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(10)「殺傷系の事件起こすこと考えた」 凶器購入に向かうが…

東京・秋葉原の無差別殺傷事件で殺人罪などに問われた加藤智大(ともひろ)被告(27)。掲示板への「なりすまし」の書き込みの削除に悩んでいたことに関して、男性弁護人の質問への証言を続けている。

弁護人「(掲示板の)管理人に連絡をして、書き込みの削除をしてもらいましたか」

加藤被告「いえ、(削除依頼の)メールは一切無視されました」

弁護人「無視されたときどう思いましたか」

加藤被告「ほかの人には対応するのに、どうして自分だけという気持ちがありました。怒りに近い感情でした」

ここで、若い男性弁護人から別の男性弁護人に質問者が交代。被告に資料を見せながら、掲示板上の具体的な書き込みについての質問に移った。

弁護人「5月30日は仕事でしたか」

加藤被告「はい」

弁護人「31日は?」

加藤被告「夜勤だったので、31日の朝に仕事が終わりました」

弁護人「31日はどのように過ごしましたか」

加藤被告「秋葉原に刃物を買いにいきました」

弁護人「刃物は何のために?」

加藤被告「はっきりとした記憶はないのですが、何かしらの殺傷系の事件を起こすことを考え、凶器として必要な刃物を買いにいったんだと思います」

弁護人「殺傷系の事件を起こそうと思った記憶があるのですか」

加藤被告「そのように考えていただろうと思うだけで、記憶があるわけではないです」

弁護人「どうしてそう思うのですか」

加藤被告「出来事と行動の意味を考えてそのように考えています」

男性弁護人が被告の横に立ち、資料を見せながら掲示板上の書き込み内容を説明。これまで前を向いて証言していた被告は、目の前に置かれた資料がよく見えないのか、めがねを直すしぐさをする。

弁護人は、被告が警察に書き込みや荒らしのことを相談するような書き込みをしたことについて、その理由を尋ねた。

弁護人「どうして警察を持ち出したのですか」

加藤被告「掲示板上ではどうしようもないと思い、問題を現実に持ってきて、解決できないかと考えたんだと思います」

弁護人「(荒らしの)スレッドを削除できないのですか」

加藤被告「できます」

弁護人「他人のなりすまし行為を削除することは?」

加藤被告「できます」

弁護人「削除すればよかったのでは?」

加藤被告「削除する前に、読まれてしまえば変わらない。また、嫌がっていると思われるとさらにエスカレートすると思ってそういうことはできなかった」

男性弁護人は、再度被告の横に立ち、資料を見せながら説明する。被告が「死んでも手をたたいて笑う意味を教えてください」と自分が死んだ後について書き込んだ意味について尋ねた。

弁護人「どうしてこのような書き込みをしたのですか」

加藤被告「なりすましに対して、自殺という手段でそうした嫌がらせ行為を嫌がっていることを伝えたかったんだと思います」

弁護人「(実際に)自殺しようと考えましたか」

加藤被告「いや、自殺したところで、一般人なので、どこの誰か分からない。なりすましにも伝わらない。アピールにもならないと思いました」

弁護人「自殺する考えはこの時点ではなかった?」

加藤被告「そう思われます」

弁護人「そう思うとは?」

加藤被告「書き込んだ記憶自体がないです」

加藤被告は、掲示板への書き込みになると、断定口調から語尾をあいまいにし、他人事のような言い回しが目立つ。

31日午後6時半ごろから、同8時ごろに「上野に行ってみる」と被告が書き込むまでの間のことを男性弁護人が尋ねる。

弁護人「書き込みに時間が空いているが、この間は、何を考えてましたか」

加藤被告「時間が空いている間に、前の書き込みに対する怒りも落ち着いたように思われます」

弁護人「上野に(刃物を買いに)行こうと考えたのは?」

加藤被告「おそらく、合法的な手段がみつからず、事件というアピールという方法をこの時点で思いついたのではないかと考えられます」

「はっきりした記憶がない」というだけにまるで他人事のような受け答えが続く。

弁護人「殺傷系の事件とはどのような方法を考えていたのですか」

加藤被告「掲示板でスレッドを編集し、その通りの事件を起こすことを考えていたのだと思います」

弁護人「この時点で、トラックやナイフの使用。秋葉原という場所を考えていましたか」

加藤被告「そういった覚えはないです」

弁護人「殺傷系の事件を起こそうと決定していた?」

加藤被告「そういうことではなく、(事件を)起こさない方法を考えていました」

この時点では、なりすましらに怒りはあったが、実際に事件を起こすまでの決意はなかったようだ。男性弁護人は、被告が上野から秋葉原に向かった経緯を質問した。

弁護人「上野では何をしましたか」

加藤被告「実際には靴を買いました」

弁護人「そのあと秋葉原に行っていますが?」

加藤被告「前に駅で広告を見て覚えていた店に行きました」

弁護人「その店では刃物は売っていなかった?」

加藤被告「そうです」

弁護人「どうしましたか」

加藤被告「自分の(気持ちの)スイッチが変わり、ゲームやCDを買って静岡に帰りました」

弁護人「ほかの店で刃物を買おうとは思いませんでしたか」

加藤被告「そうしたことは頭にありませんでした」

男性弁護人は再び、被告の横に立ち、資料を見せる。「新幹線の車両販売の人におつりを投げつけられた」との書き込みについての説明を求めた。

弁護人「なぜこのような書き込みをしたのですか」

加藤被告「自分だけそのような扱いを受けることを、いつものブサイクネタのように書き込んだんだと思います」

男性弁護人は弁護人席に戻り、質問を続ける。

弁護人「6月1日は何をしていましたか」

加藤被告「特に何をしたという記憶はありません」

弁護人「前日に殺傷事件を起こそうと思ったことについては?」

加藤被告「そうしたことを考えていた覚えはありません」

男性弁護人が、資料を提示するため、加藤被告の隣に立ち、加藤被告が書いた「殺人を合法にすればいいのか」との書き込みについての質問に移った。

弁護人「どうしてこのような書き込みをしたのですか」

加藤被告「書き込みでいかにも事件を起こすようなアピールをなりすましにしたかったのだと思います」

依然として他人事のような語り口調だ。

村山浩昭裁判長が「休廷をしたいのですが、どうですか」と言葉を挟んだが、男性弁護人は、追加質問を求めて、認められた。

男性弁護人は、被告が2本のゲームソフトの名前を挙げた書き込みを示し、書き込んだ理由を尋ねる。

弁護人「(関係者の間では)事件を想起させるゲームソフト名とされています。なぜそのような書き込みをしたのですか」

加藤被告「やはり、なりすましをしている人たちに、事件を起こすような印象を与えることを考えたのだと思います」

前を向いて淡々と証言する被告の姿勢は変わらない。

⇒(11)「自殺に他人を巻き込むなら目標100人」… 膨張する妄想