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(9)結束バンドと避妊具を準備? 裁判官が「計画性」追及

英国人英会話講師のリンゼイ・アン・ホーカーさん=当時(22)=に対する殺人と強姦(ごうかん)致死、死体遺棄の罪に問われた無職、市橋達也被告(32)の裁判員裁判の第4回公判は、裁判員の被告人質問が続いている。

1番右の男性裁判員から、リンゼイさんが大声を出した回数についての質問があり、市橋被告は「2回」と答える。

裁判員「その2回は、リンゼイさんを押し倒したときと、リンゼイさんが逃げようとしたときの2回ですか」

市橋被告「はい」

裁判員「その他の時は、大声を出される心配はしませんでしたか」

市橋被告「しました」

これまでの公判で、市橋被告はリンゼイさんを乱暴する際、粘着テープで口などをふさいだことを明らかにしており、市橋被告は再びその経緯を説明した。

裁判員「殴った後にテープを貼って、はがしたということですよね。それ以外の時は貼らなかったんですか」

市橋被告「リンゼイさんの口ですか」

裁判員「はい」

市橋被告「はい、そうです」

続いて左から3番目の男性裁判員が、犯行当日、待ち合わせから市橋被告の部屋に入るまでの時間について、質問を求める。

裁判員「タクシーに乗り(市橋被告の)マンションの前で降りました。そこから室内に入るまでの会話はありましたか」

市橋被告「…ないですよ。えっと…しかしリンゼイさんが部屋に入るとき、『どうぞ』と一言いいました。あとはありません」

男性裁判員は腕を組み、考え込む様子だ。次に右から2番目の男性裁判員が「浴槽を外した経験があったのか」と質問。市橋被告は「掃除するときに取り外したことがある」などと答えた。

続いて裁判官の質問に移り、左陪席の女性裁判官が質問する。

裁判官「4畳半の和室でリンゼイさんを浴室に入れた後、あなたはどこにいましたか」

市橋被告「私も和室にいました」

廷内の大型モニターに市橋被告の部屋の見取り図が表示され、女性裁判官はリンゼイさんが入った浴槽と市橋被告の詳細な位置関係について尋ねる。

裁判官「そこでずっと会話をしていたんですか」

市橋被告「ずっとではないが、会話をするときはそこに座っていました」

裁判官「被害者と一緒に浴槽の中に入ったことはありましたか」

市橋被告「私の体全部を浴槽の中に入れたことはありません。しかし、リンゼイさんを殴ったときは浴槽の中に入るような姿勢になりました」

女性裁判官は市橋被告に殴られたリンゼイさんの顔のアザについて確認した後、再び殺害時の状況に話を戻す。

裁判官「あなた自身が声を出したことはありませんでしたか」

市橋被告「ありません」

裁判官「なぜ、逃げられないように、そこまで、押さえる体勢だったんでしょうか」

市橋被告「押さえ込むまで、リンゼイさんは大声を出していました。それで、私が上から覆いかぶされば…」

突然、声を震わせ涙声になる市橋被告。公判では断続的にこうした場面が見受けられる。

市橋被告「声も漏れなくなると…思ったからです…」

裁判官「確認ですが、なぜそこまでして逃げられないようにしたんでしょうか」

市橋被告「リンゼイさんにあのとき逃げられたら、警察に通報されることは分かっていました。通報されずにリンゼイさんが帰れるようになるまで、逃げてほしくありませんでした」

リンゼイさんの母、ジュリアさんは両手で両目をおさえ、市橋被告を直視できない様子。父、ウィリアムさんがジュリアさんに手を添えて支える。

女性裁判官は、最後に犯行当時の体格について尋ね、市橋被告は身長180センチ、体重は「大体70キロと少し」と返答。続いて右陪席の男性裁判官が質問を始める。

裁判官「リンゼイさんが一緒に(マンションの)エレベーターに乗ったのはどうしてですか」

市橋被告「分かりませんが、私は金を取りに行くといってリンゼイさんとタクシーに乗りました。タクシーを降りると、私はマンションの方に歩いていきました。リンゼイさんも私の後をついてきました。リンゼイさんとしては、金を取りにいくのだからついてきたんだと思います」

男性裁判官は、入室直後の乱暴時の状況について尋ねていく。

裁判官「リンゼイさんを拘束するにあたり、結束バンドを収納棚から取り出していますね」

市橋被告「はい」

裁判官「どのように収納棚から結束バンドをとったんですか。その時、あなたはリンゼイさんに馬乗りでしたか」

市橋被告「そうではありません」

裁判官「リンゼイさんの体から離れて結束バンドをとったんですか」

市橋被告「いいえ、離れていません。右手をリンゼイさんの体に置いた状態で、左手を伸ばし収納棚の扉を開けました。手でゴソゴソ探して結束バンドを見つけ、棚の下に落としました」

裁判官「その後、避妊具を装着してリンゼイさんを姦淫していますが、避妊具はどこから取り出しましたか」

市橋被告「物置の棚の下にいつも置いていました」

男性裁判官は見取り図を取り出し、堀田真哉裁判長と小声で相談する。

裁判官「物置の棚とはどこのですか」

市橋被告「すいません、げた箱の棚の上、靴箱の棚の上です」

裁判官「結束バンドと同じ場所ですか」

市橋被告「違います」

裁判官「結束バンドも靴箱の収納棚ですよね」

市橋被告「違います」

首をひねる男性裁判官。結束バンドと避妊具が不自然に同じ場所に置かれていたとすれば、リンゼイさん暴行の計画性を示す可能性もある。

裁判官「では、避妊具を装着するまででもいいですが、リンゼイさんが声を出したり泣いたりしたことはありますか」

市橋被告「ありません」

男性裁判官は最後に、リンゼイさんから脱がせた服の処理について尋ね、質問を終了。堀田裁判長の質問に移る。

裁判長「リンゼイさんを姦淫する前にもみ合ったということですが、被害者に対してしたことを具体的に教えてください」

市橋被告「私は上から馬乗りになり、あおむけのリンゼイさんの両手を私の両手で押さえ込み、リンゼイさんも足を強く動かして抵抗しているので、私は両足ではさみ、押さえ込むようなことをしました。リンゼイさんの足が抜け出すと、私はまた足ではさもうとしました」

市橋被告は熱に浮かされたように、言葉をついでいく。

市橋被告「リンゼイさんは体を押さえ込まれても体を大きく動かしていた。私は体を密着するようにして押しつけていました…」

裁判員、裁判官の被告人質問が終了し、弁護側は先ほど話に出た避妊具の位置について補足の質問をする。

弁護人「コンドームはなぜ玄関の棚に置いていたのですか」

市橋被告「当時付き合っていた女性と肉体関係があり、外出するときに持っていけるように置いていました」

この後、弁護側の追加証拠についてのやり取りを行い、堀田裁判長は約15分の休廷を告げた。

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