第2回公判(2008.3.6)
(8)渡辺二郎被告が「びびっとったで」と…
裁判官「医療関連会社の以前に株を買った経験は」
羽賀被告「お世話になった会社の社長に『自分のところの株を持っていてほしい』と言われ、200株買ったことはある」
裁判官「医療関連会社についての知識はどの程度あったのか」
羽賀被告「社長ら関係者から聞かされたことを信じ切っていた」
裁判官「会社の関係者以外から資料を集めたようなことはあったのか」
羽賀被告「なかった」
裁判官「(被害者とされる)男性から株購入を頼まれたとき、男性は会社の資料を持っていたか」
羽賀被告「いくつか取り寄せていた」
裁判官「あなたは」
羽賀被告「僕の持っていた資料はパンフレットと、ちょっとした記事のコピー、社長がインタビューされているテレビ番組のビデオくらい」
裁判官「男性は、あなたが持っていなかった資料を持っていたか」
羽賀被告「はい。役員名が書かれたものやパンフレット。インターネットで調べたものなど」
裁判官「自分の代わりに買ってほしいとは頼まれなかったか」
羽賀被告「僕のを譲ってほしいということだった」
裁判官「株価が下がった場合の損失を補償するとサインしているが、経緯は覚えているか」
羽賀被告「いいえ。その書類は読んだが男性を信じる気持ちが強かった。今考えれば、あんなのに、と思うが信じていた」
裁判官「男性は株価が下がる心配をしていたか」
羽賀被告「言葉では一度も聞かなかった。『もっと買えないのか』とは言われたが。その後の書面のやり取りで、僕がこんなきつく書かないでよ、と言ったら、『僕を信じてよ』と言われた」
裁判官「男性と直接やり取りをしたのは、いつごろまでか」
羽賀被告「男性が最初の弁護士を立てるまで。それ以降しゃべることはほとんどなかった。それ以降はブローカーのような人が大阪や東京で、僕の所に来ていたので」
裁判官「恐喝未遂事件のホテルだが、渡辺被告人から連絡はあったか」
羽賀被告「なかった」
裁判官「あなたから連絡はしたか」
羽賀被告「金を返した後にメールを入れた以外ない」
裁判官「吉川さんから、渡辺被告人が(現場のホテルに)来ていたと聞いて、連絡はしたか」
羽賀被告「していない。メールは二郎さんのお金のことで。ほかには、二郎さんが誤認逮捕されたことがあったので『誤認逮捕で大変でしたね。ゆっくり休んでください』と電話をしてメールをした」
裁判官「渡辺被告人から、電話で『(男性は)びびっとったで』と聞いたことは」
検察側は冒頭陳述で、男性が1000万円を受け取って債権放棄をする確認書に署名した際、渡辺被告は羽賀被告に電話し「今終わったんや。署名しよったわ。だいぶびびっとったで」と報告したと指摘した。
羽賀被告「ないです」
裁判官「奥さんに3700万円を下ろすよう頼んだときは、どのように言ったのか」
羽賀被告「二郎さんに借りた金と、吉川さんの1000万円だと言ったと思うが、細かく伝えたかどうか…。金を下ろしてくれとは伝えた。細かく覚えていないが、内容も伝えたと思う」
裁判官「奥さんのメモ書きでお礼というのがあるが、心当たりはあるか」
検察側の冒頭陳述によると、羽賀被告方から押収された預金通帳には18年7月4日に3700万円を引き出した記録があり、同じく押収されたメモ帳に妻による「3000ジローお礼1000和解金」などの記載がある。
羽賀被告「僕が、何か贈っておいてとは言ったと思う。僕は沖縄のものとかお菓子とか、よく言うんです。それで嫁が書いたと思う」
裁判官「渡辺被告人に返した3000万円のうち先に返した300万円の領収証は誰が用意したか」
羽賀被告「吉川さん。普通に売っているようなので良かったが、丁寧に作ってくれた」
裁判官「そのとき返す金について説明はしたか」
羽賀被告「借りた金だと。『僕は地方でいないので、二郎さんに会うときに渡していて』と頼んだ」
裁判官「これで完済するなどと言ったか」
羽賀被告「言った。『返済は終わりなので領収証をもらってね』と」
裁判官「吉川さんと渡辺被告人の関係はどう認識していたか」
羽賀被告「吉川さんは、二郎さんがVシネマに一緒に出てほしいという気持ちがあったと思う。吉川さんは役者が仕事のメーンではないので、僕にも二郎さんにも可愛がってもらって、『3、4シーンくらい出演するか』と言われて喜んでいたので、二郎さんに甘えていたんだと思う」
裁判官「名古屋のジュエリー展示会で渡された書類は、男性からだと言われたか」
羽賀被告「いいえ。『羽賀研二だろ。これ見てくれ』とだけ。奥で資料を見て、そこに男性の名前があった。渡された男2人と話したいと表に出たが、すでにいなかった」
裁判官「その後、吉川さんと顧問弁護士に連絡は」
羽賀被告「連絡した」
裁判官「吉川さんは何と言っていたか」
羽賀被告「FAXをしてくれと言われた」
裁判官「その後は」
羽賀被告「顧問弁護士が男性の弁護士に抗議文を送ったと聞かされた」
裁判官「渡辺被告人が資料を渡した男に電話したことは知っているか」
羽賀被告「知らない。逮捕されて知った」
裁判官「平成13年2月に男性から8000万円を借りたときの利息は」
羽賀被告「飲み屋で株の話をしていたときに、酒の勢いだと思うが、金利はいらないと言われた」
裁判官「書面は」
羽賀被告「書面という書面はなかった」
裁判官「1億2000万円で和解しようという話のときに、男性からメールはきていたか」
羽賀被告「記憶が曖昧だが、きていたと思う」
裁判官「その後、男性が5000万円の上乗せを言ってきていると聞いて、5000万円になった理由は聞いたか」
羽賀被告「聞いた。『なんでですか。まとまるって言ったじゃないですか。勘弁してください』とお願いした」
裁判官「どうして5000万円か、という説明は聞いたのか」
羽賀被告「なかった。男性の交渉相手からは『仕方ないね』と言われた」
裁判官「顧問弁護士の腰が引けているというなら、ほかの弁護士に頼もうとは思わなかったのか」
羽賀被告「顧問弁護士に相談している経緯があったから。吉川さんにも『相手も弁護士を立ててくれるよう言って』とお願いしていた」
裁判官「聞いているのは、なぜほかの弁護士に頼まなかったのか、ということだが」
羽賀被告「顧問弁護士に相談していたので、この話は顧問弁護士にという気持ちがあった」
裁判官「吉川さんの話では、暴力団関係者から『1億円を払え』と言われたのか」
羽賀被告「そう聞いた」
裁判官「4億円を支払うように言っていたのは聞いていないか」
羽賀被告「当初はそう言っていて、請求する根拠がないと交渉していたら、1億円になったようだ」
裁判官「1億円と聞いて、和解しようと思ったか」
羽賀被告「思わなかった。吉川さんに『それひどいよ銀ちゃん』と言った」
裁判官「1億2000万円での和解には乗ったんですよね。1億円はそれより低いのになぜ和解しなかったのか」
羽賀被告「元々8000万円を借りていて、最初の相手先弁護士の話では6000万円が残っていた。それに4000万〜5000万円を上乗せして1億2000万円だから」
裁判官「じゃあ、暴力団関係者が言っていた1億円は残高を含んでいたという認識だったのか」
羽賀被告「認識はなかった」
裁判官「その金は株だけなのか残金を含むのか、どっちと思っていたのか」
羽賀被告「そのときは考えなかった」