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(12)「向き合えるかもしれない…」 彩香ちゃんの殺意認めた

彩香ちゃんが橋から転落した経緯について「思いだせない」と、供述を拒み続けていた鈴香被告。検察側は、彩香ちゃんの殺害を自供する前日、鈴香被告に何か変わった様子がなかったかを、鈴香被告の取り調べを担当した証人の検事に尋ねた。証人は、落ち着いた様子で当時を振り返った。

証人「(鈴香被告の)顔の様子は、スッと力が抜けたようなリラックスした感じだった」

そして、鈴香被告はこう続けたという。

証人「思いだしたことがある。(自分がしたことと)向き合えるかもしれない」

「ただ、それを言うと私は頭がおかしくなってしまうかもしれない。何より、お母さんがおかしくなってしまうかもしれない」

「踏ん切りがつかない、心の迷いがある状態だった」と話す証人は、その後、鈴香被告の母親に会う。母親は、「彩香はかわいい孫だが、鈴香もかわいい娘。何があろうと、気をしっかり持って、鈴香を支えます。それを鈴香に伝えてください」と話したという。

検察官「その言葉を聞いた、鈴香被告の様子は?」

証人「泣いて『ありがとうございました』と。そして、『彩香がいなくなればいいと思い、彩香を橋の上に乗せ、手を払うようにして落とした』と言った」

検察官「彩香ちゃんが落ちるときの様子については?」

証人「『お母さん』と消え入るような声で落ちていったと」

検察官「鈴香被告は、その声についてどう言っていた?」

証人「『時々、放っておいても、その声が頭の中に出て辛かった』と言っていた」

そして、鈴香被告は証人に促され、犯行時の様子をこう説明したという。

証人「『(川の中の)サクラマスが見えなかった』というので、それでどうしたのかと聞くと、『それなら橋の上に乗ったら』と、(彩香ちゃんに言った言葉を)私の前でも怖い声で言った。そして、『私自身の手で払いました』と」

検察官「その時の気持ちについては?」

証人「だまってうつむいて、泣いて答えられなかった。『彩香ちゃんを殺そうと思ったのか』と聞くと、『はい、そうです』とすぐに答えた」

だが、鈴香被告はいったん、犯行を認めるものの、その後の警察での取り調べでは否認に転じるなど、供述を二転三転させる。

一方、検察側は、「被告人は弁護人や警察に心を許していなかったのではないか」−と、質問を続ける。鈴香被告が心を許した証人に話した自供こそが、信憑(しんぴょう)性が高いことを印象づけるためだろう。

検察官「被告人は、弁護人に自分の気持ちを言えていたのか?」

証人「『言えていない』と(言っていた)。『(犯行に至った)自分の複雑な気持ちは、経緯があってのことだから。自分でも(してしまったことを)信じられないから、いきなり(弁護人や警察から)やったのかやってないのか、と言われると、殺すつもりはなかったと言ってしまう』と」

さらに質問は、鈴香被告が殺意について「はっきりしない」と述べた、警察の取り調べ内容に及ぶ。証人は、この内容について鈴香被告の真意をただした。

証人「(鈴香被告は)『殺害しようと決意したかどうかは私には分からない』と言う。しかし、今まで私の前で言ってきたことは事実ではないのかと聞くと、『私は検事さんにありのままを言ってきました』と。また、殺意について否定するかと聞けば『殺意は否定しません』と話した」

「あなたは『殺害を決意して』という言葉が怖いんだね」と証人が問いかけると、鈴香被告は「そうです」と答えたという。

また、証人はこんなやりとりも明かした。

検察官「(鈴香被告はその後の)警察の取り調べを黙秘することになる」

証人「そのことについて聞くと、『刑事さんは、殺すつもりがあったのかどうかと聞いてくる。そうされると、私の気持ちを正確に調書にしてくれるか怖くなる』と言った」

検察官「それに対して、あなたは何と言った?」

証人「○○さん(警察官)もちゃんと経緯を知っていて、調べてくれる。内容に間違いがないなら、その調書に署名しなさい、と言った」

検察官「その後、鈴香被告は彩香ちゃん殺害について、警察にも話すようになった」

証人から明かされる鈴香被告の言葉と、これらを否定するような公判での発言。どちらが鈴香被告の本当の姿なのだろうか?

⇒(13)なぜか証人の検事に丁寧な弁護人 本筋になかなか入らず