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(13)祐輔さんは「社交的」歌織被告は無表情のまま…

三橋祐輔さんの元同僚への検察側の尋問が終わると、歌織被告は20秒ほどメモに何かを書き付けた。続いて弁護側の反対尋問に入った。

弁護人「証人は祐輔さんより先に会社に勤めていたか?」

証人「そうだ」

ここで突然、弁護側は証人が結婚した時期を確認。すぐに別の質問に移る。

弁護人「証人の上司に○○さん(実名)はいるか?」

証人「はい」

弁護人「きょう証言しているのを知っているか?」

証人「聞いている」

弁護人「祐輔さんの性格は社交的か?」

証人「そうだ」

弁護人「祐輔さんは会社の付き合い以外でも、よく飲んでいた?」

証人「はい」

歌織被告はやや視線を上げ、宙を見つめる。

弁護人「独身の方たちとよく飲んでいたのではないか?」

証人「はい、○○さんのみならず、いろんな同僚と飲んでいた」

弁護人「飲む機会は、あなたより○○さんの方が多かったか?」

証人「多かった」

弁護人「公正証書の金額と離婚の話の中で、家庭内暴力の話は聞いていたか?」

証人「詳しくは聞いていないが、暴力と離婚の場合は慰謝料を払わねばならないとは言っていた」

弁護人「離婚なら、払わねばならないということか」

証人「個人的な感想だが、そう理解している」

弁護人「(平成18年11月22日の)会社の同僚の送別会では、だいぶ遅くまで飲んだのではないか?」

証人「そうだ」

弁護人「2次会、3次会まで飲んで、ずっと離婚の話をしていた?」

証人「いや、その話は1軒目だけだ」

弁護人「1軒目というと午前1時ごろ?」

証人「午前1時ごろだ」

弁護人「何人くらいで飲んだのか?」

証人「20から30人くらい」

歌織被告が数秒間、目を閉じる。

弁護人「証人自身も結婚されているが、結婚されたあと、祐輔さんと歌織さんとあいさつしたことがあったか?」

証人「いつだったか…職場の近くで会った」

弁護人「そのときはあいさつ程度?」

証人「そうだ」

弁護人「結婚後、歌織さんと電話したこともあったか?」

証人「えーと…平成…、1回あった」

弁護人「事前に連絡などはなく、歌織さんから電話が来たのか?」

証人「はい」

弁護人「家庭内で夫の暴力があることから、会社での夫を心配しているというような話か?」

証人「そうだ」

歌織被告は、じっと証人を見つめる。

弁護人「いつころ、電話したのか?」

証人「明確に記憶はしていない。そういう話だったことは覚えている」

弁護人「17年12月の会社のプロジェクトで(祐輔さんと)仲良くなって、その後電話をもらったのではないか?」

証人「…そこまでは覚えていない」

午後4時20分。反対尋問が終了し、歌織被告は机上のメモに視線を落とした。次回公判(1月22日)には、歌織被告の母らが証人出廷する。裁判長により閉廷が告げられると、歌織被告は立ち上がって小さく一礼をした。長い髪を一度かき上げ、無表情のまま退廷した。

⇒第4回公判