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(6)遺体損壊作業の気を紛らわすために見た映画は「お姉チャンバラ」

星島貴徳被告は事件後、日中は何食わぬ顔で仕事場へ行き、夜は東城瑠理香さんの骨を細かく砕くなどして、死体損壊を続けていたという。男性検察官は、遺体の処理状況について細かく質問していく。

検察官「事件6日目の(平成20年)4月23日。出勤時は、緑の手提げかばんを持っていましたか」

星島被告「…」

検察官「もしかしたらその前日、骨を他のマンションのゴミ捨て場に捨てたことを警察官に怪しまれるのではないかと思い、この日はあえてかばんを持ち出さなかったのではないですか」

星島被告「…はい」

検察官「結果として、警察はあなたのことをこの時点で怪しんでいたのですか」

星島被告「いいえ」

検察官「4月23日は勤め先を早退していますね」

星島被告「はい」

検察官「なぜですか」

星島被告「…」

検察官「このころ、あなたは疲れていましたか。それとも元気でしたか」

星島被告「疲れていました」

検察官「仕事場で居眠りをすることも多かったのではないですか」

星島被告「はい」

検察官「居眠りをしていると同僚に怪しまれるので、具合が悪いことにして早退したのではないですか」

星島被告「はい」

検察官「早退して、どうしましたか」

星島被告「…。いろんなことを忘れたくて…。確認しようと思って、天井裏から(東城さんの骨が入った)袋を出しました。そうしたら、袋から血が落ちていて…」

検察官「それを見て、どう思いましたか」

星島被告「袋が破れていると思って…。あわてて…。でも天井裏が見えなくて、しようがないからタオルで…。でも、タオルが天井裏まで届かなくて…。天井裏の袋を置いてたところに投げるようにタオルを置いて、血がタオルにしみこむか確認しました」

検察官「どうでしたか」

星島被告「血がついていました」

検察官「それからどうしましたか」

星島被告「またタオルを洗って…。天井裏にまた投げて…。洗って…。何度も繰り返しました」

か細い声で答える星島被告。遺体の処理に苦戦していた様子が伺える。

検察官「このとき、タオルの代わりにTシャツを使った可能性はありますか」

星島被告「はい」

検察官「天井をふき終えると、どうしましたか」

星島被告「袋を取り換えました」

続いて、検察官は4月24日の行動を尋ねた。

検察官「この日は、骨を緑のかばんに入れて持ち出しましたか」

星島被告「はい」

検察官「このとき、マンションの管理会社にクレームをつけるような電話をかけませんでしたか」

星島被告「はい」

検察官「どのような電話ですか」

星島被告「カメラが少ないと…」

検察官「それは何のためですか」

星島被告「関係がないように…」

マンション内の監視カメラ設置数の少なさを指摘し、事件と無関係であることを装ったようだ。

検察官「4月25日も緑のかばんに入れて、骨や遺品を持ち出したのですか」

星島被告「はい」

検察官「遺品にはどのようなものがありましたか」

星島被告「…。社員証とかあったと思います」

検察側によると、事件現場近くの下水道管からは、東城さんの免許証の一部などが見つかっている。さまざまな方法で、遺品を処理していたようだ。

検察官「同じように近くのマンションのゴミ捨て場に捨てたのですね」

星島被告「はい」

検察官「服や携帯電話を含む(東城さんの)持ち物は、25日の時点で(星島被告宅の)918号室からすべて無くなったのですか」

星島被告「はい」

検察官「骨はだいぶ残っていたと思いますが…」

星島被告「はい」

検察官「4月25日の朝、(処分する)骨を選ぶために袋を開けたら、どうなっていましたか」

星島被告「だいぶ腐ってて…。ものすごいにおいが…」

検察官「それを見てどう思いましたか」

星島被告「気づかれると思って。腐った骨を何とかしなきゃいけない。困ったなと思いました。煮たらにおいが消えるだろうと思いました」

検察官「骨をゆでる作業はいつから始めましたか」

星島被告「仕事から帰った夕方くらいからです」

検察官「そのときに使った鍋はどんな鍋ですか」

星島被告「(以前から)持っていた鍋です。直径20センチくらい、深さ10センチくらいでした」

ここで、大型モニタに星島被告が描いたというイラストが表示された。台所に置かれた鍋の中に、いくつも骨が入っている。同人誌を出していたというだけあって、イラストもわかりやすい。上部には「私は東城瑠理香さんの遺体の骨を鍋で煮込みました」と、小さな字で書かれている。

検察官「骨をゆでるときはどんなにおいがしましたか」

星島被告「すごいにおいが…」

検察官「ゆでると肉はどうなりましたか」

星島被告「ポロポロと落ちていきました。小さな骨も落ちていきました」

検察官「ゆでたあとの骨はキッチンペーパーで乾かしたのですね」

星島被告「はい」

イラストでも、鍋の周辺には、キッチンペーパーの上に整然と並べられた骨が描かれている。

検察官「背骨は鍋に入りましたか」

星島被告「いいえ。そのままでは入らないので、のこぎりで切りました」

強烈な異臭から逃れるため、東城さんの骨をゆで始めた星島被告。骨をゆでた後の異常な行動も明らかになっていく。

検察官「背骨をゆでるとどうなりましたか」

星島被告「1つ1つの骨に簡単に分かれるようになりました」

検察官「首の骨も同じですか」

星島被告「はい」

検察官「骨を煮るこういった作業はいつごろまでかかりましたか」

星島被告「日曜(27日)の夕方です」

検察官「骨をゆで終えた後どうしましたか」

星島被告「あとは乾くのを待つだけだったので気を紛らわすために映画を見ようと思いました」

検察官「どこに行きましたか」

星島被告「インターネットで調べて、『お姉チャンバラ』という映画がやっていたので、気を紛らわすために(午後)7時か8時くらいから出かけました」

「お姉チャンバラ」は娘を殺された女性などが、街にあふれたゾンビを倒していくアクション映画。出演する女性がセクシーな衣装を見せることも特徴的だ。気を紛らわすために選んだはずの映画が、自身の犯行をも連想させるような内容。星島被告は何を考えながら、スクリーンを見つめていたのか。

検察官「家に戻った後、骨はどうしましたか」

星島被告「乾いているのを確認して、ペーパーにくるんでビニール袋にしまって冷蔵庫に隠しました」

午前11時53分。裁判長はここで休廷を告げた。星島被告は憔悴(しょうすい)しきった表情を見せ、法廷を出た。午後の審理では、残された遺体の骨の処理状況などに質問が進む予定だ。

⇒(7)「ポケットに詰め、コンビニのゴミ箱に捨てた」