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(7)「精神鑑定いらぬ」責任能力にあっさり結論 減刑嘆願書7000人超

午後2時44分、水色のハンカチを両手に握りしめた咲被告が、うつむきがちに入廷してきた。荒川英明裁判長が再開を告げた。

弁護側は咲被告の精神鑑定を請求していたが、裁判長は「合議の結果、必要ないと判断した」と却下。弁護人は「真相解明のため必要だ」と異議を申し立てたが、再び裁判長が却下した。公判最大の争点だった責任能力について、裁判所が『問題なし』と判断したとみられる。

続いて、咲被告の夫が再び証言台に座り、今度は情状関係について弁護人の質問に答えた。

弁護人「咲被告の接見に行っているか?」

証人「はい」

弁護人「どんな話をしている?」

証人「ほとんどは世間話のような会話。あとは(自分の)仕事の様子を伝えている」

弁護人「事件について話したことは?」

証人「2回、手紙をもらった」

弁護人「いつ?」

証人「最近のは先月の終わりごろ。その前は…12月か1月か。初公判の前だった」

弁護人「何と書いてあった?」

証人「申し訳ない気持ちでいっぱいだと」

弁護人「誰に対して?」

証人「被害者と私の母、私と娘だ」

弁護人「初めて面会に行ったのはいつか?」

証人「接見禁止が解けたことを知らず、警察に電話をしたら『会える』と言われ、次の日に行った」

弁護人「どんな感じだった?」

証人「泣き崩れて会話はほとんどできなかった。『ごめんなさい』と繰り返していた」

弁護人「2回目からは?」

証人「『申し訳ない気持ちでいっぱい』と何回も言っていた」

夫が自分の様子を話すたび、咲被告は目をつむり、うつむいて聞いている。

弁護人「今、あなたは誰と住んでいるのか?」

証人「私の母と、娘の3人」

弁護人「今後はどうやって生活していく?」

証人「まずは子供をちゃんと育てないといけないのが一番。しばらくは3人で暮らしていくしかない」

弁護人「咲被告との関係については? 離婚するつもりは?」

証人「形式上の離婚は子供のためにあるかもしれないが、ぼくの気持ちはずっと支えていくつもりだ」

それまで、自分のことを「私」と言っていた証人だが、咲被告に対する感情がわき出たのか、「ぼく」という言葉が口をついて出た。

弁護人「形式上の離婚というのは、娘の名字を変えるために離婚するかもしれないということか?」

証人「はい。その通りだ」

弁護人「社会復帰をするまで支えていくつもりはあるか?」

証人「ある」

弁護人「事件後、専門学校の友人と話した?」

証人「何か力になりたいと言われ、友人が嘆願書を作りたいと」

弁護人「あなたは嘆願書を集めた?」

証人「いいえ」

弁護人は集まった嘆願書を示そうとしたが、裁判長が「証拠採用しないので、あるという前提で話をしてほしい」と制した。

弁護人「何人くらい集まったか?」

証人「7000人は超えていると思う」

弁護人「7691人でいいか?」

証人「まだ回収していないものもあると聞いた」

弁護人「嘆願書の趣旨は?」

証人「専門学校の友人は(咲被告に)少しでも回復してほしいと」

弁護人は「今後、咲さんが罪を償ったら私たちも協力するので、寛大な処分をお願いする」という嘆願書の本文を読み上げた。

弁護人「あなたのお母さんは咲被告のことをどう言っているか?」

証人「事件のことはあまり話さないが、『ちゃんと自分の思っていることを言えるようにならないといけない』と言っている」

弁護人「どういう意味?」

証人「(咲被告は)何でも我慢する性格なので、直さないといけないという意味だと思う」

弁護人「絵里子さんについて、お母さんは何か言っているか?」

証人「『かわいそうだ』と」

弁護人「あなたは今後、咲被告を待っているというが、どのように支えていくか考えているのか?」

証人「具体的には考えていないが、ぼくが支えていこうと思っている」

弁護人「事件の原因はどこにあったと思う?」

証人「当事者同士のことなので何とも言えないが、ぼくが直接かかわることができなかったので責任を感じている。話し合いのとき、顔を出してあげればよかった。もっと直接、2人に声をかけてあげればよかった」

自分が関わっていれば事件は防げたかもしれない−。そんな思いを口にする夫に、咲被告は顔をさらに赤らめてうつむいた。

弁護人「咲被告は(自分の)実家に帰ろうとはしなかったのか?」

証人「『前は(咲被告の)部屋があったが、今は兄夫婦が入っているので、場所がない』と言っていた」

弁護側の質問が終わった。続いて、検察官が質問に立った。

検察官「さっきの嘆願書だが、あなたや咲被告が直接知っている人は何人いるのか?」

証人「(嘆願書を)全部見たわけではないのでわからない」

検察官「でも、7000人が全員知っている人ではないのでは?」

証人「地元の人は知っていると思うが、知らない人もいるかもしれない」

検察官「事件であなたのお母さんは仕事をやめた?」

証人「はい」

検察官「お母さんは事件後、ショックを受けていた様子だったか?」

証人「ぼく自身、ショックで周りを見る余裕がなかった」

検察官は質問を短く終えた。続いて裁判官が質問をする。

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