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(7)「イヤ」「そんなこと言っても」…頭捨てるとき亡き祐輔さんと“会話”

検察官の質問が続く。歌織被告が見たという幻覚について、細かい質問を重ねていった。

検察官「祐輔さん殺害の当日、(平成18年)12月12日未明のことだが、あなたと祐輔さんの部屋にクリスマスツリーは飾ってあった?」

歌織被告「いえ、ありませんでした」

検察官「12月9日に祐輔さんが飾りをつけたのでは?」

歌織被告「つけました。サンタクロースの人形を出したり、飾りを出したりした」

検察官「飾りというのは何?」

歌織被告「クリスマスカードだったり、ブリキのクリスマスのおもちゃ」

検察官「それは12月12日未明にも飾ってあった?」

歌織被告「飾ってあった」

検察官が過去にさかのぼって聞いたためか、歌織被告は、当初否定していたクリスマスツリーの存在を認めた。

検察官「鑑定人の先生に話したあなたが見たという幻視は『変なものを見たか?』という質問に対して答えたのか?」

歌織被告「いえ、違います」

検察官「どんな質問?」

歌織被告「覚えていない」

検察官「いくつかのあなたの見た映像については、同じ日に話した。それとも何日かまたいだ?」

歌織被告「話したことをその日だけでなく、違う日に話したこともある」

検察官「別の日に具体的に詳しく話したということか?」

歌織被告「そういうこともあります」

検察官「(クリスマスツリーを含め、歌織被告が見たという)4つの映像についてフラッシュを焚くように次々と浮かんで来ると話したのは最初の鑑定のとき?」

歌織被告「こういうふうに見えるということですか?」

検察官「そう」

歌織被告「話しました」

検察官「4つの映像を初めて話したときにフラッシュの話をして、別の日にも話したということ?」

歌織被告「はい」

検察官「両鑑定人に弁護士を通じて手紙を出したか?」

歌織被告「一度あります」

検察官「そこにフラッシュのことを書いた記憶はある?」

歌織被告「書きました」

検察官「なぜ、わざわざ手紙に書いたのか?」

歌織被告「鑑定のときうまく言葉で説明できなかったと思ったので、書いて説明した」

検察官「1回目の脳波検査で顔面に光を当てられたか?」

歌織被告「はい」

検察官「どういう状態だった?」

歌織被告「目を閉じた状態で光を当てられた」

検察官「ずっと光っているのか。それとも点滅していた?」

歌織被告「点滅していた」

検察官「手紙の中にフラッシュのように映像が次々と浮かんでくるということを書いた覚えはある?」

歌織被告「はい」

検察官「脳波検査の光に似ていると書いた覚えはある?」

歌織被告「はい、ある」

検察官の質問に歌織被告は淡々と答える。検察官の質問は、祐輔さんの頭部を遺棄したときの様子に移った。

検察官「祐輔さんの頭部を町田の公園に埋めたときのことを聞く。なぜ埋めたのかを被告人質問で聞いたとき、身元が分からないようにするということと、周りの人が騒がないようにと言った覚えはあるか?」

歌織被告「はい」

検察官「鑑定人に話した内容では、祐輔さんと会話したと言っているね?」

歌織被告「はい」

検察官「町田に(祐輔さんの頭部を)埋めたことについて、『自分が決めたのか、祐輔さんが決めたのか分からない』と鑑定人に言っているが?」

歌織被告「私は最初、頭部を手と同じように近所に捨ててしまおうと思った。でも実際に首を持ったときに『嫌』というふうに言ったとき、彼(祐輔さん)が『そんなこと言ったって、そこら辺に置きっぱなしにはできない』というようなことを話した−と鑑定人に言った」

検察官「祐輔さんがアドバイスしたということ?」

歌織被告「『どうしよう、こうしよう』とは言われていないが、とにかく『私は土が大嫌い。土仕事が、土に触るのが嫌』ということを彼とのやりとりで話した」

よほど、土が苦手なのか、歌織被告は「土が嫌い」という言葉に力を込めた。

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