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(6)「精神鑑定どうでもいい。聞いて欲しかったのは彼との生活」

祐輔さんを殴っている最中に見ていた幻覚の内容について、検察官と歌織被告とのやりとりが続く。歌織被告は、『携帯ストラップのクリーナーが巨大化したもの』の他にも、幻覚が見えたと供述する。

検察官「以前、祐輔さんが読んでいた男性雑誌?」

歌織被告「はい」

検察官「ずっと会っていなかったおばあちゃん、この3つ?」

歌織被告「それは11月の二十何日か忘れたけれども、私の両親と祖母が訪ねてくれた。そのときマンションに録画されている映像です」

検察官「録画されている映像がまた見えた?」

歌織被告「はい」

検察官「暗い代々木公園の風景も見えた?」

歌織被告「はい」

ここで検察官は、歌織被告が鑑定人に話した幻覚などの状況を、前回の被告人質問では話さなかった理由についてただしてゆく。

検察官「裁判官からの質問で、あなたは『鑑定をカウンセリング代わりと思っていた』と言った?」

歌織被告「はい」

検察官「大体それが理由ですか?」

歌織被告「あとは、取り調べで言っても信じてもらえなかったので、言いたくない(から)」

検察官「それは前回の被告人質問で話さなかった理由?」

歌織被告「私自身が(犯行を)やったのは間違いないですから、関係ないだろうという感覚しかなかった」

検察官「被告人質問で言わなかった理由は2つ。言っても信じてもらえないということと、自分が犯人には間違いないから?」

歌織被告「そうです」

検察官「どうせ信じてもらえないというのはどうして?」

歌織被告「なぜ? 申し上げにくいですが、これまでの取り調べの中で、いろいろあったことが一番あります」

検察官「不当な取り調べについては、被告人質問で語っていましたよね?」

歌織被告「私が一番わかっていただきたかったのは、鑑定に話した精神的な部分ではなくて、ここに至るまでの彼との生活をわかってほしかったし、取り調べで消された部分をわかってほしかった。それがすべてでしたから。鑑定に話したことまでわかってほしいというのはなかった」

検察官「結局、検事と刑事に幻視のことはもみ消された?」

歌織被告「はい」

検察官「納得がいかなかった?」

歌織被告「鑑定の先生に話したことをここの法廷で話そうとは思わなかった。何よりわかってほしかったのは、彼と今までどういう生活があったのか、でした」

検察官「この裁判に当たって、PTSD(心的外傷後ストレス障害)、責任能力を争っていこうと弁護人と打ち合わせしましたか?」

歌織被告「しました」

検察官「責任能力を争うとはどういうことと理解しましたか?」

歌織被告「理解していません」

ここで速記官が交代。歌織被告が髪をかき上げる。

検察官「責任能力を争う内容として、DV(配偶者間暴力)とPTSDを主張すると知っていた?」

歌織被告「主張自体は聞いていました」

検察官「PTSDが精神の病ということまで知っていましたか?」

歌織被告「そういう病気があるくらいは知っていた」

検察官「肉体的な病気だと思っていた?」

歌織被告「精神的な病気だなくらい」

検察官「精神病があると責任能力が欠けるという理解はありましたか?」

歌織被告「正直申し上げて、私自身はそういうものに当たると思わなかったので、弁護人がその主張でいくとわかっていたが、認められるとは思っていなかったし、深く考えていませんでした」

検察官「責任能力がなくなれば、裁判で無罪、刑が軽くなると聞かされていましたか?」

歌織被告「聞かされたことはないです。刑うんぬんじゃなくて、とにかく調書が事実と違うことばかりだったので、少しでも今まであったことを彼との生活の事実をわかってもらおう。そのための手段として鑑定…」

検察官「責任が軽くなるという知識は持っていた?」

歌織被告「ないですが、なんとなく聞いたことはある」

ここで再び歌織被告髪をかき上げる。

検察官「それで幻視、その他、幻覚、幻臭について(鑑定人の)金先生、木村先生に話したのはいつごろだった?」

歌織被告「とにかく最初は申し訳ないですが、鑑定は形だけ。やってもやらなくても同じ。モルモットみたいに扱われるだけ。『鑑定は受けたくない』と弁護士と話しました。話したってどうせ変に思われるに違いない。少しずつ鑑定の先生と話す中で話せるようになったので、具体的にいつからと言われてもわからない」

検察官「1回目の脳波検査、2回目の脳波検査を基準にするとどこ?」

歌織被告「1回目の脳波検査の前です」

⇒(7)「イヤ」「そんなこと言っても」…頭捨てるとき亡き祐輔さんと“会話”