(14)「彩香ちゃん、邪険にしていない」姉をフォロー
証人として出廷した鈴香被告の弟。少年時代は不仲だったが、大人になってからは誘い合い、一緒に買い物などで出歩くことが多くなったという。
弁護人「姉から愚痴や悩みを聞いていた?」
証人「あったと思う」
弁護人「いつごろから?」
証人「4、5年前ぐらいからはあったんじゃないか」
弁護人「どんな内容?」
証人「ここ何年かは、生活保護の状況とか、就職のことが多かった」
弁護人「娘の育て方の悩みは?」
証人「彩香が小学校に入ったころ、『いじめにあっているみたいだ』とは聞いたことがある。それ以外は聞いたことがない」
証人は平成17年か16年には、鈴香被告が住んでいた藤里の町営住宅に2〜3週間暮らしたことがあったという。弁護側は、間近で見た鈴香被告と彩香ちゃんの「親子関係」の実態に迫った。
弁護人「あなたは父親代わりのような行動をしていた?」
証人「保育園の行事に出たりしていた」
弁護人「しつけは?」
証人「食事中うるさくしないようにとか」
話題は鈴香被告が彩香ちゃんにしていた冷たい言動の有無の確認へ。証人は、鈴香被告の子育てに特に問題はなかったという認識を示す。
弁護人「近隣住民が、鈴香被告が食事を与えていないとか、冬に外に出していたということを聞きましたね?」
証人「はい」
弁護人「邪険に扱っていたのを見たことは?」
証人「ないです」
弁護人「そう取られても仕方ないということは?」
証人「ベタベタくっつくのを嫌がる人だったので、私から見るといつも通りでも、周りは邪険に見えるのかなと今は思う」
弁護人「町営住宅にいたとき、彩香ちゃんは朝食を食べてた?」
証人「買い置きのパンを食べていた」
弁護人「パンだけ?」
証人「コンビニエンスストアのおにぎりとか…」
弁護人「ごはんは炊かない?」
証人「炊いていた」
弁護人「おかずは?」
証人「家にいたときは姉と彩香は夜、実家にごはんを食べに行っていたので、作っていなかった」
彩香ちゃんの服装についても、終始、鈴香被告をフォローした。
弁護人「彩香ちゃんとお風呂にはいったことはある?」
証人「はい」
弁護人「鈴香被告と彩香ちゃんは?」
証人「見たことがない」
弁護人「彩香ちゃんは髪の毛や体を洗っていた?」
証人「洗っていないこともあった」
弁護人「なぜ分かった?」
証人「髪が油っぽくて、『ちゃんと洗わないとだめだよ』と言った」
弁護人「くさいと感じたことは?」
証人「ない」
弁護人「服が汚いという証言もあったが?」
証人「習字の墨とかついているのは子供なので仕方ないと思っていたが、それ以外は特に…」
弁護人「他人から見て汚いというところは?」
証人「彩香は好きな服を続けて着たがるので、2、3日続くとほかの人は汚いと思うのかと…」