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(1)「人間の存在消す犯行」検察官断罪…矯正の余地なし主張

東京都江東区のマンションで、2軒隣に住む会社員の東城瑠理香さん=当時(23)=を殺害して遺体をバラバラにし、トイレに流すなどして捨てたとして殺人、死体損壊、死体遺棄など5つの罪に問われた星島貴徳被告(34)に対する論告求刑公判が26日午前9時59分、東京地裁104号法廷で始まった。

今回は6回目の公判にあたり、検察側が審理の結論を読み上げ、どんな量刑を裁判所に求めるかを示す論告求刑が行われる。続いて弁護側が最後の主張を示す最終弁論を行う。最後に星島被告に「言いたいこと」があるかどうかを聞く手続きを経てすべての審理を終える見通しで、13日に初公判が行われてから2週間足らずでの「スピード結審」となる。

初公判から3回連続で被告人質問が行われてきたのに続き、過去2回は東城さんの親族や上司ら計6人の証人尋問が行われた。東城さんの母は「どんなにバラバラにされても、かき集めて抱きしめてあげたい」、姉も「葬式でもウエディングドレスを着せたかった」などと東城さんへの思いを語り、ともに星島被告の死刑を望むとする厳しい遺族感情を吐露した。

平出喜一裁判長「では、検察官のご意見をうかがいます」

検察官「検察官の意見を申し上げます」

法廷のモニターに「論告」という文字が浮かび上がった。男性検察官が前に出て、譜面を置く指揮台のような台に書類を置き、読み上げを始める。星島被告は公判に入ってから毎回同じ黒いタートルネックに黒いスウェット姿だ。色白だが耳が赤い。

検察官「今回の犯罪は、被告人が繰り返し女性を強姦して、性奴隷にしようと企てたことから始まりました」

モニターが「第1 はじめに」という文字に切り替わった。東城さんを拉致したものの、警察が捜査を開始したことを察知したため逮捕を恐れて殺害、遺体をバラバラにしたことを概括的に述べていく。

検察官「人間の存在を消す犯行、それが本件です。過去に例を見ない悪質な事件であることは明らかです。瑠理香さんを人格ある1人の人間として扱わず、消し去らねばならない邪魔なものだと考えました」

「人を人とも思わない残虐性は、被告人が人間の顔をした悪魔であることを物語っています。もはや矯正の余地はありません」

星島被告を“悪魔”と断罪した検察官は、事件について具体的に説明を始める。モニターの文字は「第2 動機は極めて自己中心的かつ身勝手で、被害者の人格、尊厳、生命を一顧だにしないものであること」に変わった。

検察官「被告人にとって、性奴隷にする女性のもともとの人格は邪魔でした。(星島被告が居住していた)918号室に連れ込みやすいという理由だけで、顔も名前も知らない916号室の女性を標的にしました」

「被告人には瑠理香さんを思いやる気持ちが全くありませんでした。警察に逮捕されれば、自分が気に入っていた生活や体面を失うと考え、生命の尊さを一顧だにしませんでした」

検察官はこの項のまとめに入る。

検察官「動機に何らかの酌量の余地があるでしょうか。いいえ、いかなる意味においても、酌量の余地はまったくありません!」

背中を丸めて論告を聞いている星島被告の様子に変化はうかがえない。検察官は続けて、仮に計画どおりに拉致した金曜日から翌週の月曜日まで強姦を続けていたとしても、被害者は性奴隷にはならなかっただろう、と指摘した。

検察官「自立した瑠理香さんが、被告人の夢想の産物にすぎない性奴隷になるはずがありません」

続いて論告は「第3 殺害態様は残忍かつ冷酷であること」とするくだりへ移る。

検察官「(縛った瑠理香さんを刺すのは)自由に動ける人を刺すのとは、比較にならないほど残忍で冷酷な犯行です。確実に存在を消すことしか頭にありませんでした。瑠理香さんを見下ろし、『暴れられては刺しにくくなる』と考え、静かに左からそっと近づくと、やにわに右手で口を強く押さえ、包丁をためらうことなく刺し、体重をかけて一気に突き刺したのです。こうして平然と、確実に殺したのです」

⇒(2)恐怖感、痛み、絶望感、無念…「怒りの涙を禁じ得ない」涙声の検察官