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(5)任意同行…遺棄だけは認めたけれど「極刑望む」

弁護人「報道陣に囲まれる中、カメラを制止する映像が繰り返し流れたが、(そのとき)あなたはどういう気持ちだった?」

鈴香被告「弟や母の仕事先にまでついて行ったり、前の道路で事故起こしたり、前の砂利道は農作業の人が苗を植えつける時期で、そこを通るのが普通なので、ふさがれるような形になっていたので、やめてほしいと言いに行った」

弁護人「注目を集めていることを、どう思った?」

鈴香被告「最初は彩香のことをもっと調べてもらえると思ったが、予想に反して反響が大きくなり、どうしようと思った」

弁護人「6月4日早朝、任意同行となり、どうなると思った?」

鈴香被告「想像できなかった」

弁護人「その日のうちに(豪憲君の)遺棄を認めているが、殺害の自白が遅れたのはなぜ?」

鈴香被告「遺棄だけなら罪も軽くすむだろうと考えて、殺害はしていないと言った」

弁護人「(自分の)お母さんのことへの心配もあった?」

鈴香被告「関係ある。母も遺棄だけならそんなに驚かないだろうと。驚いても自殺したりそこまではしないと思ったので、最初は遺棄だけと話していた」

弁護人「接見した弁護人に認めたいと言った。それで自白することになったのか」

鈴香被告「はい」

弁護人「今現在、豪憲君にはどんな思いか」

鈴香被告「取り返しのつかないことをしてしまった。本当にごめんなさい、という気持ちでいっぱい」

弁護人「事件がなければ豪憲君はどうしていたと思うか?」

鈴香被告「他の子供たちと一緒に、楽しい学校生活を送っていたと思う」

弁護人「遺族の調書や、差し入れた本を読んだか?」

鈴香被告「読んだ」

弁護人「どう思ったか?」

鈴香被告「痛々しいほどつらいんだな、と。家族のだんらんを壊されて、とても怒っているのがわかった」

弁護人「あなたへ厳しい感情を持っているが」

鈴香被告「そのまま受け止めている」

弁護人「どのように償っているか?」

鈴香被告「拘置場で許可を取って、仏壇で焼香させてもらっている。房に花を飾って、豪憲君のことが書かれた本を彩香の写真と一緒に飾って、お菓子やジュースを供えている」

弁護人「本を飾っているのはなぜ?」

鈴香被告「豪憲君の写真が他になかったから」

弁護人「遺影の代わりに?」

鈴香被告「はい」

弁護人「拝んでいるの?」

鈴香被告「はい」

弁護人「どういう気持ちで?」

鈴香被告「毎日座る方法が決まっているので、反対側になるように。いつも目に入るようにしてもらっている」

弁護人「座る方法が決まっている?」

鈴香被告「房の中では規則があって、こちらを向いて座りなさいというルールがあって、守らなくてはいけないので、変なところに飾ったら見えなくなるし、一定のところに置いてある」

弁護人「どうやって拝んでいるのか?」

鈴香被告「手を合わせて拝んでいる」

弁護人「それから?」

鈴香被告「ひたすら(豪憲君に)ごめんねというしかありません」

弁護人「自分のしたことの償いを考えたか?」

鈴香被告「はい」

弁護人「どう考えた?」

鈴香被告「大切なお子さんを失って…。それも、他の人に奪われるというようなひどい行動によって奪われたので…」

ここでしばし沈黙し、言葉を振り絞るように話す鈴香被告。しかしはっきりと次の言葉を続けた。

鈴香被告「米山さんが望む通りの刑を望みます」

⇒(6)何度も自殺図った「たばことボディソープ飲んだ」