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(22)横溝正史の「幽霊座」にサンキュー

検察官からの追及は続く。鈴香被告は厳しい質問になるとふてくされた声で答え、時折、検察官をにらみつけた。一方で、検察官が裁判長にたしなめられる場面も。

検察官「あなたは午後の調べの途中、激しく腰が痛くなった?」

鈴香被告「はい」

検察官「午前中は?」

鈴香被告「ある程度(痛みは)あった」

検察官「どの程度?運動やストレッチできるぐらい?」

鈴香被告「人に痛みを言っても、分かってもらえないと思いますけど」

検察官「午前中、薬をもらおうとは?」

鈴香被告「なかったと思う」

検察官「午前中ではそれほどじゃないんじゃないか?」

裁判長「薬をもらうほどではないということですね」

検察官「留置所で伸びをしたことは?」

鈴香被告「その日は分からないが、何日か前にしたことは覚えている」

検察官「調べが中断したとき、留置の人と調べのことや、接見のことを話すことは?」

鈴香被告「…ありました」

検察官「そういうとき、自分の気持ちは話せていた?」

鈴香被告「いいえ」

検察官「どうして?」

鈴香被告「いくら留置でも警察官だから気にしていた」

検察官「その割には、検察の調べについても批判ともとれることをを言っているが?」

裁判長「具体的に」

検察官「例えば『検事に会うの怖い』とか」

鈴香被告「言いました。怖いものは怖いから」

検察官「『沈黙が続くと精神的にやられる』と(言ったこと)は?」

鈴香被告「あります」

検察官「6月24日には『沈黙か、どなられるかだろう』というのは(言ったことが)あるか?」

鈴香被告「あります」

検察官「どなったのは一番最初に1回では? でも言っているんですね?」

鈴香被告「はい」

検察官「まぁ、供述調書をとるころなので、時期的にもおかしいが…。検察調べの批判を留置に言ったのか?」

鈴香被告「言いました」

検察官「この日、『腰の痛みで休みを取りたいので、屈辱的な調書に署名させられた』と言ったか?」

鈴香被告「覚えてません」

検察官「全然?」

鈴香被告「覚えてません」

検察官「薬が効いてきたという覚えは?」

鈴香被告「あります」

検察官「『頑張らないと』とは?」

鈴香被告「はっきりしません」

検察官「弁護人に会う前、ひどい目にあったとノートに書く時間は?」

鈴香被告「ありません」

検察官「弁護人が来る前に、横溝正史の本を読んだりしてない?」

鈴香被告「覚えてない」

検察官「『幽霊座』だけれど?」

鈴香被告「さぁ」

検察官「読んだことは覚えてない?」

鈴香被告「はい」

検察官「弁護人が来る前、6時ごろに『サンキュー』と言って受け取っている」

鈴香被告「覚えてない」

矢継ぎ早の追及に、裁判長が「覚えてないと言っているんだから」と検事をたしなめた。

検察官「『調べでは大丈夫といったが、調べの人が無理するなと言った』と留置の記録にあるが?」

鈴香被告「覚えてない」

検察官「夜の調べで、休みを取ってもう1回(調べを)しているが、短かった。『大丈夫だけど、刑事が気を遣ってくれた』とは(言ったか)?」

鈴香被告「……覚えてない」

検察官「弁護士との接見は歩いていった?」

鈴香被告「壁づたいに歩いていったと思う」

検察官「接見で席に座るとき、(痛みから)へぇーと笑った記憶は?」

鈴香被告「覚えてない」

検察官「終わって手を振りながら『ちゃんと立てたよ』と言ったか?」

鈴香被告「覚えてない」

検察官「覚えてないからしょうがないが、そんな(軽い)心理状態だったのか? 興奮していたのでは?」

鈴香被告「興奮していたと思う」

検察官「警察の調べで、怒りやおびえがあったのでは?」

鈴香被告「警察より、その場にいた人に限定される」

検察官「(2人の刑事を実名で挙げる)」

鈴香被告「そうです」

検察官「2人に怒り?」

鈴香被告「はい」

検察官「むりやり調べをされたあと、3回調べをしている。全部○○、○○だったが(どうだ)?」

鈴香被告「覚えていない」

検察官「少なくとも○○は?」

鈴香被告「はい」

検察官「訂正を求めたが、受け入れては?」

鈴香被告「もらえませんでした」

検察官「腹を立てていた?」

鈴香被告「そうかもしれません」

検察官「次の質問は長くなりそうなので、このへんで」

午後5時。この日、2回の休憩をはさみ、被告人質問は5時間余りで終了。鈴香被告は退廷の際、傍聴席で目を赤くして立つ自分の母親の方に顔を向け、何か言いたそうに、表情を動かした。次回公判は11月2日。引き続き検察側の被告人質問が行われる予定だ。

⇒第7回公判