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(3)懲役15年求刑!「解決方法あったのに短絡的に命を奪った」

24歳の若さで殺害された絵里子さんの無念さを検察官が代弁する。咲被告はうつむいたまま、じっとしている。

検察官「被害者は高齢者の介助の仕事を熱心に行い、ヘルパー2級の勉強をし、将来に向けて希望を抱いていた。家族との充実した生活を送る中で、予期できない被告の犯行により命を奪われた。犯行現場を見れば、恐怖心や無念さを察するのに余りある」

証人として出廷した義母の処罰感情についても触れた。絵里子さんを亡くした喪失感から立ち直れておらず、咲被告への処罰感情がいまだに強いことを、改めて法廷に印象づける。

検察官「義母は検察官に対し、娘を失ったことへの寂しさを語っている。『夫の死を励まし続けてくれた娘。生き甲斐そのものだった。私にとって家族は本当に大切で、その中でも娘はかけがえのないものだった。資格のために頑張っていた絵里子を思うとかわいそうだ。ショックから立ち直ること出来ず自殺も考えた。咲を殺してやりたいと思う。出来るだけ重い刑を』などと話している。処罰感情はいまだに峻烈だ」

続いて、咲被告のアリバイ工作についても触れ、情状の余地がないことを強調する。

検察官「犯行後は証拠隠滅を行い、無関係を装っていた。警察の取り調べも否認し、アリバイを話している。犯情は極めて悪質だ。遺族への謝罪の意思もうかがえない。警察官の取り調べに対しても『被害者に100%申し訳なく思っているのではなく、ほっとしている』などと供述した。公判で謝罪の意思を話しているが、謝罪とは遺族にどう誠心誠意伝えるかが重要だ」

検察官の論告はいよいよ佳境に入り、求刑について述べられる。

検察官「被告は殺害以外に、解決方法が取りえた。しかし、短絡的に人の命を奪った。犯行は計画的で執拗で残虐。長期にわたる矯正が必要だ。懲役15年の刑に処し、金づちの没収を求める」

続いて弁護人の最終弁論に移る。これまでの主張同様に、咲被告に責任能力がないことと、自首が成立することを強調するようだ。

弁護人「事実について争いはない。まず、責任能力について述べる。被告は被害者から迫害を受け、娘に危害が加えられると思っていた。被告に責任能力はない」

まず、咲被告が絵里子さんにより、いかに追い詰められた精神状態だったかについて述べる。咲被告は、娘が殺されるという妄想にとりつかれており、事件当時は心神喪失状態で、責任能力がなくなっていたと主張したいようだ。弁護人は冒頭陳述では、「心身喪失か心身耗弱だった」としていた。

弁護人「被害者は自分の不幸な境遇と、家族と幸せに過ごす被告を重ね、被告を頻繁に怒鳴りつけた。平成19年7月16日には『離婚していなくなるか死んでいなくなるかどっちかにしろ』などと怒鳴られ、娘に危害が加わると思った。娘が殺されるのではという危機感を抱いた。被害者がいなくなればいいという気持ちにとりつかれた。危害が加わると疑念を抱いた被告は娘の通う保育園に『夫か自分以外に娘は引き渡さないように』と頼んでいた」

続いて、弁護人が主張する絵里子さんによる嫌がらせが、咲被告の思いこみではないことを主張する。

弁護人「被害者の財布や携帯電話、健康食品が無くなったことについては、被害者の自作自演で、被告の邪推などではない。実際にあったことだ。被害者が被告と同じ職場になるまでは、職場で物がなくなることはなかった。外された被告の表札も被害者のタンスから見つかっている。娘への暴行については、娘が声を上げたとき、その場には被害者と娘しかいなかった。被告の妄想ではなく実際に行われたことだ」

弁護人は判例をあげて、咲被告の心神喪失を強調する。

弁護人「別の事件で被告が無罪となった大阪高裁の判例では、その被告は犯行前日まで、普通に働くなど、不合理な行動は取っていなかった。しかし、裁判所は(善悪を判断する)事理弁識能力を失い、心神喪失と認定。無罪としている。被告が道具を用意していたとしても、精神疾患は払拭できない。被告は当時、精神疾患で心神喪失だった」

⇒(4)「迫害」「落ち度」…義妹側の責任をはっきりと弁護人