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第16回公判(2012.2.6)

 

(1)木嶋被告に「ベタぼれ」だった安藤さん 79歳男性の殺害事件

木嶋被告

 首都圏の連続殺人事件で練炭自殺に見せかけるなどして男性3人を殺害したとして、殺人などの罪に問われた木嶋佳苗被告(37)に対する裁判員裁判の第16回公判(大熊一之裁判長)が6日、さいたま地裁で始まった。

裁判長「それでは審理を始めます」

 今年1月10日から始まった初公判。これまでに東京都千代田区の会社員、大出嘉之さん=当時(41)=と東京都青梅市の会社員、寺田隆夫さん=当時(53)=の2人に対する殺害事件の審理が続けられてきた。

 第16回公判からは千葉県野田市の安藤建三さん=当時(80)=に対する殺人事件の審理が進められる。

 検察側の申し立てで、4人の証人について傍聴席との間についたてを設置し、遮蔽(しゃへい)措置を取ることが確認された。

検察官「おはようございます。今週もよろしくお願いします」

 検察側の冒頭陳述が始まった。木嶋被告は検察官を見据えている。

検察官「経済的に困窮し、知り合った男性を練炭自殺を装って殺害した点は、安藤さんについても同じです。これが事件の核心部分です」

 これまでの2事件との大きな違いは、安藤さんが木嶋被告と知り合った当時79歳と高齢だったことだ。

 木嶋容疑者は大出さんや寺田さんと“結婚を前提とした交際”を続けていた。一方で安藤さんとは結婚する意思がなく、この点について検察側、弁護側双方に争いがないという。

検察官「当時79歳だった安藤さんは木嶋被告と結婚サイトで知り合った。ちょうど同時期には、寺田さんと交際していました。安藤さんと交際を始めた直後に80万円を振り込みで入手しました」

 続いて検察側は、安藤さんが木嶋被告と交際を始めて、4回にわたり意識喪失に襲われたと指摘する。

検察官「最初は平成20年10月28日、安藤さんが意識喪失後、木嶋被告は絵画を持ち出しました」

「木嶋被告は12月26日に安藤さんとデートした際、意識喪失後にカードを無断使用しました。安藤さんは21年3月6日、4月17日にもデート中意識喪失に陥りました」

 起訴状によると、木嶋被告は平成21年5月15日午前、安藤さん宅で安藤さんに睡眠導入剤を飲ませて眠らせ、こんろを使って練炭に火をつけ、午後0時55分ごろに一酸化炭素中毒とやけどにより死亡させたとしている。

 木嶋被告は1月の初公判で、安藤さんを含めた3人を殺害したとされる起訴事実についても、否認している。

検察官「5月15日に本件犯行です。安藤さんを自宅で殺害し、188万円を入手しました」

「(高齢だった安藤さんとの交際は)当然、金のためです」

 検察官は一呼吸置いて声のボリュームを上げた。木嶋被告は裁判員らの方向を見たまま、机の上に置いたファイルを指でたたいている。

 これまでの公判で、木嶋被告が安藤さん以外の高齢男性にも男女交際を持ちかけていたことが明らかにされている。

 検察側は木嶋被告の経済状況▽安藤さんからの金の入手方法▽殺害準備方法▽警察の捜査経過▽犯行後の行動−について、20人の証人と証拠物の提出で明らかにしていくと立証方針を説明した。

 検察側はこれまでの公判で、木嶋被告が平成19年から逮捕される21年まで、偽名を使って付き合っていた交際相手の男性がいたほか、パトロンの男性から多額の経済支援を受けていたと指摘している。

 さらに、19年8月に70代の男性が死亡したため、無職だった木嶋被告の収入はなくなり、生活が困窮したとしている。

検察官「安藤さんは木嶋被告にベタほれでした。これは安藤さんの息子さんや保健師の証言で明らかにします」

 安藤さんの長男は、木嶋被告が千葉県警に逮捕された22年12月、取材に対し「(木嶋被告が)ヘルパーとして訪問するようになったのは20年秋。何より本当のことを知りたい」と話していた。

 検察側はこれまでの公判で、大出さんと寺田さんに対する生々しいメールのやり取りを紹介。木嶋容疑者が男心を操って現金を要求していた実態を浮かび上がらせてきた。

 安藤さん殺害事件でも、木嶋被告と安藤さんの間でどのようなメールのやり取りがあったかが注目される。

 検察側は20年6〜8月にかけて、木嶋被告が現金80万円を受け取った経緯についてメールの記録で立証するという。

検察官「21年5月15日の事件当日、木嶋被告は安藤さん方のリフォームを手伝う予定でした。これは畳屋さん、大家さんの証言で立証します」

 事件で安藤さん宅は全焼。捜査段階で警察当局は当初、大出さん殺害事件の後に安藤さん殺害事件に着手する予定だったが、全焼していたことで立証が難航、寺田さん殺害事件を先に立件した経緯がある。

検察官「現場で発見された練炭が、火災が起きる約2時間前から燃えていたことについて、専門業者の証言で明らかにします」

 木嶋被告は事件後、インターネット上のブログで、「お手伝いをして帰宅してから数時間後の出来事だった。いろいろなところから事情を聴かれてサスペンスドラマのような1日でした」と更新していた。

 検察側の安藤さん殺害事件に関する冒頭陳述は終了。弁護側の冒頭陳述が始まる。

⇒(2)「気が合うのでお金はいらない」「喧嘩するも仲直り」 2人の信頼関係強調する弁護側