、『同じ遺族』と語りかけている。このような仕打ちをどう思う?」

証人「私たちをばかにして、せせら笑っていたとしか思えない。とても許すことはできない」

鈴香被告は、目をつぶって聞いていたが、たまに目を開き、チラチラと証人を見ていた。

⇒(4)鈴香被告の手紙「サル芝居の台本」