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(7)被害男性「小室被告は捨て猫のようだった」

午前11時42分、審理が再開。証言台は遮へい板で囲まれており、被害男性の表情をうかがい知ることはできない。

裁判長「では被告人を」

続いて小室被告が入廷。証人席の被害男性と目が合ったのだろうか、証言台に向いて頭を下げ、着席した。

裁判長「あなたには証人として出廷してもらいました。宣誓で読み上げた通り、すべて本当のことを話すように。検察官、弁護士の順番に質問しますので、聞かれたことにだけ答えてください。では、検察官から」

検察官「まずですね。小室被告が著作権を売ろうと持ちかけた今回の事件で、あなたはなぜそれを買おうと思ったのか。その時の気持ちについて教えてください」

証人「私は投資というものを糧に暮らしてきました。小室被告の著作権はビジネス的に採算がとれるものだと思ったので」

続いて被害男性は、事件当時の小室被告の印象について語り出した。その姿は、一世を風靡(ふうび)した「希代のヒットメーカー」とは正反対だったようだ。

証人「小室被告と最初に会ったとき、捨て猫のようにやせておりました。小室被告いわく、芸能界の人たちではなく一般の方に私をプロデュースしてほしいと。芸能界は冷たいんだなと思い、かわいそうで救ってあげたいと思った」

小室被告は伏し目がちに証言に耳を傾ける。

検察官「著作権を手に入れたらどのように使いたいと」

証人「私のライフワークの動物愛護に使いたいと。例えば、『小室哲哉愛護基金』を作って社会貢献したいと思っていた。今ではかなわない夢となりましたが、(小室被告側から)還元された弁済金も社会のために使いたいと思っています」

検察官「なぜすぐに刑事告訴に踏み切らなかったのですか」

証人「小室さんを救ってあげたい一心でいたので、待とうと思いました。小室さんや、(小室被告が取締役を務めていた)イベント会社トライバルキックスの社長らに電話をしても出てくれず、出ても『おれは関係ない』という状態で、民事訴訟も考えましたが。が、何とか小室さんを助けたいという気持ちで…」

突然、被害男性の声が詰まり、嗚咽(おえつ)がもれる。検察官は続けて何かを言おうとしたが裁判長はそれを手で制した。十数秒後、被害男性は「すいません」と言って証言を続けた。

証人「おれが何とか小室さんを復帰させたいと思っていました。小室さんは私に対して詭弁(きべん)を言っていたかもしれないけれど、私は信じていた。口約束ですけれど、人として最も大事で守らなきゃいけないのは約束だと思う。何とか小室さんを助けたい、真人間になって優しさを取り戻してほしい、その気持ちだけです」

これまで正面を向いて証言を聞いていた小室被告だったが、うつむき加減になり、目を閉じた。

証人「『このままではだめだよ。すべてをなくしてしまうよ』と伝えたかったのですが、小室さんとは連絡が取れない状態だったので、大分のKEIKOさんのお母さんに電話をかけました。お母さんは涙声で『よく教えてくれた』と非常に感謝してくれました」

この後、被害男性は刑事告訴へ踏み切るようになる。その経緯は−。

証人「しかし、小室さんは債務不存在の裁判を起こし、自分たちさえ良ければいいと、母親にうその証言をさせて自分たちを守ろうとしました。人間として大事な優しさを失って悪い方向に行ってしまう。法の裁きを受けて再出発してもらうしかない、私の手には負えないと」

検察官「その後、和解が成立したが合意せず、刑事告訴になりましたね」

証人「支払期限にお金が入っていなかった。民事裁判でも、小室さんは出席しなければいけない時にKEIKOさんとロンドンにいて、数百万円を使い、お金が足りなくなると振り込むよう催促してきたと、スタッフに聞いていました。本当にこの人は、優しさを失っていると感じていました」

⇒(8)被害男性「厳正な判決を求める」