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(2)「ガソリン入れる」と殺害に向かい、返り血は車内のミラーで見てティッシュでふいた

公判は、検察側の冒頭陳述の読み上げに移った。検察官の正面に腰掛けた咲被告は、じっと、うつむいたまま聞いている。

検察側は、咲被告が高校卒業後、専門学校で介護福祉士の資格を取り、長野県富士見町の施設で働き始めたこと、平成19年7月に夫と結婚し長女が生まれたことなど、咲被告の身上経歴を明らかにしていく。

検察官「咲被告は、被害者の絵里子さんに、(絵里子さんの)衣服がなくなったことを自分のせいにされたり、長女が泣いたとき、腹部が赤くなっていたことを折檻されたと邪推し、憎しみの感情をつのらせていった」

「同じ職場で働くようになってからは、咲被告はさらに絵里子さんへの憎しみを強めた。さらに2人の職場を変えるよう(家族から)進言された咲被告は職場を移り、絵里子さんのせいで職場を変えさせられたと恨むようになった」

検察側は、咲被告が絵里子さんに対して殺意を覚えたきっかけを一つずつ指摘していく。

検察官「以前同居していた富士見町の家の表札から(自分の)名前が外されていることに気づいた咲被告は、『絵里子さんが死んでいなくなれば幸せな生活が取り戻せる』と考えるようになった」

「咲被告はホームセンターで金づちと軍手を買い、絞殺しようと紙紐を編んで作った紐を用意した。さらに殺人を疑われないように、証拠隠滅の計画をノートに書いた」

「咲被告は、絵里子さんのタンスの引き出しを物色し、表札を発見した。表札を外したのは絵里子さんで、物がなくなったりしたのも絵里子さんの自作自演だと思いこみ、殺害を決意した」

検察側によると、咲被告はアリバイ作りをしながら、残忍な犯行に手を染めた。犯行の詳細が読み上げられる段階になっても、咲被告はうつむいたまま、動かない。

検察官「平成19年11月7日午後4時ごろ、車で出発した咲被告は、夫と買い物をして、『ガソリンを入れにいく』と嘘をつき、富士見町に向かった」

「家の駐車場に絵里子さんの車があるのを確認し、犯行が疑われないよう町役場に車を止めると、金づちを入れたバッグを持ち、両手に軍手をはめ、無施錠の入り口から中に入った」

「咲被告は物音を聞いて出てきた絵里子さんをやにわに金づちで殴り、逃げる絵里子さんを追いかけ、衣服を引っ張り廊下に倒し、さらに殴打した。それでも死なないため、紐で絞め、包丁で刺した」

検察側は、犯行後の咲被告の“隠蔽工作”も明らかにしていく。細い体を少し前屈みにした咲被告は、前髪が顔にかかるのを払いもせず、微動だにしない。

検察官「咲被告はスウェットに着替え、血の付いた着衣をしまった。台所のサッシから屋外に出ると、車のミラーで顔についていた返り血を見てウェットティッシュで拭いた。夫に『寄り道をして帰る』と虚偽のメールを送った」

「アリバイ作りのため、スーパーのビニール袋を夫に見せ、買い物をしてきたふりをした」

事件発覚後、咲被告は親族として取り調べを受けた。検察側は、犯行を自供するまでの咲被告の様子も述べた。

検察官「咲被告は茅野市内のスーパーに行っていたとアリバイを主張したが、矛盾があったため追及した。しかし、咲被告はなおも否認した」

「その後、被疑者として2時間以上取り調べられた咲被告は、ようやく認めた。案内した場所から凶器が出てきて、逮捕された」

検察側の冒頭陳述の読み上げが終わり、弁護側が立ち上がった。咲被告に変化はなく、うつむいたままだった。

⇒(3)咲被告は「表札に名前がないことにショック」