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(6)「自己弁護に責任転嫁…家族のきずな断ち切った」

●3 犯行後の行動が悪質

 歌織被告は祐輔さん殺害後、数々の証拠隠滅工作を行いました。祐輔さんが自らの意思で失踪(しっそう)しているように装うことで罪を免れようと画策し、遺体が発見されても身元が判明しないようにするため捜索願を提出する際に警察官に嘘を言いました。

 そして、最も許し難い証拠隠滅工作は、祐輔さんの安否を気遣う彼のご両親に対して、生存を偽装したことです。

 自らの手で祐輔さんを殺害し、その遺体を切断して処分しておきながら、同じ手でお父さんにあてて、彼の携帯電話から彼が自らの意思で失踪したかのようなメールを送りました。歌織被告は誰よりも祐輔さんの生存を願っていたご両親を、後に地獄の底に突き落とすような行為を平然とやってのけたのです。

 そして、歌織被告はこのような悪質な証拠隠滅工作さえ、まるで祐輔さんのご両親を安心させるためにしたかのように弁解しているのであり、まったく自己中心的で身勝手としかいいようがありません。

●4 反省の態度がまったくない

 歌織被告には反省というものがまったくみられません。法廷で「自分が犯人だから」と言っていますが、大切なことは何も語ろうとしません。

 歌織被告が認めているのは、客観的な裏付け証拠があるために、否認しようにもできない事実の部分だけです。そのほかにこの法廷で語ったのは、祐輔さんをおとしめ、自分を正当化する言葉だけでした。

 結婚生活においては、妻と夫の双方がお互いを理解し、相互に歩み寄ることが必要です。しかし、歌織被告は祐輔さんとの結婚生活が破綻(はたん)したことについて、まったく自分には原因がないと言い切りました。

 今回の事件では、歌織被告が金銭的に有利な条件で離婚しようと画策していたことを示す多数の証拠が存在します。また、歌織被告の手帳には祐輔さんに対する憎悪、憎しみの感情が詳しく記載されていますし、遺体の損壊を計画したと思われるメモ書きもあります。

 しかし、歌織被告は自分に不利益な証拠や証言に関しては「分からない、覚えていない」と明らかに不合理な供述を繰り返しました。そして、事件に至るまでの計画や祐輔さんに対する憎しみの感情は、「とにかく彼が離婚に応じてくれさえすればよかったのに、彼は離婚に応じてくれなかった」「彼からひどい暴力を振るわれるのではないかと、怖くて仕方なかった」という自己弁護にすり替えられました。

 まさに「私は悪くない」「私だけみじめな思いをするのは納得がいかない」という歌織被告の自己中心的な考えが表れています。

 そして、祐輔さんを殺害し、その遺体を損壊して遺棄した理由、祐輔さんのお父さんにメールを送った理由などについて、歌織被告自身から納得のいく説明はありませんでした。もちろん、十分な反省の弁も述べていません。そのような被告人にこの先、真摯(しんし)な反省など期待することはできません。

●5 遺族は厳罰を強く望んでいる

 このような事情ですから、祐輔さんのご両親が、歌織被告に厳しい刑を望んでいるのも当然のことです。

 祐輔さんは東京で働き、地元の九州で暮らす病弱なご両親とは、なかなか会う機会に恵まれませんでした。しかし、遠く離れていても、ご両親のことをいつも気にかけており、周りの人にその思いを語っていました。

 仕事でも順調にキャリアアップ。実績を認められて昇進が決定し、ようやくこれから親孝行ができるところでした。

 ご両親も、遠く離れていても元気でやってくれていればそれでいい、という気持ちで祐輔さんのことを思っていました。しかし、祐輔さんの思いも、ご両親の思いも歌織被告の手で無残に壊され、家族のきずなは断ち切られました。

 祐輔さんは、ご両親のたった1人のお子さんでした。歌織被告は祐輔さんの命を絶っただけではなく、ご両親の人生も変えてしまいました。

 平成18年12月中旬、新宿駅近くの植え込みから、ポリ袋に入った男性の上半身の遺体が発見されました。祐輔さんのご両親はこのニュースに接し、遺体が祐輔さんではないかととても心配していました。

 歌織被告はご両親に、遺体は祐輔さんではなかったと連絡し、祐輔さんのお母さんと一緒に泣きました。しかし、その一緒に泣いていたはずの歌織被告が、実は祐輔さんを殺害して遺体を切断し、新宿駅近くの植え込みに放置した犯人だったのです。

 このことが分かったときのご両親の衝撃は、まさに言葉では言い尽くせないものでした。ご両親は祐輔さんを失い、また自分たちの人生も壊されただけではなく、歌織被告からこれ以上にない裏切りを受けたのです。

 祐輔さんのご両親は「真実を明らかにしてほしい」という思いで、毎回のように公判を傍聴されています。しかし、歌織被告は一方的に被害者を悪者にして責任転嫁し、不合理な話ばかりを繰り返し、ご両親に対して、目を合わせることもなければ頭を下げることもしていません。

 祐輔さんのご両親はそのような態度にひどく心を痛め、だからこそ厳しい処罰を望んでいます。歌織被告の両親の謝罪も十分なものとはいえませんし、何ら意味のある慰謝の措置はなされてないのです。

⇒最終弁論「殺人は無罪。妄想が行動させたのだ」