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(5)「床に食事ぶちまけられ…」 幼少期の母親の仕打ちを告白

引き続き、加藤智大(ともひろ)被告(27)の子供時代についての質問が続く。女性弁護人の質問は加藤被告と家族の関係に移っていった。特に母親との関係について強調する質問が続いた。

弁護人「家族だんらんの思い出はありますか」

加藤被告「ないです。だんらんとはいいたくないです」

弁護人「なぜだんらんとは言いたくないのですか」

加藤被告「リビングに集められてカードゲームをやったりしましたが、楽しくなかったのでだんらんとは言いたくないです」

弁護人「あなたにとってだんらんではなかった」

加藤被告「はい」

弁護人「嫌々、参加していたんですか」

加藤被告「嫌々ではないですが、嫌々参加しているように見せないようにしていました」

弁護人「家族みんなで食事をするときはありましたか」

加藤被告「ありました」

弁護人「家族みんなでですか」

加藤被告「最初は4人でした」

弁護人「最初というのはどういうことですか」

加藤被告「いつからか父親が帰るのが遅くなったので、母と弟と3人になりました」

弁護人「食事は楽しくなかったんですか」

加藤被告「はい」

弁護人「なぜですか」

加藤被告「会話がなかった上、3人で黙々と食べていただけだからです」

弁護人「お母さんから黙って食べなさいといわれていたんですか」

加藤被告「そういうわけではありませんが、雰囲気がそうでした」

前を見たまま微動だにしない加藤被告。

弁護人「家族で食事をしているときに記憶に残っている出来事はありますか」

加藤被告「私は食べるのが遅いので、食べきれなかったのを新聞の折り込みチラシにぶちまけられて食べるように言われました」

子供のころの出来事を淡々と告白する加藤被告。

弁護人「お母さんにですか」

加藤被告「はい」

弁護人「いつごろですか」

加藤被告「小学校3年生ごろからです」

弁護人「チラシにですか」

加藤被告「いつもはチラシですが、1度だけ廊下の床にぶちまけられたことがありました」

弁護人「いつもというのは何度かあったんですか」

加藤被告「何度もありました」

弁護人「お母さんが食器を片付けたいからですか」

加藤被告「そういうことです」

弁護人「食べるのが遅かったのはなぜですか」

加藤被告「私が食べるのが遅かったのもありますが、量も多かったです」

弁護人「量が多いことを断ることはできなかったのですか」

加藤被告「言えませんでした」

弁護人「どうしてですか」

加藤被告「母のやり方や性格を考えると、最悪、食事を抜かれるということが容易に想像できたからです」

加藤被告は、決して楽しいとは言えない子供のころの出来事についても丁寧な口調で話し続けた。

弁護人「チラシに食事を撒かれてどうしたんですか」

加藤被告「必死で食べました」

弁護人「どんな気持ちでしたか」

加藤被告「屈辱的でした」

加藤被告は相変わらず、無表情で前を見据えたまま。

弁護人「チラシにご飯を撒かれたときはお父さんや弟さんはいたんですか」

加藤被告「食卓にいました。チラシに撒かれたときは弟がいました。廊下に撒かれたときは父親もいました」

弁護人「お母さんは弟さんにはしなかったのですか」

加藤被告「弟は賢いのでがんばって早く食べていました」

弁護人「あなたも早く食べなかったのですか」

加藤被告「がんばったが間に合いませんでした」

弁護人「お父さんは廊下に食事が撒かれているときに何か言わなかったのですか」

加藤被告「見て見ぬふりをしていました」

弁護人「かばったりはしてくれなかったのですか」

加藤被告「そうですね」

弁護人は加藤被告が家族の間で、違う扱いを受けていたということを強調する質問を続ける。

弁護人「食事について逆に抜かれたことはありましたか」

加藤被告「それもありました」

弁護人「どういうときにですか」

加藤被告「あるとき父の部屋で漫画を見つけて、見ていたら母親に見つかり食事を抜かれました」

弁護人「お父さんの部屋に入ったことに対してですか」

加藤被告「そうではないと思います」

弁護人「漫画を見ていたことに対してですか」

加藤被告「おそらくそうだと思います」

弁護人「お母さんには何か言われなかったのですか」

加藤被告「言葉で説明をされてはいないので」

弁護人「どんな漫画を読んでいたんですか」

加藤被告「少年誌のジャンプなどの漫画雑誌です」

弁護人「お父さんの部屋にあったということですが、あなたの家では子供に漫画は与えられてなかったのですか」

加藤被告「はい」

弁護人「お父さんのをこっそり見ていたんですか」

加藤被告「はい」

弁護人「弟さんも見ていたんですか」

加藤被告「はい」

弁護人「お母さんは弟さんにも同じことをしたんですか」

加藤被告「いえ」

弁護人「どうしてあなただけなんですか」

加藤被告「感じとして、私だけが母親の目の敵にされているような感じがしました」

弁護人「全般的にですか」

加藤被告「つまり、私がされたことを弟はされていないので」

弁護人「一緒にやっていてもあなただけに」

加藤被告「はい」

加藤被告は少し強めの口調で話した。

弁護人「家族で旅行に行ったことはありますか」

加藤被告「ありました」

弁護人「どのくらいの頻度で行ったんですか」

加藤被告「小学校4年生ごろから中学校2年生ごろまで、夏休みに年に1回行くことがありました」

弁護人「お父さんも一緒ですか」

加藤被告「そうですね」

弁護人「楽しい思い出ではないのですか」

加藤被告「旅行に行ったことは覚えていますが、旅行で何があったとかはほとんど覚えていません」

弁護人「楽しい思い出はなかったのですか」

加藤被告「母が全部決めて連れて行かれました」

弁護人が加藤被告の前にあるモニターに家族旅行の写真を映す。加藤被告は写真をのぞき込むようにじっと見た。

弁護人「写真1はあなたの家族の写真ですね」

加藤被告「そうですね」

弁護人「どんな写真ですか」

加藤被告「秋田県に行ったものだと思います」

弁護人「写真2はどういう写真ですか」

加藤被告「よく分かりません」

加藤被告は弁護人から示された写真を1枚1枚じっと見つめる。

弁護人「あなたとお父さんが写っていますね。旅行の写真ではないのですか」

加藤被告「1と同じようなので同じところだと思いますが、思い出せません」

弁護人「写真4はどういう写真ですか」

加藤被告「青森県内の橋に行ったときの写真だと思います」

弁護人「よく覚えていないのですか」

加藤被告「はい」

弁護人「あなたとお母さんが写っていますね」

加藤被告「はい」

弁護人「写真5はどういう写真ですか」

加藤被告「いつ撮ったのかよく分かりません」

弁護人「旅行ですか」

加藤被告「旅行だと思いますが、どこに行ったか分かりません」

弁護人「写真を見てどう思いますか」

加藤被告「天真爛漫な弟と無表情な私が写っており、当時の私の精神状態がかいま見えます」

弁護人「どんな精神状態だったのですか」

加藤被告「さほど楽しくないのに楽しく見せるそんな状態です」

席に戻る弁護人。加藤被告は写真を見つめていた。

弁護人「旅行や家族団らんは母親に強要されたということですが、自分の意志を示して何かやってもらったことはありますか」

加藤被告「ないと言っていいです」

弁護人「全然ですか」

加藤被告「ほとんどなかった」

弁護人「パソコンを買ってもらったことがありますよね」

加藤被告「買ってもらったというより、買ってもらわされたというのが正しいです」

⇒(6)小学校高学年までおねしょ 「おむつはかされ屈辱的だった」