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(10)自ら「処刑を願ってやみません」…弁護側の質問わずか5分

幼少のころ足に負ったやけどが、事件を起こした要因の1つと証言する星島貴徳被告。これに対し検察官は、やけどに対する心情をさらに詳しく質問していく。

検察官「やけどがあるから、人を人とも思わず、人を見下したようになったのですか」

星島被告「分かりません」

検察官「やけどは、今回の事件と、直接的な関係はないのではないですか」

星島被告「分かりません」

検察官「では、人を人とも思わず、保身のために人の命を省みない、自己中心的な性格になった原因は何だと思うのですか」

星島被告「人を殺すのを平気に思ったのは、両親への殺意からだと思います。どうやって苦しめるか。殺すだけでは飽き足らない。大切な両親を憎らしく思いました。苦しめてやろうと思っていました」

やけどを負った原因は両親にあると考え、星島被告は両親への殺意を改めて強調した。続いて検察官は、殺害された東城瑠理香さんに対する感情について質問した。

検察官「あなたが平成20年4月18日、東城さんを殺害した当時、『東城さんのことは何も考えていなかった』と証言していましたね」

星島被告「はい」

検察官「今、考えると、東城さんはどういう気持ちだったと思いますか」

星島被告「怖い。苦しい。痛い。助けてほしい。私を刺したこいつは誰なんだ? 絶対に許さない。絶対に許さない! 亡くなるときまで、うらんでいたと思います」

普段は消え入るような声で証言を続けていた星島被告だが、2度目の「絶対に許さない」は法廷に大きく響き渡るほど、声を張り上げた。

検察官「しかし、あなたがそのとき考えていたのは、自分の人生のことだけでしたね」

星島被告「はい」

検察官「検察官の質問はこれで、ひとまず終わりますが、今、言いたいことはありますか」

星島被告「死刑になっても仕方ないと思っています。本当にすみませんでした。謝っても何ともならないとは思います。本当にすみませんでした。本当にすみませんでした」

検察官「それは誰に対しての言葉ですか」

星島被告「東城さんと、ご遺族に対し…。私は今は、ご遺族の方に生かされていただいているつもりです。とにかく、処刑していただくことを願ってやみません」

「絶対に死刑です」という第2回公判の不規則発言と同様、星島被告は再び自らの判決について「死刑」を望んでいるかのように述べた。ここで検察側による被告人質問が終了し、弁護側の被告人質問に移った。弁護人は星島被告の情状面について、本人に確認するような口調で質問を重ねていった。

弁護人「確認するけれども、警察や検察でとられた調書は間違いはありませんね」

星島被告「はい」

弁護人「私は事実面のことは聞かないけれども、今、拘置所で、裁判がない日はどんな生活をしているのですか」

星島被告「般若心経を書いています」

弁護人「どういうことから、始めたんですか」

星島被告「弁護士から『つぐないの気持ちでやったらどうだ』と言われて…」

弁護人「私の勧めに従って始めたということですね」

星島被告「はい」

弁護人「これまで何通くらい書きましたか」

星島被告「1000回を超えています」

弁護人「どんな気持ちで書いているのですか」

星島被告「瑠理香さんの冥福を祈って…」

弁護人「便せんに書いていると思いますが、便せんに他のことは書いていますか」

星島被告「『東城瑠理香さん、本当に申し訳ありません』と書いています」

弁護人「すべての紙にそう書いていますね」

星島被告「はい」

弁護人「その他にやっていることはありますか」

星島被告「差し入れられたお菓子を、(拘置所の)部屋の高い所に置いています」

弁護人「仏壇のように見立てて、お供えをしているということですね」

星島被告「はい」

弁護人による被告人質問に入っても、星島被告の声は傍聴席前列の記者が聞こえにくいほど、小さいままだ。

弁護人「当初は、ご遺族の方に手紙も書きましたよね」

星島被告「はい」

弁護人「私が刑事の方と話し、『今そんなもの受け取るわけないだろう』とのことで、私が預かっていますよね」

星島被告「はい」

弁護人「そうですよね。まだお渡しすべきではないと…」

ここで星島被告が弁護人の言葉を遮って発言をした。

星島被告「犯人の手紙なんて、絶対に読みたくないでしょう。はやく星島という奴を殺してくれ、それが一番だと思っていると思います」

弁護人「…はい。あなたは般若心経の意味は知っていますか」

星島被告「知っています」

弁護人「前回も『死刑にして欲しい』と言っていたけど、死んでお詫びをしようという気持ちがあるのですか」

星島被告「逮捕されてから、一度も死刑以外のことを考えたことはありません。無期(懲役)でいたいなんて、少しも思いません」

弁護人「そうだねえ。弁護士の僕が、弁護することも、よく思わないんですよね」

星島被告「はい」

弁護人「ただ、その点で、僕とどんな話をしたか覚えていますか。あなたは『いい所も悪い所も全部出して、後は裁判官に任せよう』と、そういう話をしましたよね」

星島被告「はい」

弁護人「逮捕、勾留(こうりゅう)中に死のうと思い、自殺に着手したことがありましたね」

星島被告「答えたくありません」

弁護人「…これで終わります」

弁護人による被告人質問は、わずか5分ほどで終わった。被告を守る立場にいる弁護人だが、星島被告と弁護人のやり取りを聞く限り、星島被告は弁護されること自体を快く思っていない節もある。ここで、検察官が星島被告の経歴や家族への思いを述べた供述調書を証拠として提出し、読み上げを始めた。

検察官「被告人が身上経歴を述べた供述調書を読み上げます。まず家族構成です」

「私は4人きょうだいで、埼玉で生まれました。妹らは独立し、現在は両親と3男が同居しています。結婚したことはありません」

「私は生まれてまもないころに、埼玉から岡山に引っ越しました。税務署で働いていた父親の仕事の関係で、小学生と中学生のときに引っ越ししています」

「小学生のころからパソコンに興味があり、ゲームをしたり、簡単なプログラムを作っていました。中学を卒業後は県立高校の情報処理科に進みました」

「しかし、高度な内容ではなく、バカらしくなってファミリーレストランでのアルバイトに熱中していました」

星島被告は失敗を疑わず、大胆に犯行に及んでいたが、高校時代から自信過剰な性格の一端をのぞかせいたようだ。

高校卒業後は、コンピューター関連の専門学校への進学を希望していたというが、家庭の経済状況から断念。就職して都内のゲームセンターなどで働いていたが辞め、コンピューターのプログラム開発の分野に進んだ。

仕事は有能だったとみられ、登録していた人材派遣会社から別の会社に引き抜かれたこともあったという。

検察官「続いて、家族への思いを述べた部分の供述調書を読みます」

「私は幼いころのやけどで足がケロイド状になっているのが嫌で、コンプレックスに感じていました。このやけどで、いじめられたこともあります」

「小学生のころと、高校生のときに2回、皮膚の移植手術を受けましたが、(移植に使うために使った)おしりにも傷跡が残りました」

「(執刀した)医師からは『成功しました』と言われましたが、(傷跡が残っており)成功したようには見えませんでした」

「私は、幼いころのやけどは、『両親の不注意のせいだ』とずっと思ってきました。だから、上京後は一度も話したことはありません」

検察官「以上が供述調書の中身です」

法廷はここでこの日4回目の休廷に入った。証言台から被告人席に移るわずか2メートルのほどの距離も、ふらつきながら歩く星島被告。20分後に裁判官からの補充質問が行われる。

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