(11)「シェルターで逃げ方教えてもらった」歌織被告が友人に話す
三橋祐輔さんの殺害前に歌織被告から相談を受けた女性が証人として出廷した。歌織被告は証人に笑顔を見せ、頭を下げる。歌織被告が祐輔さんから受けた暴力についての質問が行われた。
検察官「(歌織被告が)総合商社を辞めたあとも付き合いがあった?」
証人「はい」
検察官「結婚を知ったのは?」
証人「平成15年ごろ」
検察官「結婚する際の保証人になった?」
証人「(うなずく)」
検察官「結婚後、連絡は?」
証人「すぐはなかったが、2005年から連絡を取っていた」
検察官「平成17年?」
証人「はい」
検察官「(連絡を取った)きっかけは?」
証人「連絡があって、『久しぶりに会いましょう』といわれた」
検察官「17年のいつごろ?」
証人「秋だった」
検察官「何月ころ?」
証人「11月ごろだったと思う」
検察官「被告から電話があった?」
証人「あった」
検察官「実際に会ったか?」
証人「電話があったその日に(会った)」
検察官「どこで?」
証人「代々木の店で」
検察官「どんな会話を?」
証人「『久しぶり。どうしていたか』ということ。それから『祐輔さんからの暴力でシェルターに入っていた』ということ」
検察官「具体的には?」
証人「『結婚したすぐ後から暴力を受け、グーで殴るのは当たり前。何かのきっかけでひどくなり、裸足で裏の病院に逃げた』と」
検察官「(暴力の)きっかけについては?」
証人「引っ越して、家の電気や水道、ガスが通っておらず、『何やっているの』と言ったら反撃された、と」
検察官「シェルターに入ったときのことか?」
証人「それは、『携帯電話を持っているときに祐輔さんが帰ってきて、殴られて携帯電話を折られた』と」
検察官「シェルターの中で何か聞いたと言っていたか?」
証人「『同じ境遇の人がたくさんいたので、どのように逃げたらいいかを教えてもらった』と」
検察官「具体的には?」
証人「いろいろあるが、『生活費を少しずつ隠して貯め、いざというときに生活できるようにする』ということ」