(4)祐輔さん、被告の両親に「別れたくない」
歌織被告の母に、2人の結婚後の様子について弁護側からの質問が続く。
弁護人「結婚してから、被告と祐輔さんが一緒に新潟に帰ってきたことはあるのか」
証人「(平成16年の)5月の連休」
弁護人「なぜ2人が新潟に来ることになったのか」
証人「(祐輔さんの)福岡の両親に会わせて欲しいと言ったら、祐輔さんは『勘当されていて会わせることができない』と言われた。だから、2人でまず新潟に帰って来てほしいと言った」
弁護人「祐輔さんは自分の両親のことをなんと話していたのか」
証人「『勘当されているので、会わせることはできない。しばらく待って欲しい』と」
弁護人「暴力については話をしたのか」
証人「祐輔さんはただ『すいません』と」
弁護人「暴力が起きた経緯については」
証人「『職場のことで頭に来て、手足が出た』と話していた」
弁護人「ほかに話していたことは」
証人「『申し訳ありません』と言っていた」
弁護人「その後、祐輔さんから連絡が来たことは」
証人「電話で」
弁護人「どんなことを話したのか」
証人「祐輔さんが『お母さん、大丈夫です。心配しないで』と」
弁護人「どの位の頻度で連絡があったのか」
証人「週に1回くらい」
弁護人「祐輔さんからの電話で、(途中で)被告が出ることはあったのか」
証人「『買い物に行っている』などと言っていて、出ることはなかった」
弁護人「被告から連絡が来ることはあったのか」
証人「週に1度くらい」
弁護人「電話で話をするのは被告だけか。祐輔さんと話すことは」
証人「祐輔さんとも話をした。『僕が悪い』と言っていた」
弁護人「被告が用もなく電話をすることはあったのか」
証人「ない」
弁護人「電話があるときは暴力があったときか」
証人「はい」
ここから、祐輔さんの暴力が原因で、歌織被告が実家に帰った状況を確認する質問が続く。歌織被告の母は涙ながらに振り返った。
弁護人「16年の5月に被告が1人で実家に帰ってきた?」
証人「はい」
弁護人「そのときの話で、被告は祐輔さんからどんな暴力を受けていたと?」
証人「手を椅子に縛られ、髪を引っ張られて引きずられた。外出ができないように洋服を引き裂かれた」
弁護人「ほかには」
証人「顔にはお茶をかけられ、つばを吐きかけられた。ひどい暴力にあった」
弁護人「被告は祐輔さんからどんなことを言われていたのか?」
証人「『お前が地球の裏に出ても見つけ出す』と」
弁護人「被告はしばらく実家で過ごすことになっていたのになぜ戻ったのか」
証人「新潟で父と暮らすのが無理だと言っていた」
弁護人「その後、被告とは連絡を取っていたのか」
証人「しょっちゅう取っていた」
ここで、歌織被告が警察に駆け込んだときの話に移った。
弁護人「警察と連絡を取って、被告とは話ができたのか」
証人「できなかった」
弁護人「誰と話ができたのか」
証人「目黒警察の人と」
弁護人「なぜ被告と話ができなかったのか」
証人「『両親とは話したくない』と言っていると」
弁護人「被告のけが状況は」
証人「鼻が折れて口の中が裂けていると説明された」
弁護人「直接会えたのは17年の10月ごろというが、被告のいとこと一緒に会ったのか」
証人「はい」
弁護人「当時、いとこにはどんな世話をしてもらっていたのか」
証人「泊めてもらったり教会に連れて行っってもらっていた」
弁護人「新潟に帰ることについては」
証人「『帰らない』と」
弁護人「17年のクリスマスイブに被告と会ったことについてだが、もともと上京する予定はあったのか」
証人「なかった」
弁護人「どこで会ったのか」
証人「ホテルのロビーで主人と歌織(被告)と祐輔さんと会った」
弁護人「祐輔さんはなんと言っていたのか」
証人「離婚だけはしたくない」
弁護人「被告は」
証人「『とにかく認めて欲しい』と言っていた」