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第35回公判(2012.3.13) 【最終弁論】

 

(10)「肉体関係が重要」とのメール 「定型メールに過ぎず深い意味ない」

木嶋被告

 首都圏の連続不審死事件で殺人などの罪に問われた木嶋佳苗被告(37)に対する裁判員裁判(大熊一之裁判長)は、弁護側による最終弁論が続けられている。弁護側は、木嶋被告が問われている3つの殺人事件を中心に、検察官への反論を続けてきた。

 最終弁論も終盤に差しかかり、3件のうちの最後となる東京都千代田区の会社員、大出嘉之さん=当時(41)=の殺害事件について、弁護側が言及している。

 起訴状によると、木嶋被告は平成21年8月、埼玉県富士見市の駐車場で駐車中のレンタカーの車内で練炭を燃やし、薬物で眠らせた大出さんを、一酸化炭素(CO)中毒で殺害したとされる。

 一方の弁護側は大出さんの自殺の可能性を指摘、その根拠を述べていく。大出さんは木嶋被告と婚活サイトを通じて知り合った。

弁護人「(大出さんは)30代半ばから結婚相手を探して、サイトに登録しました。ただ、なかなかめぐり合えませんでした。大出さんは女性との交際をしたことがありません」

「こうした中で、木嶋さんのような方とめぐり会えました。一気に結婚に向けて盛り上がりました。新居の候補をネットで検索もしていました」

「ところが、(21年)8月5日、別れを突きつけられました」

 ここで、弁護側は大出さんが精神的ダメージを受けると、落ち込む性質があったとし、かつて受診したクリニックの診療記録を示す。

 それによると、頭痛がし、だれかに話かけられれば答えるが、自分からは話そうとしない、引きこもっている…などが記されているという。受診した時期は、仕事を退職した時期だった。

弁護人「8月5日に別れを告げられ、精神的なダメージを受け、落ち込んでいた可能性がある」

 そして、大出さんが母親に木嶋被告との交際を告げ、式場などの相談もしていた事実を挙げて続ける。

弁護人「(母親に)顔向けできないと考えた可能性もある」

 “可能性”を次々に示し、自殺説を印象づけたいようだ。大出さんの遺体から検出された睡眠薬についても“可能性”に言及していく。

 ハルシオンやレンドルミン…。大出さんの遺体の睡眠薬は木嶋被告が持っていたもの一致する。

 弁護側は、木嶋被告はリビングにあった透明のだれにでも中身が分かる薬箱に睡眠薬入れていたとし、8月5日に大出さんが木嶋被告宅を訪問した際、自ら持ち出した可能性があるとする。さらに…。

弁護人「保険外診療や自宅以外のパソコンから購入した可能性もある。そもそも世の中に大量に出回っており、入手は難しくない」

 こうした状況を示し、練炭とコンロについても言及しながらの推論を展開する。木嶋被告は公判で、8月5日に、別れ話を切り出した際、大出さんがキャンプに使うとして練炭やコンロを譲ってくれとし、求めに応じて渡したとする。

弁護人「結婚について盛り上がっていた木嶋被告のこと。(大出さんは、別れ話を切り出された際に自殺のことを)漠然と考えていたのかもしれません」

「ただ、最後の望みにとドライブに誘い(現場の)埼玉に向かいました。しかし、木嶋さんの意思は変わらず、1人(現場に)残されました。そこで自殺をしたというのは、抽象的可能性にとどまるとは言えません」

 弁護側は、さらに現場の状況の矛盾点を説いた後に、約10分間の休憩に入った。再開後、弁護側は木嶋被告が問われている、その他の詐欺や詐欺未遂についての反論を始めた。

 検察側は、婚活サイトは詐欺相手の男性を物色するためのツールとしている。その根拠として同時に複数の男性と交際していたことや、肉体関係をちらつかせていたメールの文面を挙げる。弁護人は、あくまでもサイト登録は結婚相手を真剣に探すためだったと主張。その上で、メールのやり取りにも触れる。

弁護人「確かに、男女のお付き合いで肉体関係が重要だというメールも送っていました。ただ、これは木嶋さんにとっては、定型のメールに過ぎず、深く意識したこともありません」

 さらに、弁護人はブログの内容を示すなどし、サイトで真剣に結婚相手を探していたとする主張を強調していく。木嶋被告の表情は変わらない。

⇒(11)「学んだことかみしめ生き直す。ただし、殺害していません。以上です」 涙声で最後に語った木嶋被告」