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第34回公判(2012.3.12) 【論告求刑】

 

(6)「『被害者と男女関係なかった』は不合理」 最後は金を根こそぎ…

木嶋被告

 首都圏の連続殺人事件で練炭自殺に見せかけ男性3人を殺害したとして、殺人などの罪に問われた木嶋佳苗被告(37)に対する裁判員裁判(大熊一之裁判長)は、検察側の論告が続いている。

 検察官は、平成21年5月の千葉県野田市、無職、安藤建三さん=当時(80)=殺害事件についての意見を述べている。

 安藤さんは全焼した自宅から遺体で発見された。他の被害者同様に練炭が燃やされた形跡があった。

 検察官は詳細に当日の行動を確認する。

検察官「安藤さんと当日会ったのは午前9時。その後、午前10時9分に、安藤さんの口座から188万円を入手している。その後、午前10時14分、スーパーの駐車場から安藤さんの自宅に戻る様子が(防犯カメラに)写っている。次にスーパーの駐車場に戻ってきたのは午前10時29分、自分だけが車に戻り、帰宅している」

 現場に置かれた練炭の状況から、練炭が燃焼し続けた時間は2時間半から3時間。午後1時から1時半には消火されていたことから検察官は着火時間を分析する。

検察官「10時〜11時。被告人が安藤さん宅に行っていた時間と符号する」

 動機にも言及する。

検察官「被告人には強い動機がありました」

「被告人はぜいたくな暮らしを維持したく、安藤さんと交際を始め、まず80万円を入手しました。絵画を無断で持ち出して売却しようともし、カードを無断で使用していました」

「それでも『肉体関係はなかった』と証言しています。ただ、メールのやりとりからは(証言が)不合理だと分かります」

 検察官は、説明を続ける。安藤さんとは20年5月と6月に知り合った。この時期は婚活サイトの利用のほか、出会い系サイトを通じて売春をしていた時期とされる。安藤さんとは婚活サイトを通じて知り合った。

 他に殺害された2人もサイトを通じて知り合っていたとされる。弁護側はこの2人を「真剣に結婚相手を探し、交際していた」と主張。安藤さんは、あくまでも話し相手のような存在だったとしている。

検察官「(サイトは)現金をだまし取る相手を探していたひとつの手段。年齢を問わず、だれでもよかった。ただ、被告人にとっては、すべてをだます手段と認めてしまうと、(2人とも)結婚のつもりはないと認めることになる」

「サイトが特別な存在と位置づける必要があり、結婚対象外の安藤さんとの肉体関係を認めてしまうとつじつまがあわなくなる。うそをつき続けなければならなかった」

 検察官の推察は続く。

 安藤さんは5月15日の事件当日、187万円の年金を受け取ることになっていた。木嶋被告もメールのやりとりから把握。さらに当日、安藤さんの口座から自身の口座に100万円を入金、88万円を現金で引き出していた。

検察官「口座の残高は千円。根こそぎ持っていった」

 ただ、弁護側は100万円は安藤さんに貸していたものを返してもらっただけと主張。88万円についても安藤さんに手渡したとする。

検察官「返したというのはうそで、形跡はない。安藤さんが、お金を借りていたというのも、メールのやりとりからはなく、でたらめに過ぎない」

 検察側は、さらに証拠隠滅工作についても簡単に言及した後、こう締めくくった。

検察官「すべてを総合すれば安藤さんを殺害したのは被告人だというのは明らかだ」

⇒(7)「更生の意欲や可能性も皆無」検察側の死刑求刑にも無表情貫く