その後(2011.6.17)
羽賀研二被告逆転有罪/「被害男性は元値を知らず」…偽証有罪が決め手に
羽賀被告の知人男性が未公開株の元値を知っていたかどうかが主な争点となった公判。1審では、元値を知らなかったという男性の証言を「全幅の信頼を置くことができない」と退けたが、大阪高裁は「男性の供述は客観的証拠と矛盾せず信用できる」と逆の判断をした。
判断が覆った背景には、羽賀被告側の証人として公判で「男性は元値を知っていた」という趣旨の証言をした元歯科医の徳永数馬被告が偽証罪に問われ、1審で有罪となったことがある。検察幹部は「羽賀被告の無罪は徳永証言のみに支えられている」と逆転有罪に自信をみせていた。
この日の判決は徳永被告の証言の信用性を否定。弁護側が新たに申請し、男性が元値を知っていた可能性をうかがわせる証言をした新証人についても「にわかに信用できない」と一蹴した。
閉廷後、検察幹部は「偽証罪の立件も検察に求められる仕事になってくるだろう」と指摘。一方、羽賀被告の弁護人は「検察側の証人を偽証で立件したことがあるのか。都合の悪い証人だけを偽証罪でやることに問題がある」と検察の手法を強く批判。上告する意思表示をした。