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(4)「義妹殺した後にチーズフォンデュ」

検察側の証拠調べが始まった。包丁などの凶器、遺体の写真、咲被告が犯行後に返り血をふいたウエットティッシュ、証拠隠滅に関するメモ書きなどが証拠に含まれていることを説明した。

さらに遺族の処罰感情が強いことを伝えるために、絵里子さんの母親の供述を朗読した。

検察官「事件の夜、絵里子との食事、会話を楽しみにして帰宅したら、変わり果てた姿で倒れていた。首が切られ、顔が血まみれになっていて、見るに堪えなかった。本当にかわいそうだった。119番通報しようとした手が自然と震えた。助けたいと思って絵里子に触れたが、冷たくて、硬くて、呼吸もしていなかった」

咲被告はやや猫背になり、手を前で組みながら、義母の悲痛な言葉に耳を傾ける。検察側はなおも、母親の供述を読み続ける。

検察官「はじめのころは、咲が殺したことを受け入れられなかった。自分の子供のように考えていたから、信じたくなかった。しかし、時間が経つにつれ、絵里子を無残な姿になるまで金づちでたたき、包丁で刺した咲を許せなくなった」

「咲に一言、言いたい。絵里子を返してほしい。絵里子を無残な姿にした咲を同じように殺したい。ただ、それでは暴力が嫌いな絵里子が喜ばない。咲にはできるだけ長い期間、刑務所に入れてほしい」

義母の悲しみはどれだけ咲被告に届いたのだろうか−。垂れ下がった長い前髪で咲被告の顔は隠れ、傍聴席から表情は見えない。

証拠調べはなおも行われ、咲被告が犯行後、妹とメールのやり取りをし、チーズフォンデュを食べることを予定していたなどし、何もなかったかのように振る舞っていた一端が明かされた。

続いて検察側は咲被告に証拠写真を次々と見せ始めるが、ここで咲被告が動揺を見せる。

裁判長「特によく見たい写真があったら言うように」

無言でうなずく咲被告。はじめは無表情に写真を見ていた咲被告だったが、次第に落ち着きをなくしていく。体を前後に揺すり、呼吸が乱れ、表情も苦しそうにゆがんでいった。続いて、凶器を咲被告に見せた。

検察官「凶器の包丁で間違いないか?」

咲被告「はい」

検察官「誰のもの?」

咲被告「…(小声で聞き取れない)」

検察官「聞こえない。もっと大きな声で」

咲被告「富士見の家にあった包丁」

検察官「これは殴るのに使った金づちか?」

咲被告「はい」

検察官「誰のもの?」

咲被告「自分で買った」

検察側はさらに首をしめたひもを示し、同様の質問を繰り返す。咲被告は犯行に使ったことを涙声で認めたが、その声は相変わらず、消え入りそうなほど小さかった。

⇒(5)憎しみ爆発「今日こそは殺してやる」 被告人質問始まる