(6)何度も自殺図った「たばことボディソープ飲んだ」
弁護人「命を持って償いたいという意味か?」
鈴香被告「はい」
時折、鼻をすすりながら、小さな声で質問に答える鈴香被告。
弁護人「助かりたいという気持ちはない?」
鈴香被告「考えもした」
弁護人「あなたは以前、(手紙で)『生きていないといけない』と書いたが、揺れていたのでは?」
鈴香被告「揺れていた」
弁護人「今は命を持って償いたいと?」
鈴香被告「はい。今は…米山さんが望む通りの罰が当然だと思っている」
弁護人「手紙では『謝ることしかできない』と書いていたが?」
鈴香被告「それだけではいけないと思う」
弁護人「ほかに償いの方法はないか?」
鈴香被告「私にはその方法しか思いつかない」
弁護人「あなたの家族は、あなたを待っているが?」
鈴香被告「ありがたいとは思っているが、してしまったことや、地域住民を混乱に陥れてしまったことを考えれば、米山さんのおっしゃる通りの刑がいいと思う」
弁護人「あなたは(逮捕後に)何度か自殺を図っているね」
鈴香被告「取調室からたばこを持ってきて、たばこ3本が致死量だと聞いていたので4本食べた。吐き気をもよおしたが、2、3日口がしびれるだけだった」
弁護人「他には?」
鈴香被告「タオルで首を絞めたり、鏡を割って腕を傷つけたり、ボディーソープをボトル3分の1くらい飲んだり」
弁護人「(秋田)刑務所(の拘置場)に移ってから?」
鈴香被告「はい」
弁護人「最後に自殺を図ったのは?」
鈴香被告「8月25日」
弁護人「それ以降は?」
鈴香被告「していない」
弁護人「死にたい思いがあった?」
鈴香被告「はい」
弁護人「今は?」
鈴香被告「極刑にしてほしいという思いに変わった」
弁護人「今後、自殺は?」
鈴香被告「しない」
弁護人「今は彩香ちゃんと豪憲君を拝んでいる?」
鈴香被告「月に1度しか拝むチャンスがないので、そのときに『ごめんね』と。『お母さん、バカでごめんね』と。そういう風に声をかけている」
弁護人「命をもって償いたいというのは、彩香ちゃんのこともあるの?」
鈴香被告「はい」
弁護人「彩香ちゃんのところに行きたいの?」
鈴香被告「はい」
弁護人「彩香ちゃんはそれを望んでいると思うか?」
鈴香被告「いいえ。でも他に責任の取り方を私は知らないので。生きている間は一生償っていくことしかできない」
弁護人「2つの事件で、地域の方に改めて言いたいことは?」
鈴香被告「申し訳なかったと。私の未熟な考えで、子供たちまで夜トイレに行けないとか、お風呂にひとりで入れなくなったとか、そんなことになると思わなかったので、本当に申し訳ないと思っている」
午前11時24分、弁護側の申し入れで、予定より早く午前中の質問が終了。母親の方を見て立ち去る鈴香被告を、母親はピンク色のハンカチで涙をぬぐいながら見送った。午後は12時半から再開予定。