(3)「いなくなれ」発言、メール、犯行計画メモ…裁判官たたみかけ
弁護側に続いて再び検察官が質問に立ち、自殺の意思が本当にあったのかを尋ねる。
検察官「○○さん(実名)には(犯行現場の)家に入るところを見られていない。だから実行(犯行)に移したのではないか?」
咲被告「そこまで考えていなかった」
検察官「実行前に自殺を考える人間が、指紋がつかないようにするとか考えないと思うが?」
咲被告「そのときはそう思ったので…」
検察官「自分が犯人に思われないようにするためということですね?」
咲被告「はい」
検察官「終わります」
続いて裁判官が質問。はっきりと答えない咲被告に対し、裁判官は質問の意図がわからなければ『わからない』と答えるよう注意する。
裁判官「あなたが被害者に危害を加えようと思ったのは(ホームセンターで金づちや軍手を購入した)10月25日だと思うが、10月7日か8日にあなたの祖父が亡くなっていますね?」
咲被告「はい」
裁判官「10月10日には義母(絵里子さんの母)に(絵里子さんから)『死んでいなくなるか離婚していなくなるかどっちか選べ』と言われたのは、今でも忘れないとメールを送っていますね?」
咲被告「はい」
裁判官「友人にも『初めて身内(祖父)の葬儀で悲しかった。だから、(絵里子さんから)いなくなれ、と言われたのは許せない』とメールを送っていますね?」
咲被告「はい」
裁判官「その際に、『時間がかかりそうだ』というメールも送っているが、これは誰が何について時間がかかるの?」
咲被告「主人の妹(絵里子さん)が私に対して…(聞き取れず)直るには…」
裁判官「(2人の関係が)直ることを期待していたのか?」
咲被告「このままなら(関係は)変わらないと思っていた」
質問と咲被告の答えがかみ合わず、裁判官が質問を変える。
裁判官「犯行当時は月、火、木曜日が出勤でしたよね。10月15日(月曜日)に出勤したら本来翌日の火曜日(16日)も出勤しているはずなのに、出勤になっていないが?」
咲被告「覚えてない」
裁判官「次の木曜日も出ていないが?」
咲被告「いつも出勤は所長が決めるので…」
裁判官「調書では10月25日の前日には殺そうと思ったとなっているが、このころ出勤していないのは関係しているのか?」
咲被告「ない」
裁判官「犯行の計画メモについてだが、どこで書いたか?」
咲被告「自分のアパートで書いた」
裁判官「計画メモはどこに入れていたか?」
咲被告「金づちやひもを入れていたバッグに」
裁判官「チャイルドシートが自宅にあったが、これはいつ車から出したのか?」
咲被告「(犯行当日の)7日の夜」
裁判官「事件後に出したということか?」
咲被告「主人から『じいちゃんとばあちゃんを迎えに来てほしい』といわれたので、(シートがあると乗れないので)出した」
裁判官「メモはチャイルドシートの内側から発見されているが、この中に入れた記憶は?」
咲被告「ない」
裁判官「メモを入れた記憶はないのか?」
咲被告「ない」
ここで被告人への質問は終了した。続いて咲被告の夫が証言台に向かう。