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(1)「歌織、カネにこだわっていたとは言ってない!」友人尋問していた

「責任能力を喪失していたことは十分推認できる」−。三橋歌織被告の犯行時の精神状態の問題点が2人の鑑定人から報告された衝撃の公判から2日。12日の第10回公判は、東京地裁104号法廷で午前9時59分に開廷した。

今回の被告人質問は、河本雅也裁判長が「鑑定人尋問を聞き、再び尋ねたいことが出てきた」として急遽(きゅうきょ)開かれることが決まったものだ。裁判所が鑑定結果を全面的に肯定し、「歌織被告は責任能力がない心神喪失状態だった」と認めれば刑事責任は問えず、無罪ということになるが、その判断は重い。裁判長は、鑑定結果の内容を、しっかり吟味したいと考えているのだろう。

歌織被告は薄手のピンクのセーターに白いパンツ姿。今回もロングの髪を肩の下まで伸ばしている。髪をかきあげながらゆっくりといすに腰掛けた。まずは裁判長が前回の鑑定について触れる。

裁判長「2人の鑑定人に対する検察側の質問で、『(2人別々の鑑定ではなく)共同鑑定ではないか』という指摘があった。鑑定人尋問は24日10時に続行されるが、経過をこの場で確認しておきたい。裁判所としては両名に共同鑑定を命じたことはない。それぞれの鑑定人が宣誓し、選任手続きが行われた」

裁判長は、検察側・弁護側が推薦した2人の鑑定人が基本資料を共有していたことは把握していたものの、鑑定人自身が共同鑑定と認めるような方法で鑑定を実施したことについては、裁判所としても想定外だったことをあえて指摘した。

続いて裁判長は、出産などを理由に第4回公判に証人として出廷しなかった歌織被告の友人の女性に対し、居住地域の裁判所で今月7日に行った、証人尋問の内容について報告する。

裁判長「○○さん(実名)が大学時代の親しい友人であることを確認し、まず平成17年7月下旬、別の友人とともに恵比寿(東京)のレストランで会ったことについて質問があった」

「『その場で祐輔さんとの関係は何と言っていたか?』と聞くと、証人は『離婚を考えていて、当然するという話だった』と答えた。歌織被告が証人に『もうがまんできない。お金の面などで条件をつけて離婚しようと思っている』と言ったかどうか聞くと、証人は『そういう風には言っていません』と答えた。『捜査段階でそういう話をしなかったか?』と確認したが、『そういう話はしていなかったと思う』と答えた。調書については『100%納得いくものとしてサインしたものではない』と…」

検察側の冒頭陳述には、歌織被告が「経済的に有利な条件で離婚したいという思いを強く抱いていた」としている。その根拠には、この証人の供述調書もあったとみられるが…。

「検察官が『あなたは(調書の)どの部分が納得いかないのか』と質問すると、証人は『具体的に述べるのは記憶もあいまいで難しいが、全体的に読むと、悪意に満ちた言葉が自分から出たのかとあぜんとした。まったく事実と異なるかというとそうではないかもしれない』と答えた。『ただ、内容は確認して署名しますよね』と問うと、『ハンコを押さなきゃ終わらないというような長時間でしたし、早く帰りたいという気持ちもあって押してしまった』と」

淡々と読み上げる裁判長。歌織被告は興味がなさそうに時折目をつぶっていた。歌織被告が祐輔さんの暴力によりシェルターに入った17年6月以降は、証人は祐輔さんから頻繁に直接電話がかかってきたと述べたという。

裁判長「1回かかってくると1時間ぐらいで、毎日、土日もかかってきた。『何かさせられたか』と弁護人が質問すると、『居場所を探している』などと答えた。(歌織被告が)万引したということも証人は聞かされていた」

⇒(2)幻覚「変なヤツと思われたくなくて言えなかった」…検察官は疑念の目