(13)「腰痛で床にはいつくばり…。『サインしろ』と刑事」

弁護人「次に(上申書の)83ページ4行目に『殺そう』という言葉を訂正し、『やろうかな』となっている。これはあなたの申し立てか?」
鈴香被告「申し立ては申し立てになるけど…」
弁護人「ここは訂正を受け入れた?」
鈴香被告「そこだけ受け入れてくれた」
弁護人「他は受け入れなかった?」
鈴香被告「はい」
弁護人「(この時の)体調は?」
鈴香被告「腰が痛くなって、右腰から右ひざまでピキーンと走るような痛みがあって、座っていられなかった」
弁護人「その日が初めてか?」
鈴香被告「4〜5日前から」
弁護人「7月19日に留置の人に申し立てているが、このころか?」
鈴香被告「はい」
弁護人「痛みの部位は同じ?」
鈴香被告「はい」
弁護人「薬は?」
鈴香被告「塗ってもらえた」
弁護人「痛みは消えたか?」
鈴香被告「いいえ」
弁護人「取り調べは我慢して続けたのか?」
鈴香被告「はい」
弁護人「『医者に診せてほしい』と言ったのか?」
鈴香被告「はい」
弁護人「どうだった?」
鈴香被告「検察に行く日と重なるので、行かせてもらえなかった」
弁護人「結局、医者にかかったのは(7月)23日以降?」
鈴香被告「はい」
弁護人「それまでどう(痛みに)対処したのか?」
鈴香被告「立ったり座ったりすることを許可してもらい、ゆっくり立ったり座ったりをしていた」
弁護人「それで治ったのか?」
鈴香被告「いいえ」
弁護人「その後はどうなった?」
鈴香被告「痛みで床にはいつくばる感じになった」
弁護人「『休みたい』と言ったのか?」
鈴香被告「した」
弁護人「○○刑事(実名)はどう対処したのか?」
鈴香被告「『(調書に)サインすれば留置の方に戻してやる』と」
弁護人「どうしたのか?」
鈴香被告「答えられる痛みではなかった」
弁護人「どれくらいの時間、床にはいつくばったのか?」
鈴香被告「20〜30分」
弁護人「床はどんな感じ?」
鈴香被告「土足で歩くところなのでザラザラ。右足だけ伸ばしてはいつくばった」
弁護人「○○刑事はどうしていたのか?」
鈴香被告「横に立って見下ろす感じで見ていた」
弁護人「『署名しろ』との説得は続いていたのか?」
鈴香被告「はい」
弁護人「どんな感じで?」
鈴香被告「印象に残っているのは、『彩香ちゃんが死んで一番悲しいのは、お前でなく俺だ』と言ったこと」
弁護人「別の○○刑事(実名)はどうしていた?」
鈴香被告「私の背中側にいたので分からない」
弁護人「話はしていたのか?」
鈴香被告「分からない」
弁護人「結局、調書に署名したのはなぜか?」
鈴香被告「時間がたっても痛みがやわらがなかったし、夕方の休憩まで時間があった。それでサインした」
弁護人「どうしても(留置場の)房に戻りたかったのか?」
鈴香被告「はい」
弁護人「どんな気持ちだったか」
鈴香被告「くやしかった」
弁護人が、鈴香被告にこの時の調書の署名をみせた。
弁護人「(調書に)あなたの署名と指印がある。(文字は)どんな感じ?」
鈴香被告「手が震え、字がゆがんだ」
弁護人「大きくゆがんでいる。この時、○○刑事から何と言われたのか?」
鈴香被告「『(読み上げは終わってないけれども)書いている時から見ているんだから(内容は)分かっているだろう』と」
弁護人「房にはどう戻ったのか?」
鈴香被告「キャスター付きのイスに乗せられて戻った」
弁護人「房に戻ったのか?」
鈴香被告「留置室の入り口の横にある休憩室」
弁護人「薬は?」
鈴香被告「女性の人が腰に薬を塗りさすってくれた」
弁護人「房には戻ったのか?」
鈴香被告「戻っていない」
弁護人「1時間の休憩をした」
鈴香被告「まだ戻らなくちゃいけない、と言われて」
弁護人「どんな気持ちがしたのか?」
鈴香被告「えっと…。悔しいし、サインを取られたから訂正しなければと」
弁護人「(取り調べに)抗議はしたのか?」
鈴香被告「した」
弁護人「どんな取り調べだったか」
鈴香被告「(刑事が)『まだ痛いのなら休もうか』と言ったが、『さっきまで見下ろしていたくせに、今更、機嫌を取るかのように休もうと言われても納得できない』と言った」
弁護人「房にはどう戻ったのか?」
鈴香被告「壁を伝うように横歩きで」
弁護人「それらの経緯をその日の接見で私に伝えた。結局、私による(警察への)抗議となった」
鈴香被告「はい」
弁護人「夜の取り調べはどうだったのか?」
鈴香被告「比較的、やんわりとした(取り調べ)」
弁護人「あなたはどうだったのか?」
鈴香被告「意地になって『さっきは見下ろしたくせに』とか(刑事に)言った」
弁護人「(刑事から)『取り調べは止めようか』と言われた?」
鈴香被告「(この問いかけに鈴香被告自身は)『さっきは止めてと言っても止めてくれなかったのに納得できない』と言った」
弁護人「むしろ『(取り調べを)続けて』と?」
鈴香被告「はい」
弁護人「7月27日の調書に『言葉の行き違いから24日に話をしない態度を取ったが、○○刑事にも話します』とある。本当にこう言ったのか?」
鈴香被告「言っていない」
弁護人「どっちが本当か?」
鈴香被告「今日(話したこと)」
弁護人「(調書では)どうしてこう言ったのか?」
鈴香被告「逆らえなかったのと、反省していないと思われたくなかった」
弁護人「その後も調書は作られたのか?」
鈴香被告「調書は毎日どんどん作られた」
弁護人「それ以降は(彩香ちゃんへの)殺意を肯定するような調書にサインしたのか?」
鈴香被告「していない」
ここで25分間の休廷に入った。