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(5)検察官「弁償も謝罪も他人が肩代わり」

弁護人の質問が続く。反省の弁を述べているからだろうか、答える小室被告の声は小さい。

弁護人「被害者に謝罪するのはもちろんだが」

小室被告「すごく反省しています。家族や、僕のことを聞いて悲しんだファンには、ご迷惑を掛けてしまいました」

弁護人「エイベックスに(肩代わりしてもらった)負債は処理していくのですか」

小室被告「はい。誠心誠意行っていきたいです」

弁護人「著作権は」

小室被告「弁護士、出版社と協議を進めています」

弁護人「生活態度を改める決意はありますか」

小室被告「改めます。一から出直します。デビュー前のころ、語り合って音楽を作った、音楽に集中していた、あのころに戻って頑張っていきたいです」

弁護人「千葉氏から『きちんとしたスタッフを』という話がありました。信頼できる人と相談し、誤りのないよう行動していきますか」

小室被告「知人の意見を聞いて更正したいというか、一から出直し、純粋な音楽家に戻りたいです」

弁護人「心からですか」

小室被告「はい。心からです」

弁護人による質問が終了。続いて男性検察官が質問に立つ。

検察官「検察庁で検察官に話した内容に間違いはありませんか」

小室被告「はい」

検察官「事件の後の対応についてうかがいたい」

小室被告「はい」

検察官「平成19年の初夏に謝罪したとおっしゃった」

小室被告「はい」

検察官「5億円の債務不存在の裁判を起こしましたね」

小室被告「はい」

検察官「(被害男性が)大分の妻(KEIKOさん)のお母さんに連絡した事実を使って、(被害男性に対して)慰謝料も請求しましたか」

小室被告「はい」

検察官「どうして民事裁判を起こしたのですか」

小室被告「申し訳なかったとしか言いようがありません」

検察官「この裁判が与えた苦痛は大きいと思いますか」

小室被告「被害者の気持ちになると、私が悪いことだけは間違いない。申し訳ないです」

検察官「対応が不誠実だったと思いますか」

小室被告「謝罪をしようと思っておりました」

検察官「少しこだわりますが、被害者はだまされ、裁判を起こされてショックだったそうです。謝罪文に、この裁判に関しての謝罪はありませんでしたね。被害者の気持ちをどこまで理解しようとしているのか疑問ですね」

小室被告「軽率な言動を取ったのは間違いないと思います」

検察官「松浦社長の全額援助で完済したのですか」

小室被告「はい」

検察官「被害弁償も謝罪も他人にしてもらっている。自分が裁かれ、償わないとという気持ちで裁判を受けていますか」

小室被告「間違いありません」

⇒(6)小室被告「今は5円玉ひとつも大切に使う」